【連載】『この季節が終わる前に〜わたしと〇〇のはなし〜』

すぅ(SILENT SIREN)

第47回:大好きな夏の思い出と、リバイバル上映を鑑賞した『時をかける少女』のおはなし 〜SILENT SIREN・すぅ『この季節が終わる前に〜わたしと〇〇のはなし〜』

思い出のそばには、いつも夏がありました

最近のわたし

こんにちは、すぅです。

8月になりましたね。

このコラムでも散々言っているのですが、私が一年でいちばん好きな月は8月です。

連日の猛暑で、日中の外出は正直かなりしんどい。でも、それ以上に8月にしかない特別なエネルギーを感じられる季節でもあります。

蝉そのものは少し苦手なのですが、蝉やひぐらしの鳴き声を聞くと、夏の力強さと儚さを同時に感じられて、とても好きです。

特に夕暮れ時、ひぐらしが鳴く道を歩く時間がお気に入りです。
いつもより少しゆっくり歩いて、この短い季節を噛み締めるように過ごしています。

そんな時間は、どこかノスタルジックな気持ちになります。
子どもの頃を思い出して、まるでタイムスリップしたような感覚になることもあります。

母が作ってくれたお弁当を持って、父と並んで自転車を走らせた夏。

姉と学校のプールへ泳ぎに行った夏。

家族で夜から朝まで、いわきの海へ釣りに出かけた夏。

部活に明け暮れた夏。

覚えたてのメイクをして、出かけたデートの夏。

好きなアーティストの新譜を買いに、CDショップへ走った夏。

初めて買ったギターを友達の家へ持って行き、夢中でかき鳴らした夏。

祖母が買ってきてくれた、みぞれのアイスを頬張った夏。

強く記憶に残っている思い出のそばには、いつも夏がありました。

どれも愛おしくて、思い出すたびに胸がぎゅっと締め付けられます。

もうあの夏には戻れないこと。

もう会えない人がいること。

もうあの頃と同じ感覚で夏を過ごすことはできないこと。

そんな様々な感情が込み上げてきて、切なくなります。
でも、その切なささえも夏という季節だからこそ、美しく感じられる気がするのです。

毎日、目の前のことに必死で追われていると、気づけばあっという間に夏が終わってしまいます。

だから今年の夏は、一日一日を大切に過ごして、未来の自分が思い返した時に「あの夏も良かったな」と思えるような、そんな夏を刻みたいと思っています。

私の人生の感性を形作った作品と言っても過言ではありません。

夏の大きな入道雲を見つけると、「細田守雲だ!」と思って写真を撮ってしまう癖があります。

細田守雲とは、その名の通り、アニメーション監督、細田守さんの作品に登場するような、あの印象的な夏の雲のことです。

そんな細田守監督の作品の中でも、私がいちばん好きなのが『時をかける少女』です。

先日、公開20周年を記念したリバイバル上映が行なわれていたので、映画館へ観に行ってきました。

この作品は、私の人生の感性を形作った作品と言っても過言ではありません。

もしかしたら、私が夏という季節をこんなにも好きになったきっかけでもあるのかもしれません。

20年前、私は13歳でした。(思わず、ひぇー!と声が漏れそうです)

当時は映画館ではなく、ビデオやDVD、録画したものを何度も何度も繰り返し観ていました。

どれくらい観たかというと、セリフをほとんど暗記してしまうほどです。

大人になってからも何度か観る機会はありましたが、まさか20年越しに映画館で観られる日が来るとは思っていなかったので、本当に感動しました。

あの頃に感じた気持ちは、20年経った今も変わりませんでした。

何がそこまで私を惹きつけるのか、自分でもうまく言葉にはできません。

でも、作品の空気、色彩、音楽、登場人物の距離感、そのすべてが、私の惹きつける要素なのだと思います。

とても有名な作品なので内容は言わずもがなですが、簡単に説明すると、未来から来た少年と出会った少女がタイムリープを繰り返しながら、かけがえのない時間や恋の尊さに気づいていく物語です。

