【連載】『ENGAB♡AtoZ』
ENVii GABRIELLA
Kamusの人生を豊かにする生きものたちとの暮らし「1日の始まりに元気をもらえる」〜『ENGAB♡AtoZ』第9回〜
2024.03.19
※本連載は、音楽系エンタメサイト『耳マン』の更新終了に伴い、2024年3月より当サイト『Vocal Magazine Web』にお引っ越ししました。第7回までの連載記事はこちらをご覧ください!
唯一無二の3人組オネエユニット・ENVii GABRIELLA(通称エンガブ)のメンバーが愛してやまないヒト・モノ・コトについて、アルファベットのAからZを頭文字に始まるキーワードで紹介していく連載『ENGAB♡AtoZ』。第9回はKamusが“I”を担当し、“生きもの”や“インテリア”をテーマに、自身が飼っている動物や育てている植物について綴ります。
■【I】Kamusの人生を豊かにする大切な生きものたち
私はひとり暮らしをしていますが、大家族です。というのも、私の家は生きものであふれているからです。昨年亡くなってしまったけど、フェレットのネオくん。ミニチュアダックスフンドのラッキーさん。フクロモモンガの要(かなめ)さん。そして、今回担当するアルファベットの“I”から始まるワード、“インテリア”ともいえる植物たち。今はパキラ、アラビカコーヒーノキ、ガジュマル、ポトス、クルシアを育てています。ほら、大家族でしょ?
我が家には生命があふれているので、部屋にいると「生きてる」って感じがします。ご飯をあげるときやお水をあげるときに、命を感じます。それと同時に、「生きものって本当に素直なんだなぁ」と思います。動物も植物も環境によって育ち方が明らかに変わるので、私はその変化を感じたくて家に招いている気がします。今回は動物と植物について、それぞれ綴りたいと思います。
■家族としてお迎えした動物たちとの忘れられない出会い
私にとって動物を飼うということは、以前は憧れでしかなかったです。大人になりダンサーという不安定な仕事ではあったものの、個人でそれなりに稼ぎを得られるようになった頃、私が最初に飼ったのは金魚でした。出目金やパンダ出目金などを飼っていて、金魚たちの個性豊かで艶やかな姿に「今日も美しくパフォーマンスしよう」と力をもらっていました。
そんなある日、近所のペットショップに金魚のご飯を買いに行ったときに、フェレットのネオくんと出会いました。丸まって寝ているその可憐な姿を見て、私は即連れて帰ることを決めました。ネオくんとの生活が始まり、長く家を開けるときは外出先へ連れて行ったりもしましたね。ネオくんの名前には、“私の生活に新しい風を吹かせてくれる存在”という意味を込めました。ネオくんが来てからは仕事も好調で、ものすごく忙しく全国へ飛び回るようになりました。本当に新しい風が吹いたと思いました。
それから数ヵ月が経ち、ネオくんのご飯を買いにペットショップへ行ったときのことです。ふと入口に一番近いゲージを見ると、見慣れたダックスフンドがいました。「あれ? この子ずっといませんか?」と店員さんに聞くと、「そうなんです。なかなか家族が決まらなくて……」と返され、記憶が幼少期にタイムスリップしました。
おばあちゃんの養子になった小学1年生の頃(第6回『Kamusが身を寄せたまわりとは違う家族と、これまでの生い立ち』参照)、私は寂しさを動物で癒していました。近所で飼われている馬や牛、近所に出現した野生の猿や鹿をよく眺めていましたし、知り合いの家で飼えなくなった犬を預かったこともありました。このときに預かった犬は1ヵ月ほどでほかのお家に行くことが決まったのですが、離れるのが悲しくて夜に泣きじゃくったことを思い出しました。
そして、現実に戻って店員さんにひとこと、「少し考えてきます」と言いました。そうして、1時間ほど考えに考え心を決めて、ペットショップに戻って店員さんに言いました。
「連れて帰ります」
ずっとお家が決まらないというのも過去の自分とどこか重なりましたし、家でいつもお留守番しているネオくんもひとりじゃ寂しいんじゃないかと思っていたこともあり、経済面も含めていろいろと考えて決断しました。
ラッキーという名前は、「私の家に来てラッキーだったと思ってもらいたい」というなんともシンプルな想いでつけました。「タイミングだなー」と思ったのが、ペットショップで手続きをしているときに来店されたお客さんが、店員さんに「この子、お家決まったのかい?」と質問してたんです。このお客さんは私と入れ違いでラッキーを検討していたみたいで、私がもしあと1時間悩んでいたら、私の家にラッキーは来なかったんです。本当にいろいろなタイミングが重なり、「ラッキーとは何か不思議な縁があるなぁ」と思っています。
フクロモモンガの要さんは、ラッキーが家に来て半年くらい経った頃に出会いました。ある日ペットショップに行くと、カゴの中でフクロモモンガのオスとメスが2匹で飛んで遊んでいました。その翌週にまた立ち寄ると、2匹いたモモンガが1匹だけになっていて、ぽつんとケージから遠くを見ていたのです。ズキュン。完全に撃ち抜かれました。そこで、寂しかろうと思い我が家に呼んだのが要さんです。これでベースとなる私の大家族が集まりました。
要さんの名前の由来は、当時パフォーマンスでよく使っていた扇子の、骨がバラバラにならないように留めている部分の名称である“要”からとりました。私とネオくんとラッキーさんと要さんがバラバラにならないように、家族の要になってもらいたくて名づけました。おかげで、3匹と私はずっと一緒にいることが出来ているのだと思います。
