【ヴォイストレーナーインタビュー】伊藤 俊輔(ボイストレーニング教室LogiVo/オンライン)

取材・文:藤井 徹 撮影:伊賀上将司(コアラプロダクション)

Vocal Magazine Webでは、全国各地の優秀なヴォイストレーナーさんを講師に迎え、2022年より「歌スク」というオンラインレッスンのサービスを展開してきました。残念ながら「歌スク」のレッスンサービスは2024年3月で終了となりますが、これまで同様にVocal Magazine Web誌上で歌や発声のノウハウを教えていただける先生として、さまざまな形でご協力いただく予定です。

読者の皆さんの中にも「歌を習いたい」、「声を良くしたい」とスクールを探している方は多いと思います。その際に、ぜひ「歌スク」の先生の素晴らしさを知っていただきたいと思い、各先生のインタビューやプロフィールを掲載させていただきます。読むだけでも役に立ちますし、トレーナー選びの参考にもお役立てください。

今回登場いただくのは、京都にてオンライン専門の「発声改善専門のボイストレーニング教室LogiVo」を主宰し、解剖学など科学的根拠に基づいた論理的な指導を行なっている、伊藤俊輔先生です!

講師プロフィール

伊藤 俊輔

ボイストレーニング教室LogiVo

京都大学法学部卒のヴォイストレーナー。解剖学などの科学的根拠に基づいた論理的な指導で、大声を出さずにあなたの「発声」を改善します!

京都府出身。高校2年の秋から校内のグリークラブに参加する。京都大学法学部に進学後はアカペラサークルに所属。アカペラ一色の学生生活を送るが、自己流で無理な声の出し方をしていたこともあって喉を壊してしまう。京大病院で治療を受けたことを機に発声の猛勉強を開始。卒業後はサラリーマンをしながら関西を中心に全国のアカペラサークルへ赴いて発声の指導を行なう。2016年に京都府職員を辞して、「発声改善専門のボイストレーニング教室LogiVo」を開業。解剖学などの科学的根拠に基づいた論理的な指導が支持され、これまで70を超える企業・団体に対し、ヴォイストレーニング講座を実施。受講者は3,000人を超える。

ジャンルJ-POP
好きなアーティスト小田和正、清水翔太、玉置浩二、さかいゆう、Aimer、宇多田ヒカル、Stevie Wonder、Maroon 5、TAKE6、BOYZ Ⅱ MEN
趣味ボイストレーニング研究、アカペラ、TVゲーム、アニメ鑑賞

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講師からのメッセージ

 例えば、「お腹から声を出す」、「胸に響かせる」、「のどを開く」、といった、ボイストレーニングでよく聞くけれど、実際のところなんだかよくわからない「イメージワード」を解剖学、生体力学、音声学、音響学などの科学的な根拠に基づき、わかりやすく、論理的に教えます。ボイストレーニングを理屈からきちんと学びたいという方は、ぜひ私のレッスンをご受講ください。

ボイストレーニング教室 LogiVo

■スクール名   
ボイストレーニング教室 LogiVo

■スタジオ
オンラインのみ

■講師
伊藤俊輔、他

■ホームページ   
https://logical-vocal.com/


\「先生に習いたい!」とご興味を持った方へ/


講師インタビュー

「これは、どうなってるんだろう?」っていうところから発声の研究がスタートしました。「裏声って何だ?」っていう。

──音楽を始めた頃の話から聞かせてください。

伊藤 音楽ということであれば、小学校1年生のときに習い事としてピアノを始めました。中学3年生まで続けたんですけど、ピアノの先生から「歌ってるときのほうが生き生きしてるね」と言われて、歌に進んだほうがいいと薦められ、ピアノをやめて歌を始めたということですね。

──小さい頃から歌うのは好きでしたか?

伊藤 歌の歴史としては、小学校3年生のときに親戚の叔父さんの結婚式で歌う機会がありました。300人ぐらい参列した披露宴で長渕剛の「乾杯」を歌ったんですけど、披露宴後に、たくさんの大人たちから「すごいね、君」って褒められて、ちょっと勘違いしちゃったというか(笑)。もしかしたら歌が向いてるのかなと思ったきっかけですね。

──その後は、どんな形で歌っていったのですか?