物語全体が夏という季節の中で描かれていて、当時学生だった私は、その日常のリアルさと非現実な世界観の両方に心を奪われました。

中でも特に好きなのが、美術館に飾られた一枚の絵について語られるシーンです。

未来から来た少年・千昭が、現代へやって来た本当の理由が明かされる、とても印象的な場面です。

そのシーンがきっかけで、美術館や博物館へ足を運ぶことも好きになりました。

さらに、劇中音楽を担当されていた奥華子さんの大ファンにもなり、のちに私たちが主催するフェスへ出演していただくという、とても幸せな出来事にも繋がりました。

ひとつの作品との出会いが、私の人生の「好き」をこんなにも増やしてくれたのです。

多感な時期に出会った作品や音楽は、その人の感性を育て、一生の宝物になっていくものなのだと改めて感じました。

私も音楽を始めて16年になります。

私が紡ぐ音楽も、誰かにとっての一生の宝物になれたらと、願いを込めながら今年の夏も音を紡いでいきたいと思います。

8月は相変わらず、制作やライブの日々。

忙しい夏になりそうですが、この季節をめいっぱい味わいながら過ごしたいと思います♡

皆さんにとっても、心に残る素敵な夏になりますように。

ではまた来月のコラムでお会いしましょう!


リリース情報

ニューアルバム『TRIANGLE』SILENT SIREN
発売中!

YOUTHFUL TUNE YFT-0003/3,300円(税込)

【収録曲】
01. TRIANGLE
02. KETTO
03.やだ
04. メイビーベイビーブルー
05. Sus4
06. 衝動
07. Lady go
08. オンリーワン
09. きゅぴきゅぴ
10. 君とダーリン
11. 棘にハチミツ
12. Shippo

ライブ情報

SILENT SIREN LIVE TOUR 2026 “TRIANGLE”
ツアー特設サイト:https://silent-siren.com/triangle/

2026年
5月1日(金)福島・郡山hipshot Japan
開場 18:00 / 開演 19:00

5月10日(日)千葉・柏PALOOZA
開場 16:00 / 開演 17:00

5月16日(土)大阪・大阪バナナホール
開場 16:00 / 開演 17:00

5月23日(土)埼玉・HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3
開場 16:30 / 開演 17:00

5月29日(金)福岡・博多DRUM Be-1
開場 18:00 / 開演 19:00

6月6日(土)静岡・静岡LIVE ROXY SHIZUOKA
開場 16:00 / 開演 17:00

6月14日(日)北海道・札幌cube garden
開場 16:00 / 開演 17:00

6月20日(土)群馬・高崎Club JAMMERS
開場 16:30 / 開演 17:00

7月4日(土)新潟・新潟NIIGATA LOTS
開場 16:00 / 開演 17:00

7月11日(土)広島・広島LIVE VANQUISH
開場 16:30 / 開演 17:00

8月1日(土)神奈川・横浜ベイホール
開場 16:00 / 開演 17:00

9月5日(土)愛知・名古屋ボトムライン
開場 16:00 / 開演 17:00

10月3日(土)山梨・甲府CONVICTION
開場 16:30 / 開演 17:00

10月9日(金)茨城・水戸ライトハウス
開場 18:00 / 開演 19:00

10月16日(金)宮城・仙台darwin
開場 18:00 / 開演 19:00

10月25日(日)東京・豊洲PIT
開場 16:00 / 開演 17:00

本コラムの執筆者

すぅ(SILENT SIREN)

すぅ(SILENT SIREN)
1992年12月28日生まれ。福島県白河市出身。本名は吉田菫で、愛称はすぅ。高校2年生のときに上京し、雑誌『CUTiE』などの読者モデルとして活動。2010年にガールズバンド・SILENT SIRENを結成し、ボーカルとギターを担当。同バンドではほとんどの楽曲で作詞も担当し、他アーティストへの楽曲提供も積極的に行なっている。2022年6月には歌手の鈴木雅之のシングル『GIRI GIRI』にゲストボーカルとして参加。2023年6月にデビューしたアイドルグループ・Fuhuaの総合プロデューサーを務めている。アパレルブランドとのコラボレーションも行なっており、音楽活動以外でもセンスを発揮している。

本コラムの記事一覧

その他のコラム

最新情報

ヴォーカルや機材、ライブに関する最新情報をほぼ毎日更新!