私は寂しがり屋で、ひとりでいるよりみんなといたいタイプということもあって、大家族になりました。大変なこともありますが後悔はなく、とても幸せです。幼少期には飼えなかった犬も大人になってしっかり面倒を見ることができて、嬉しいです。ちなみに、私はペットのことを“家族”と呼ぶし、エサではなく“ご飯”と呼びたい派です(謎のこだわり)。
■青森県の田舎で育ったことが影響した植物への強い愛
そして、冒頭でも話しましたが、私の家には植物もあふれています。オシャレに言えば“インテリア”かもしれませんが、植物のこともやはり家族だと思っています。うちにいる植物はみんな緑色の葉をつけているタイプで、花は滅多に咲かない子たちばかりですが、茎が太陽に向かって伸びる速さや、太陽に向かう葉の動きなどに、命を感じます。
花が咲く植物とは違い、1年を通して緑の葉を生やし続けていますが、それも当たり前ではなくて、ちょうどいい水の量や日当たりを気にしてあげないと葉が痛んでしまうので、注意してますね。家でコーヒーを片手に水やりをして植物たちを眺める。朝ゆっくりできるときは、それがルーティーンでもあります。緑色は癒し効果もあるのか、イライラしていても部屋の植物を見ながらコーヒーで一服すると和らぎます。「さすが我が子たち」と、いつも感謝しています。私は青森県出身で、自然であふれた田舎で育ったということもあり、植物が好きなのだと思います。
部屋に緑がない方は、まずは造花からでもいいので植物を置くことをオススメします。「初めてだけど、どんな植物を育ててみようかな?」と悩んでる方にオススメするなら、比較的育てやすいと言われているアイビーかな。ツルがよく伸びるので窓際に置いてあげてもいいし、棚の上に置いても良きです! 気づいたら、「え? もうこんなに伸びたの?」と生命力を感じられます!
長く綴ってきましたが、動物も植物も生きもの。飼うと決めたら、自分を犠牲にしてでも最後まで面倒を見てあげてくださいね! 動物と植物が家にいてよかったと思えることは、1日の始まりに「がんばろう!」と元気をもらえることと、「この子たちのために私が強く生きて、エネルギーをあげなければ」と前向きになれることです!
人はひとりでは生きていけません。必ずどこかで誰かに助けてもらって、助けてもらったその人も違うどこかにいる誰かのことを助けて生きています。人を助けることは連鎖して幸せの輪になり、いつか自分に返ってくると思っています。自分はひとりで生きていると思い込んで、自分のことしか考えていない人になってしまってからじゃ、多分まわりの人はもう何も言ってくれないです。本当にひとりぼっちになっちゃいます。
生きものと生活していると、自分自身をふと見直す機会や心の余裕をくれて、そんな大切なことに気づかせてくれたりします。こんな自分勝手に家族自慢を語りまくっているコラムを最後まで読んでくれている人は、きっとあふれるほどの愛がある人です。家族を迎えた人やこれから迎えようとしている人は、その愛というエネルギーをぜひ家族にたくさん注いであげてみてください♡
(Kamus)
□ENVii GABRIELLA リリース情報
・2024年5月29日(水)
メジャーセカンドミニアルバム『DVORAKKIA』(ドヴォルザキア)をリリース!
□ENVii GABRIELLA ツアー情報
『ENVii GABRIELLA LIVE TOUR 2024「DVORAKKIA」』
・6月21日(金)〜22日(土) @cube garden(北海道)
・6月29日(土) @Zepp Namba(大阪)
・6月30日(日) @Zepp Nagoya(愛知)
・7月6日(土) @DRUM LOGOS(福岡)
・7月14日(日) @Zepp DiverCity(東京)
Kamus(カミュ)
12月28日生まれ、青森県出身。音楽ユニット・ENVii GABRIELLAのメンバーで、YouTubeチャンネル『スナック・ENVii GABRIELLA』の店子。同ユニットの振り付けを担当している。陸上自衛隊の元隊員で、衛生班・手術班に所属していた。ダンサーの夢を叶えるべく上京し、ショーダンサーやアーティストのバックダンサーをはじめ、バラエティ番組への出演など多岐にわたる活動を経験。TakassyとHIDEKiSMの共通の知り合いであったことから、ENVii GABRIELLAのメンバーとなった。
・Kamus X:https://x.com/NEOkamus1228
・Kamus Instagram:https://www.instagram.com/kamusyuji/
本コラムの執筆者
ENVii GABRIELLA
ENVii GABRIELLA
Takassy(タカシ)、HIDEKiSM(ヒデキズム)、Kamus(カミュ)からなる唯一無二の“最強オネエユニット”。それぞれ違うフィールドで活躍していた3人が、2017年3月よりユニットでの活動を開始し、2021年10月にメジャーデビュー。バラエティ豊かな楽曲、圧倒的な歌唱力、息の合ったダンス、ピンヒールを着用しての華麗なパフォーマンスが特徴的。“動画で楽しむ新宿二丁目”がコンセプトのYouTubeチャンネル『スナック・ENVii GABRIELLA』も人気で、約20.6万人のチャンネル登録者数(2023年11月時点)を誇る。
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