伊藤 趣味として歌が好きっていうだけで、習ったりとかはまったくなくて。高校時代はどちらかと言うと勉強にはまってしまって(笑)。親からは一回も勉強しなさいと言われたわけじゃないんですけど、何か勉強が楽しくなっちゃったんです。

──その頃は、音楽は聴く専門ですか? 

伊藤 そうですね。ただ、高2の修学旅行でバスの中で歌ったりする機会があって。そこをうちの高校のグリークラブ(男声合唱)団員が聴いて「逸材がいたぞ」って(笑)。それで高2の秋から部活動で歌い始めました。それまではいつも京都大会で敗戦みたいな団体だったんですけど、運良くその年だけ全国大会に行って。そのおかげで高3の11月まで部活動をやれましたね。それで……受験勉強もできず(笑)。顧問が「今年はもう受験はあきらめろ」って言ってましたからね。最後の演奏会の部員を一人ずつ紹介してもらう中で、「この子はずっと歌い続けると思います」と先生から言われて、「ああ、そうなのかな」みたいな。

──先生は見抜いていたんですね。その後は受験勉強に邁進されて?

伊藤 浪人中は活動を止めていたんですけど、ずっと音楽を聴いてました。高校時代にグリークラブの有志でゴスペラーズのカバーをやろうという話になって、それからゴスペラーズが研究対象になりました。そこからアカペラに入っていったんですね。あとは、もともと私は高い声が全然出なくて、歌をやっている人だったらわかると思うんですけど、高いファのシャープ(F♯)くらい。男性だとそんなに高くない。しかも裏声がいっさい出なかったので「裏声が出したい」と。そこで高校時代に初めて平井堅さんを聴いたときに、今まで裏声がきれいな男性歌手っていなかったんですけど、「これは、どうなってるんだろう?」っていうところから発声の研究がスタートしました。「裏声って何だ?」っていう。

──そして京都大学に入学されるわけですが、法学部ということですね。将来的には司法の道を目指して?

伊藤 いや、これが勉強自体にはまってしまっていたので、一番難しいところを受けようという不純な動機で(笑)。東大の法学部を受けてダメだから京大っていうことで、ちょっと怒られちゃうような理由なんですけど……。

──いえいえすごいです。学生時代は?

伊藤 もうアカペラ一色ですね。120名ぐらいの老舗のサークルで、1回の練習が3時間で、それが週9回とか。だから授業にほぼ出ず(笑)。3グループくらいを掛け持ちでやっていました。ロッカペラというアメリカのグループのコピーから始めました。で、やっぱり高い声がすごい。「全然出ない」となって練習するんですが、自己流で高い声を出そうとして10回くらい喉を壊しちゃったんですよ。最終的に一番低い音から3音ぐらいしか出なくなってしまって。それをきっかけに京大病院に行ったら、「このままだと声が出ないようになるよ」って言われたのがきっかけで猛勉強することにしました。その当時は「1音1音上げていったら高い声が出るようになるのかな」みたいな考えでしたね。

──今振り返ると、原因は何だったんですか?

伊藤 本当に無理な出し方だったんですよね。先生は「根性論で思いきり出してるだけ、叫んでるだけで、完全に間違ってるからやめときなさい」って。「そうか、出し方ってあるんだな」と。それまで「何か筋トレみたいに鍛えていったら出るのかな」と思ってました。

──伊藤先生が高校時代まで褒められてたのは、天賦の才の部分が大きかったんですね。声量や声質、ピアノで培った音程の良さとか……。

伊藤 そうですね。歌い方についてはそこまで苦労した記憶はないんですけど、声の出し方はずっと苦労していて。だからこそ今は歌い方じゃなくて、そっちがしゃべれるってことなんですけど。

アカペラではダイレクトにハーモニーを感じられるので、そこに魅力を感じますね。

──アカペラグループでの担当はリードヴォーカルですか?

