【連載】「唄いろは」

鈴華ゆう子

第29回「新しい編成や少ないリハーサルでも完成度をあげて歌うコツ」

先日、初めての編成で、初めましてのメンバーで、リハーサルが1回での本番、という公演がありました。
先日のコンサートは、弦楽器(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)と和楽器(篠笛、尺八、能管、箏、津軽三味線、鼓)とピアノ、パーカッションという編成でした。
春をテーマにした今回のコンサート。
オリジナル曲はもちろんのこと、日本の春の名曲カバーも多くお届けしました。

ヴォーカリストとしてプロ活動をすると、バックバンドさんとのリハーサルが1、2回のみで本番ということも多くあります。
その日初めてお会いするメンバーとリハーサルをして、本番までの期間にその内容を忘れないようにそれぞれが責任を持って準備をし、当日リハーサルで最終調整をして本番に臨む。
互いの信頼関係の中で音を作り上げていきます。

私自身がどのような心構えでいることが大切かと改めて自分の中で整理をしてみました。

少ないリハーサルの場合、リハーサル日を迎えるまでの準備がとても大切です。
まずなるべく早く、セットリストを決定し、アレンジを詰め、音源や譜面をメンバーへ共有する。

今回の編成においてどのようなサウンドとなり、どのようなプログラムが生きてくるかを、頭の中でしっかり想像し、構成を考えます。
リハーサルをして多少の変更は可としても、なるべく変更なくいけるように、緩急を考えながら曲順を決め、MCの入れどころや、曲数や全体尺などを決めていきます。

少ないリハーサルの中でクオリティを上げるためには、リハーサル後もとても重要です。
リハーサルの録音を聴いて本番までに、MCを含めた良きコンサートの流れをしっかりと最終調整していきます。
リハーサルの録音は、オンヴォーカルとオフヴォーカルの両方を用意できるとより良いと思います。

また、リハーサルでは気づけなかったバンドメンバーへの追加の要望等があれば、余裕を持って伝えます。プロのミュージシャンの方々はスキルが高いので、その要望をそれぞれしっかりと把握し、応えてくれます。

さまざまな編成の音のイメージが直ぐに想像でき、そこに自身の声が重なったときに、どのようになるかを考えられるかどうかは、ヴォーカリストとしての限界値に直結すると思います。
できるだけたくさんのジャンルの音楽を聴いて触れることをオススメします!
歌えるジャンルの幅が広がることは、ヴォーカリストの可能性や、見える世界を広げてくれると思います。

しっかり時間をとっているコンサートでも、お客様が、あっという間に感じたと夢中になるようなプログラム構成を組み立てることを意識したいものです。
歌うことだけではなく、コンサート全体をプロデュースする力もレベルアップしていけるように、いろんなコンサートもチェックしてみると、沢山の発見がありますので、こちらもオススメです。

私は、いろんな方のライブ映像を観ることも好きです。

実は今、和楽器バンドは、
1月7日に日本武道館で開催された『Lemino presents 和楽器バンド 大新年会2024 日本武道館 ~八重ノ翼~』、Leminoでの独占無料配信を行なっています。

ぜひ、この機会にご覧ください!

■視聴ページhttps://lemino.docomo.ne.jp/contents/Y3JpZDovL3BsYWxhLmlwdHZmLmpwL2dyb3VwL2IxMDE2NDM=

■配信期間2024年3月1日(金)18:00~2024年5月31日(金)23:59
▽Leminoでのご視聴方法はこちらをご確認ください。
https://lemino.docomo.ne.jp/ft/0000014/

本コラムの執筆者

鈴華ゆう子

6月7日生まれ 茨城出身。3歳よりピアノ、5歳より詩吟と剣詩舞を学び、2011年12月、『日本コロムビア全国吟詠コンクール全国大会』優勝の経験もある、東京音楽大学ピアノ科卒業の音楽才女。

「伝統芸能を世界へ広げたい」という思いから和楽器バンドを結成。また一方で地元愛も強く持ち、いばらき大使・水戸大使を務める一面も。ロックに詩吟を融合させ、唯一無二の歌声で圧倒的な存在感を放つ、和楽器バンドの音楽を華やかに彩るスーパー・ヴォーカリスト。

現在、「和楽器バンド」のヴォーカル、和風ユニット「華風月」のヴォーカル&ピアノを担当。
ソロ活動としては、アニメの声優に挑戦するなど才能の幅を広げている。

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