【連載】「唄いろは」
鈴華ゆう子
ライブの翌日は疲労が溜まりますが、連日歌わなければならない日もあります。
今日は、ライブ後の身体の自己ケアについてご紹介します。
ライブのあとは、喉だけではなく、全身運動のため身体も疲れています。さらには、イヤモニの使用による耳、照明による目の疲れもあります。
これらをなるべく癒して連日のライブもブレがないように行なう必要があります。
私の場合は、やはり身体の疲労を取ることが声の復活に一番早いと感じています。
長年お世話になっている鍼灸師の先生には定期的に診ていただき、ツアーのときは帯同をいただくこともあります。
しかし、毎回ケアが入るわけではなく治療がすぐできないことも多いので、先生に教えていただきながら自分自身の身体を知り、自己ケアをしています。
Myアイテムとともに自己ケアをご紹介
私はライブ後、肩の上の部分にある僧帽筋と首の前側にある胸鎖乳突筋がとても張ります。
歌うときにマイクを持つ手を前に出して肩を内に巻いた状態を維持するために使う筋肉になります。
また、ストレスなどで緊張すると硬くなる筋肉でもあります。
この筋肉をなるべく緩和するために、耳たぶの裏側にある出っ張った骨(乳様突起)のうしろ斜め下、顎の角張った部位を自身でほぐします。
筋肉の繋がりで言えば、前腕、上腕、鎖骨の下の筋肉と繋がっているので、前腕からマッサージしてあげるのも効果的です!
エアーガンのようなマッサージ機はとても有効です。
首専用のマッサージ機も最近ゲットしましたが、とてもお気に入りです!
ストレッチポールも必須アイテムです!
ストレッチポールで、身体の使い方の癖によりねじれた身体を整えるとかなり調子が戻りやすくなります。
身体の筋肉はすべて繋がっているので、どこか一箇所の歪みを治すより、全身を整えることを意識するのがいいですね!
ヒールによって足にもねじれが生じるので、しっかりストレッチや、マッサージクリームで元の位置に戻すように揉みほぐします。
僧帽筋と胸鎖乳突筋は脳神経の副神経という神経を介して脳と直接つながっています。
ヘッドマッサージをしてリラックスさせてあげると緩みやすくなるとのことで、自身で頭をほぐしたりしています。ヘッド専用の携帯マッサージ機も愛用しています。
ヘアセットをして髪を引っ張っている時間も長いので、ヘッドマッサージは必須です!
目の周りや、耳を回したり引っ張ったりしたマッサージもオススメですよ!
目は、蒸しタオルやホットアイマスクなどで温めてあげるのがいいですね。
そしてなにより、ライブ後はなるべく声を使わず休息を。
はちみつや喉にいいハーブティーなどをいただいてゆっくりしましょう。
いつもお伝えしているように、乾燥は大敵!
しっかり湿度を保って喉にありがとうを伝えます。
あとは、ライブが連日続く日は、朝必ずおにぎりを食べます!
食べると声が戻ってきますよー!
さて、
30回にわたりコラムを書かせていただきましたが、今回で最終回となります。
これまで愛読してくださった皆様へ心より感謝申しあげます。
コラムを綴る機会をいただけたことは、私にとっても大変勉強になり、思考を整理することができました。
パフォーマーとしても、後世に意識を向けた活動も両立して励んでゆきたいと思います。
本当にありがとうございました。
本コラムの執筆者
鈴華ゆう子
6月7日生まれ 茨城出身。3歳よりピアノ、5歳より詩吟と剣詩舞を学び、2011年12月、『日本コロムビア全国吟詠コンクール全国大会』優勝の経験もある、東京音楽大学ピアノ科卒業の音楽才女。
「伝統芸能を世界へ広げたい」という思いから和楽器バンドを結成。また一方で地元愛も強く持ち、いばらき大使・水戸大使を務める一面も。ロックに詩吟を融合させ、唯一無二の歌声で圧倒的な存在感を放つ、和楽器バンドの音楽を華やかに彩るスーパー・ヴォーカリスト。
現在、「和楽器バンド」のヴォーカル、和風ユニット「華風月」のヴォーカル&ピアノを担当。
ソロ活動としては、アニメの声優に挑戦するなど才能の幅を広げている。
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