【連載】「唄いろは」
鈴華ゆう子
ご自身の声質に向き合ったことはあるでしょうか?
歌う前に、自分がどんな声が出せるのかを、「しゃべり声」で試してみることをオススメしています。
それはまるで声優さんのように、高い声から低い声までさまざまなキャラクターになりきって、声で遊んでみます。
少し恥ずかしいかもしれませんが、演者として殻を破る練習にもなるので一石二鳥ですね!
お相撲さんになりきって、しゃべってみる
ここで、ひとつ例を挙げてみます。
裏声イコール高い声と思う方が多いと思いますが、ひと口に裏声と言っても実はさまざまな種類が存在します。
低い声にも裏声はあります。
高い声の裏声は出せるけど、低い声は出せないなんていうお悩みもよく耳にします。
身体をリラックスして喉を十分に開き、あくびをするような感じで裏声を出します。
※ハミングで練習するとうまくいきやすいです。
しかしなかなかうまくいかない、
そんなとき、レッスンでは、「すごく大きなお相撲さんになりきって、”ごっつぁんです、ちゃんこ鍋食べるぞー”としゃべってみましょう」と伝えると、意外とすんなり上手に低い裏声を出したりします。
それが喉をしっかり開く感覚を身につける第一歩になったりします。
低い声の裏声が出せると、地声と裏声の分岐点となる喚声点がスムーズになり、歌声の表現力の幅がさらに広がります!
低い裏声ができると、平井堅さんや、MISIAさんみたいな歌声もできるようになるかもしれませんね!
声のモノマネ遊びで、自分が持つポテンシャルを知る
喉のどの位置を使って、どんな風に開いたり閉じたりすると、どんな声がするのかを、歌ではなく声として自覚していくことで、自身の持つ楽器のポテンシャルを知ることができます。
モノマネをされる方は、基本的にとてつもなく歌がうまい方ばかりですよね。
それだけ、自身が出せる声を知り尽くしているし、どういう声を出すと、誰の声に似る可能性があるのかを知り尽くしており、
分析力に長けているのだと思います。
ミッキーマウスの声マネをすると、高い裏声は上手に出せますね! そのまま、低い声にしてみると、貴方の声は何に似ている声になったでしょうか?
自由自在に声帯を操るためには、まずどんな風に出すとどんな声が出るかを把握したいものです。
それがわかってくると、歌うときにも柔軟になった声帯が、自身が出したいと思うサウンドに近づくようになります。
しゃべり声でのモノマネ遊びは、まだ知らない魅力的な歌声を見つけるキッカケにもなるかもしれませんね!
本コラムの執筆者
鈴華ゆう子
6月7日生まれ 茨城出身。3歳よりピアノ、5歳より詩吟と剣詩舞を学び、2011年12月、『日本コロムビア全国吟詠コンクール全国大会』優勝の経験もある、東京音楽大学ピアノ科卒業の音楽才女。
「伝統芸能を世界へ広げたい」という思いから和楽器バンドを結成。また一方で地元愛も強く持ち、いばらき大使・水戸大使を務める一面も。ロックに詩吟を融合させ、唯一無二の歌声で圧倒的な存在感を放つ、和楽器バンドの音楽を華やかに彩るスーパー・ヴォーカリスト。
現在、「和楽器バンド」のヴォーカル、和風ユニット「華風月」のヴォーカル&ピアノを担当。
ソロ活動としては、アニメの声優に挑戦するなど才能の幅を広げている。
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