【連載】ボイトレの???(ハテナ)にこたえる 声と歌の小泉クリニック

小泉 誠司

ニューベリーサウンド

第86回:声量アップしたければ「大声を出そう」と思ってはいけない!

声量を豊かなものにしないとニュアンスも音程も作れない

声が小さい、声量が足りない……

 という悩みを持たれている方は多いと思います。
 事実、私が行なっているレッスンでも、声量に関する悩みを解決したいと来られる方は多いです。

 その他の悩みとして..
・音程
・ニュアンス
・ビブラート
 を挙げられる方も多いですが、そういった問題の解決においても、私はまずは声量に関する問題を解決することから指導していています。

 なぜなのか?

 それはニュアンスを作るのも、音程を安定させるにも、「動力源」である「声」、その声量を豊かなものにしないとニュアンスも音程も作れないからです。

 どういうことか説明していきましょう。

 例えば水車や風車。

水がなければ水車は回らない
風がなければ風車は回らない


 このように、声においては「肺からの息が声帯を震わせて声が作られる」のです。その動力があってこそ、ニュアンスや音程は思い通りにできる、ということなのです。

 なるほど! ニュアンスを作るのにも、音程を安定させるにも声量が原動力、その原動力のパワーをつけることが必要、と理解していただけたかと思います。

「声量」=「大声を出そう」ではない

 ところで、皆さんは「声量」と聞くとどんなイメージを持ちますか? 
 声量というと「大きな声」、「力を入れて声を出す」というイメージを持つのではないでしょうか?

 でも「声量 = 大声を出そう」ではないのです。

 仮に「大声を出そう」とすることで、「声が小さい」という問題を解決できるなら、ボイストレーニングを受けるまでもなく、とっくに解決できているはず。でも実際には解決できていない人がほとんどだと思います。

 したがって「大声を出そう」とすることで、「声が小さい」という問題を解決することはできないのです。

 ちなみに、お酒を飲むと、ついつい声が大きくなると思いませんか? また、酔っ払って歌うと、すごく声が出やすいと思ったことってないですか?

「半分は勘違い、半分は正解」

 と私は思っています。
 でも、少なくても「半分は正解」なのです。

 酔っ払っているときには、あえて大きな声を出そうとは思っていないはず。それにも関わらず周りの迷惑にもなりかねないほど大声になってしまうことがあるのは、自分では「大声を出そう」していないから。
 要するに、頑張って「声を出そう」としていないときには、声はよく出ているということなのです。

「自然に声が出るメンタルやモード」をモノにしよう

 例えば仲の良い友達と話しているとき、ついトーンが上がって声が大きくなってしまうこともあると思います。
 このときも無意識で声が出てしまっているはずです。

 声が大きくなるための呼吸方法や発声方法も重要で、私も数多くのメソッドを開発してきましたが、それと同等かそれ以上に大切なことは、「自然に声が出るメンタルやモード」だと思っています。

 プロはすごい声量をしています。だけどそれは大声を出そうとしているのではなく、自然に声が出ているからです。

 なので、あなたがプロのような声量をモノにしたい、そしてその豊かな声量を駆使して自由自在な歌の表現を実現させたいと思ったら、あなたが目指すべきことは、頑張って声を無理やり出そうとするのではなく、「自然に声が出るモードやメンタル」をモノにすることなのです。


撮影:ヨシダホヅミ

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2023年11月22日(水)、24日(金)、30日(木)、12月1日(金)、15日(金)にレッスン空き枠あります!
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本コラムの執筆者

小泉 誠司

ニューベリーサウンド

小泉 誠司(コイズミ セイジ)

ボイストレーナー/作編曲家。米バークリー音楽大学卒。帰国後数々のアーティストの作編曲&プロデュースする一方、ボイストレーニング等新人育成にも力を注ぎ、数多くのアーティストをデビューさせた実績を持つ。

伝説のTVオーディション『ASAYAN』はじめ、数々のオーディションでレッスンや審査を行なうほか、機動戦士ガンダムの主題歌作曲も手がけるなど、多様なメディアで活躍。医療機関でのセミナーも多数、医学的見地に基づいた指導には著名アーティストや人気俳優&声優はじめ、セミナー講師、医師、弁護士など各方面からの信頼も厚い。テレビ東京『〇〇式って効くの?歌下手が3時間で…激変!?』など、TV出演や監修も多数。

著書に『ボイトレの“当たり前”は間違いだらけ!? すぐに歌がうまくなる「新常識」』(リットーミュージック)、『人生を変える「勝ち声」「負け声」 あなたを救う「声の法則」教えます ! 』(リットーミュージック)、『1分でいい声になる! 』(自由国民社 )などがある。

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