【連載】「唄いろは」
鈴華ゆう子
※こちらのコラムは入院前に執筆したものです
以前、第7回でステージングについてお話ししましたが、今回は、ヴォーカリストの立ち姿や身体でのリズムの捉え方などについて触れてみたいと思います。
言うなれば、ステージパフォーマンスに行く前のひとつ前段階ですね。
ヴォーカリストの立ち姿ひとつで、必死に歌っているように見えるのか、世界観に引き込まれるようなオーラが見えるのか、変わるのではないかと思っています。
曲調によって、凛とその場に立ってるだけでも存在感が際立つ曲もありますし、
棒立ちでは物足りなく、ステージ上で小さく見えてしまうこともあります。
身体でリズムを感じる
リズムに身体が自然と乗っているかどうかというのも、立ち姿でやはりすぐ分かりますので、
ダンスをしながら歌うアーティストじゃなかったとしても、身体でリズムを感じることはとても重要だと考えます。
私も、時々ダンスのレッスンを嗜んでいますが、そういった経験は必ずヴォーカリストにとってはプラスになると思い、練習しています。
例えば、手ひとつ動かすにしても、音程をとるために必死に手を動かすのではなく、あくまで自己表現の中で魅せるような手の動きとなっているかどうかで、カリスマ性のあるヴォーカリストに見えるかもしれません。
私はパフォーマンスにおいては剣詩舞を幼い頃からやっていて、和楽器バンドにおいてはその所作や踊りを取り入れることで個性に繋がりましたが、
そもそも日本の伝統音楽は現代の音楽とはリズムの取り方がまったく違いますので、取り入れるにしても、リズムの乗り方をそのまま取り入れてしまうと、滑稽になってしまいます。
あくまで、そのまま取り入れるのではなく、要素を活用して、曲のリズム感に合わせて採用しなければスタイリッシュには見えません。
なんでもかんでも取り入れるのではなく、現在自身が歌っている音楽がどんなノリの曲であり、どのような動きをするとステージ映えするのかを取捨選択し、アレンジも加えながら考えます。
最初は鏡を見たり動画撮影しながら歌っている立ち姿を研究してみると良いかと思います。
マイクパフォーマンスも重要
マイクパフォーマンスも大切です。
まずは自身に合ったマイクに出会うことからですが、愛用のマイクが決まれば、そのマイクの持ち方や、マイクスタンドの使用の有無など、
自身が狙った見え方をしているかを客観視してみてはいかがでしょうか。
弾き語りなどでマイクスタンドを使用する場合も、マイクの角度や、スタンドに対しての身体の立ち方、足の開き具合、スタンドへ手を添える仕草、等々、
センターマンに相応しい、自分らしい立ち姿を生み出してみてください。
きっと、聴衆は貴方の醸し出すオーラに虜になるはずです!
こちら、手振りで気に入っている自身のMVです!
本コラムの執筆者
鈴華ゆう子
6月7日生まれ 茨城出身。3歳よりピアノ、5歳より詩吟と剣詩舞を学び、2011年12月、『日本コロムビア全国吟詠コンクール全国大会』優勝の経験もある、東京音楽大学ピアノ科卒業の音楽才女。
「伝統芸能を世界へ広げたい」という思いから和楽器バンドを結成。また一方で地元愛も強く持ち、いばらき大使・水戸大使を務める一面も。ロックに詩吟を融合させ、唯一無二の歌声で圧倒的な存在感を放つ、和楽器バンドの音楽を華やかに彩るスーパー・ヴォーカリスト。
現在、「和楽器バンド」のヴォーカル、和風ユニット「華風月」のヴォーカル&ピアノを担当。
ソロ活動としては、アニメの声優に挑戦するなど才能の幅を広げている。
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