【連載】「唄いろは」

鈴華ゆう子

第15回「童謡にひそむ魅力」

皆さんはどのくらい童謡を知っていますか?
大人になってから、
「実は私、もしかすると人一倍童謡や唱歌を知っているのかも?!」
と気づいた瞬間がありました。

歌が好きな私は、日常でも何気に口ずさむ歌が童謡や唱歌やわらべうたであることも多いのですが、
たまたまその鼻歌を耳にした人から、
「何その歌?!」と聞かれることが多く、意外と知られていない曲であることに驚くことがあります。

きっと私の場合は、母が童謡に触れる機会をたくさんくれてレパートリーが増えたのだと思いますが、改めてその点には感謝しています。
はじめは、お母さんが歌ってくれたり、CDを聴いたりしてましたが、それをキッカケとして、テレビから流れてくる歌にも興味津々な幼少期でした。
そしてピアノ講師をしていた時代は、幼児にリトミックなども教えていましたので、大人になってからも童謡には、より深く携わってきました。

童謡を歌い、よさを知る

童謡について考えてみると、さまざまな効果があるなと思います。
童謡は、小さな子どもからお年寄りまで口ずさめる優しいメロディがメインです。
そして童謡を歌うときはアカペラであることが多いですね。

一度聴いただけでも覚えやすい長さと、日本人が馴染みやすい旋律であることが多く、
聴いてマネして歌ううちに自然と聴音力や音感が養われています。

そして歌詞の内容もわかりやすいので、
“詩を理解して歌う”
という訓練にもなっていることでしょう。
四季折々の風景を表わした詩も多いですから、曲から想像力が掻き立てられ、表現力にも繋がっていると思います。

最近、童謡なんて歌わないなぁという方がほとんどかと思いますが、
どうでしょう、今この瞬間をきっかけとして、童謡一節アカペラで口ずさんでみませんか?

大人になってから改めて、自分なりに表情豊かに音程をキチンと取って歌うことで、また音楽的にも新たな気づきがあるかもしれません。
鼻歌をしながら、自分のお気に入りの曲を見つけて、あなたの声で次の世代にたくさん歌って聴かせてあげてください。

日本の童謡を知り、とっさに歌えるレパートリーが多い人が増えたらなんだか素敵ではないですか?
そんなことを想像していたら、また新たに曲を漁りたくなりました。
あなたもぜひ、身近な誰かのヴォーカリストになってください。

そんなこんなで、童謡のCDも作っておきたいという思いから、私も自身のアコースティックユニット華風月で数年前に制作しました。
3枚組の1枚が童謡や唱歌となっています。
やぎさんゆうびんがオススメです(笑)

華風月「淡き現に 夢かさね」:こちらから

本コラムの執筆者

鈴華ゆう子

6月7日生まれ 茨城出身。3歳よりピアノ、5歳より詩吟と剣詩舞を学び、2011年12月、『日本コロムビア全国吟詠コンクール全国大会』優勝の経験もある、東京音楽大学ピアノ科卒業の音楽才女。

「伝統芸能を世界へ広げたい」という思いから和楽器バンドを結成。また一方で地元愛も強く持ち、いばらき大使・水戸大使を務める一面も。ロックに詩吟を融合させ、唯一無二の歌声で圧倒的な存在感を放つ、和楽器バンドの音楽を華やかに彩るスーパー・ヴォーカリスト。

現在、「和楽器バンド」のヴォーカル、和風ユニット「華風月」のヴォーカル&ピアノを担当。
ソロ活動としては、アニメの声優に挑戦するなど才能の幅を広げている。

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