すぅ、あいにゃん(SILENT SIREN)、6年ぶりのアルバム『TRIANGLE』全曲のヴォーカル表現と全国ツアーへの想いを語った大ボリューム・インタビュー!(前編)

“切なポップ”っていうのが、ひとつのサイサイの“らしさ”だと思う。(すぅ)

──続いて「メイビーベイビーブルー」です。こちらは速めの曲で、“切なロック”ですが、サビ中心に地声からミックス、裏声への切り替えが多いですよね。こういう切り替えのところでは、喉とか鼻腔とか、意識はどこへ置いているんでしょうか?

すぅ どうなんでしょう。10年前にこの曲を出してたら、サビは全部地声で行ってたと思います。それが若さであり、そのときのニュアンスだと思うんですけど、今はこの《メイビーベイビーブルー君にまだ》の《まだ》をファルセットにしている。そこでちょっと弱めにして、この感情っていうのを出せたらいいなと思っているんです。ボイトレとかで、あまり鼻に抜けない意識をしながら息を漏らす、みたいな練習はしてますね。

──他にこの曲では、語尾は“抜く”意識を感じたのですが。

すぅ はい。この楽曲は語尾に切なさを持ってくるようにしているので、わりと息を漏らすような感じの語尾が多いと思ってます。

あいにゃん めちゃくちゃ好きな曲ですね……全部好きなんですけど(笑)。テンポ感も速い中でエモさもすごくあって、歌ってて感情がすごい出る曲ですし、すぅがサビで、“ここは裏声を使ってる”って言ったけど、以前の事務所にいた頃は“地声で張れ”みたいなことを、よく言われてたもんね。

すぅ そうだったね。

あいにゃん “今はそういうのを自分でコントロールしてるんだ”って、ウンウン頷きながら聞いてました(笑)。

すぅ 地声で張って、元気いっぱいです!みたいなのが売りだったからね(笑)。

あいにゃん (当時の)社長に言われてたのを思い出して。“ああ、歌い方は確かに変わった”っていう発見です。

──続いて「Sus4」ですね。Sus4というのは、ギター弾きには馴染みあるコードの響きというか、ここぞで使いたくなるコードなんですが、このコードが持つ性質のように、最後のワンフレーズへ向けて解決していくような、そんな流れが曲全体にあると思うんです。そこは歌い方でも意識されたんですか?

すぅ ちょっとそれこそ切なくて、不安がある中からパーっとそれが切り開けて、ちゃんと前に進んでいけるような力強さに変わっていくっていう、Aメロからサビに向けての変化はつけるようにしてますね。4人体制から3人になったこととか、これから何か起きそう、起こしていくぞっていう気持ちも込めています。このSus4って、ちょっと展開が起きる前のコードなので、自分たちのバンド人生にピッタリだなと思って。再始動して一発目のEPの曲なんですけど、(あいにゃんに向かって)久々にやったんだよね。“めっちゃ良い曲!”と思って。活動休止中のこととか思い出して、演奏しながら毎回泣きそうになっちゃいます。メインの曲では全然ないし、ポップ過ぎる曲でもないので、あんまりみんなに馴染みはないかと思うんですけど、自分たちが一生大事にしていける曲になったなと。このカッコの部分《(あの日のStar)、(まだ煌めいていた)、(手を伸ばした)など》があるのが、めっちゃサイサイっぽいよね。

あいにゃん っぽい。……っぽいけど、でも1コーラス目と2コーラス目で歌詞が違うのがいい。単調にならない。普通はお客さんに歌わせたいこともあって、キャッチーで同じ歌詞という曲がわりと多いと思うんですけど、違うこと言ってるからメッセージ性がすごいあっていい。最初にクボくんがデモを上げてきたときの、“うわ〜、ヤバい!”みたいな、全員で“すごい良い曲!”って思った記憶がすごいありました。

すぅ これは「stella☆」っていう曲の続編の歌なんですよ。「stella☆」は自分たちが初めて意志を出したというか、いつも事務所に“この曲で行こう”みたいな感じで言われることが多かったんですけど、初めて“この曲でA面いきたいです”って言った曲なんです。ちょっと落ち着いてる曲で、キャッチー過ぎてないっていうか、ポップ過ぎてないんですが大切にしている曲があって。ストーリーもバンドの人生について歌ってるんです。「Sus4」もニュアンスとか歌い方は「stella☆」に似てるんですけど、ちょっとそれも大人になってる感じがするし。ちゃんと時間の経過を感じられるサウンド面とか歌になったなと思ってます。

──ドラム、ベース、キーボードとも、良い意味で弾きまくり、叩きまくりです。

すぅ 意外と激しいですよね。

──ベース動きっぱなし、ドラム鳴りっぱなしみたいな中で、自分のギターとか歌をどう馴染ませていこうと意識しました?

すぅ この楽曲でしか使わないコードもあったりして、けっこう単なるバッキングじゃないんですけど、それにつられて歌がバタバタしないよう、ちゃんと抑えてサビまでは落ち着き気味にしたいなと思って意識はしています。

──『ベース・マガジン』のインタビューにも書いてありましたけど、この曲のベース・プレイについて聞かせてください。

あいにゃん いま振り返ると本当に“サイサイのベーシストとしてやってきた奏法全部乗せ”みたいな感じですね。ド頭でフレージングしてからオクターブして、Bメロではスラップして……みたいな。ゆっくり聴きたい曲にも関わらず、すごいベース詰まってて(笑)。ふんだんに入れ込んだ曲だなと思いますね。でもそれがサイサイらしい部分でもあるし、弾き甲斐もありますし、歌詞がすごく響くので。活動休止を経て、想いを乗せたこの曲ができたことがすごい嬉しいですし、すぅが言ったように大事な曲ですね。

──楽器も喜んでいるような演奏ですよね。

あいにゃん 確かに! “嬉しいから全部やっちゃおう!”みたいな(笑)。そんな感じかもです。サビ頭の“タンタ・タラン”って、ちょっと跳ねるようなメロがすごい好きですね。なんか新しいなって私は思ったし、新鮮で気に入ってます。

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