【連載】『ENGAB♡AtoZ』

ENVii GABRIELLA

HIDEKiSMが“自分らしく生きる”ようになったきっかけと、アーティスト名に込めた意味〜『ENGAB♡AtoZ』第8回〜

2024.03.5

※本連載は、音楽系エンタメサイト『耳マン』の更新終了に伴い、2024年3月より当サイト『Vocal Magazine Web』にお引っ越ししました。過去の連載記事はこちらをご覧ください!

唯一無二の3人組オネエユニット・ENVii GABRIELLA(通称エンガブ)のメンバーが愛してやまないヒト・モノ・コトについて、アルファベットのAからZを頭文字に始まるキーワードで紹介していく連載『ENGAB♡AtoZ』。第8回はHIDEKiSMが“H”を担当し、“HIDEKiSM”をテーマに自身のポリシーやアーティスト名の由来について綴ります。


■【H】HIDEKiSMが“自分らしく生きる”ようになったひとつの転機

みなさまこんにちは♡ HIDEKiSMです♡ ENVii GABRIELLAのA to Z! ありがたきことに私のターンで“H”が回ってきました。“H”といったらなんといっても私、“HIDEKiSM”でしょ♡

“ひでき”はもちろん本名です。母が当時、歌手の西城秀樹さんが好きだったようで、私の名前の漢字もそのまま“秀樹”になったんですって。私は自分の名前を気に入っています。それも相まって、幼少期からずっと一人称が下の名前でした。

しかし、高校生の頃には「私は一体、いつまで自分のことを名前で呼び続けるのだろう」とさすがに考えるようになり、高校入学とともに自分のことを「俺」と呼んでみたりしました。しかし、案の定1週間も持たず、同級生たちの前でポロッと自分のことを「ひできは〜」と呼んでしまい、まわりが「おや?」となったのを今でも覚えています。

「あ、終わったわ」

「みんなに気持ち悪がられるかな、嫌われるかな」と思いながらも正直に「自分のこと、ひできって呼ぶんだよね〜(笑)」と話したら、誰もが笑うことも気持ち悪がることもなく、「ふぅん、そうなんだ!」とあっさり受け入れてくれました。それ以来、アラサーになった今でも、仲の良い友人や家族の前では一人称が名前になることがあります(お仕事では私って言うようにしてますよ)。今考えると、その出来事は私が“自分らしく生きる”ようになったひとつの転機だったかもしれません。

当時、友人が言ってくれたんです。「ひできって男とか女とかじゃなくて、ひできっていう性別だよね」って。それがものすごく嬉しかったし、なんかものすごくしっくりきたんですよね。“男らしくしなきゃいけない”とか、“「俺」って言わなきゃいけない”とか、そういう固定観念にとらわれながら生きなくて良いんだって。

だから、私は高校時代から仕草もしゃべり方も何も変わっていなくて、高校の友達に会うと「変わらないね♡」って言われます。

■アーティスト名を“HIDEKiSM”に改名した理由と、名前に込めた意味

高校を卒業するとともに歌手活動を始めた私は、当初は“HIDEKI”という名義で活動していたんです。そしたら、今でこそ大事なSEO(※)対策で問題が出てきました。ネットで「HIDEKI」と検索すると、元プロ野球選手の松井秀喜さんや西城秀樹さんが最初に出てきてしまって、ライブを通して私のことを気になってくれた方がいても、情報をキャッチしてもらいづらかったんです。

※“Search Engine Optimization”の略称で、インターネットでユーザーが検索したキーワードに対して、特定のウェブサイトが上位に表示されるようにする対策のこと

「これはいけない!」と検索でヒットするようなアーティスト名に改名することを考えたとき、インディーズのソロ時代にリリースしたファーストアルバムのタイトル『HIDEKiSM』をそのまま名前にしたって感じです。“iSM =主義”なので、“ひでき主義”ってことです。なんとも前のめりな名前ですよね♡

インディーズのソロ時代にリリースしたファーストアルバム『HIDEKiSM』のジャケット。このときからオカマ要素満載だね♡

「ヒデキズムさん!」って呼ぶと、7文字もあるからまわりはみんな呼びづらそうにしています。だから、マネージャーは私のことを「ズム!」と呼ぶし、「ひーくん」とか「ひでき」って呼ぶ人たちもいます。そして、よく「ヒデキングさん」とか「HIDEKiZM」と間違えられます。でもあんまり気にしません(笑)。呼んでることがわかればいいかなって。

改名したこの名前も、割と気に入っています。おかげさまで改名後からはすぐに情報をキャッチしてもらいやすくなったし。ちなみに“i”が小文字なのは、“私の愛は一生半人前”という意味です。ディズニーリゾートとかサグラダ・ファミリアみたいな感じです。“一生未完成”的な。

“自分主義”という意味がある名前を名乗り始めてからは、それが自分のアーティスト性になったかなと思います。活動を通して、“みんな違ってみんな素晴らしい”ということや“自分らしく生きていいんだ”というメッセージを届けていきたいです。

そんな“HIDEKiSM”という名前を引っ提げて、これからもどんな形であっても歌を歌い続けていければ良いなと思っています。

(HIDEKiSM)


HIDEKiSM(ヒデキズム)

1月17日生まれ、東京都出身。音楽ユニット・ENVii GABRIELLAのメンバーで、YouTubeチャンネル『スナック・ENVii GABRIELLA』のチーママ。同ユニットの企画やマーケティングを担当している。2013年にバラエティ番組『笑っていいとも!』内のコーナー『オネエメンコンテスト』で優勝し、同コーナーから輩出された“オネエ系イケメン”5人組グループ・ONEPのメンバーとして約半年に渡りレギュラー出演した。当時からLGBT系アーティストとしての活動を精力的に行っており、2016年にTakassyからユニット結成の提案があったことから、ENVii GABRIELLAのメンバーとなった。
・HIDEKiSM X:https://x.com/HIDEKiSM0117?s=20
・HIDEKiSM Instagram:https://www.instagram.com/hidekism/

本コラムの執筆者

ENVii GABRIELLA

ENVii GABRIELLA
Takassy(タカシ)、HIDEKiSM(ヒデキズム)、Kamus(カミュ)からなる唯一無二の“最強オネエユニット”。それぞれ違うフィールドで活躍していた3人が、2017年3月よりユニットでの活動を開始し、2021年10月にメジャーデビュー。バラエティ豊かな楽曲、圧倒的な歌唱力、息の合ったダンス、ピンヒールを着用しての華麗なパフォーマンスが特徴的。“動画で楽しむ新宿二丁目”がコンセプトのYouTubeチャンネル『スナック・ENVii GABRIELLA』も人気で、約20.6万人のチャンネル登録者数(2023年11月時点)を誇る。

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