【連載】「うたってなんだっけ」

関取 花

第27回『やるってなんだっけ』

2024.01.1

あけましておめでとうございます! 新年一発目の原稿というのは、毎年なぜか妙に緊張してしまいます。それはなぜか。正直に言おう。この原稿を書いている今は、まだ全然2023年だからです。(1月1日にアップされるということは、その前に入稿しておかないといけませんからね)これから新年までにまだ何かあるかもしれないとか思うと、どうにもそわそわしちゃいます。

ちなみに、2023年の私の目標というかマイテーマは、「地力をつける」でした。ミュージシャンとしてはもちろん、人間としての体力とメンタルをより強固なものにして、いつ誰にどこへ呼ばれても、常に自分らしいパフォーマンスを発揮できる、そんな力をあらためてつけようと決めた年でした。上半期は弾き語りツアーを、下半期には3ヶ月連続での新曲リリース、そして二人編成でのツアーも行いました。その合間にライブもバンバンやって、レコーディングもして……。本当に充実した一年でした。そして何より、自信がつきました。自信がついたら、なんだか身軽になりました。「私なら大丈夫、いつでもどこでも呼んでください」という気持ちを手に入れることができました。自分のファンになれました。

でもそのぶん、悔しいことも増えました。身近な人が憧れの仕事をこなしているのなんかを見ると、本気で悔しくて眠れなかったりします。この感じは、10代とか20代前半の時ぶりかもしれません。

自分に根拠のない自信があったあの頃は、「なんで私じゃないんだ」といつも思っていました。そこから少しずつ大人になって、「私じゃダメだよね」と思う時期なんかも経て……。そして今です。根拠のある自信を手に入れたからこそ、また悔しさが蘇ってきました。ハングリー精神というか、雑草魂というか、そういうのが再びフツフツと沸いてきています。関取花というミュージシャンを形成する最も大切で危うい部分が、また自分の中で青い炎となって揺れているのを日々感じては、ゾクゾク、ワクワクしています。

2024年は、2023年でつけた地力を遺憾なく発揮して形にしていけたらと思います。ドラマの主題歌もやりたいし、映画の音楽もやりたい。CMのコンペも全部掻っ攫いたいし、誰にも負けないライブがしたい。あの漫画がアニメ化されたら絶対いい曲書くし、音楽以外のお仕事も全力でやる。ラジオのMCやりたい。レギュラーだって欲しい。とにかく来た球全部打ち返す。誰よりもいい軌道を描いて返してやる。そんなつもりです。もちろん新譜も作りますよ。全部やりたいし、全部やれると本気で思っています。やる、やるんだ。

2024年も、どうぞよろしくお願い致します!

本コラムの執筆者

関取 花

関取 花(せきとり・はな)
1990年生まれ 神奈川県横浜市出身 愛嬌たっぷりの人柄と伸びやかな声、そして心に響く楽曲を武器に歌い続けるソロアーティスト。2019年ユニバーサルシグマよりメジャーデビュー。2023年9月6日、久々の新曲「メモリーちゃん」を配信リリース。2023年11月からは盟友、谷口 雄と二人で巡る「関取 花 2023 ツアー“関取二人三脚”」を東京、京都、名古屋にて開催。

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