伊藤 両方です。コーラスもやりますね。

──アカペラの魅力は?

伊藤 アカペラはコーラスが一番楽しいです。リードヴォーカルは他でもできるので。音に包まれるような感覚があるんです。まあ楽器の中でコーラスをやることもあるんですけど、アカペラではよりダイレクトにハーモニーを感じられるので、そこに魅力を感じますね。イヤモニで聴くのではなく、生声でやるのが一番気持ちいいです。

──ちょうどTV番組で『ハモネプ』が始まった頃ですか?

伊藤 私が大学に通ってた時期は、昔のハモネプ(2001〜2002年)が終わって次のハモネプ(2007年〜)が始まる境でやってなかったんです。うちのグループにハモネプのスタッフが来て、「最近のアカペラ業界どんなんですか?」っていうインタビューを受けたんですけど、僕らが卒業した頃にまた放送が始まるという……(笑)。

──また最近『ハモネプ』は復活していますからね。それでは戻りますが、喉を壊してからは?

伊藤 知りたい熱も、教えたい熱も上がっていきました。どちらかと言うと教える活動がメインで、サークルでヴォイストレーニングを習っている人も少なかったので、後輩とか同期が聞きに来てくれて。「教えるならちゃんと勉強しないとな」ということで、ずっと研究をしながら教えながら。卒業した次の年かな……関西のアカペラサークル全体の合宿っていうのがあって、そこで初めて「発声の講師」として呼ばれました。合宿のカリキュラムの中に【発声】っていう授業があって、初めての講義が150人の前でしたね(笑)。そこからはひっきりなしに話が来て、アカペラの分野で呼ばれるようになったという感じです。

──その当時と今を比べると、知識の量などはどのくらい差がありますか? 

伊藤 当時の知識量はだいぶ少ないんですけど、間違ったことは言ってなかったなと思います。

──その後、アカペラサークルの発声指導を続けてこられたとは思いますが、今のようなスクール形態を取るまでの経緯は?

伊藤 この仕事を開業したのは7年前で、それまではサラリーマンをしながらずっと教えていました。歌とは全然関係ない不動産業界とかですね。そのあと、「資格試験でもうちょっと難しいのを取ろうかな」とフリーターみたいになっていた時期も2年ありました。その後は京都府の職員を4年間やりました。職員は副業ができないので、ボランティアで大学を土日に回る、みたいな。平日は公務員して、土日は全国を飛び回っていて楽しかったですね。

──そのときはプレイヤーとしての活動は?

伊藤 プレイヤーもずっとしてますけど、プロとしてではなくて、アマチュアのアカペラのシンガーとして、ですね。今ちょっとコロナでできていないですけど、コロナじゃなかったらやってるという状態ですね。

──ライブや発表の場はどちらで?

伊藤 東京が多いですね。アカペラのイベントにお誘いを受ければ出るというスタイルです。メンバーが東京と九州と京都なので、東京で集合して出るという。

──それは大学の同期の方たちと?

伊藤 同期と一学年下と、うちの妻も入ってます。自分たちで好きな曲をアカペラ・アレンジして歌っていますね。オリジナルもなくはないんですけど、基本的にはアカペラ・カバーですね。

──先生のトレーナー経験としては、アカペラの人たちに教えるのがスタート?

伊藤 そこが目的として最初ありました。開業してからはアカペラ以外の人たちにも教えだしたんですけど。

声を出さないレッスンにしてから、ダントツで効果が出るようになりました。

──そもそも開業しようと思ったのは?

伊藤 ずっとやりたかったんですけど、公務員って安定した職があるし結婚もしてたんで……。ということがあったんですけど、ちょっと激務過ぎて体調を崩したことがあって。そこで「体調を崩すのだったら、それって安定とは言えないよな」という風に思って、「それだったら好きなことやって倒れよう」と(笑)。倒れるのが一緒だったら好きなことをやって倒れるほうが人生いいかなと思って。自分は「そんなの商売になるのかな?」って不安に思っていたんですけど、妻に相談したところ「今までに教えていたときのみんなの反応とかを見てるから、絶対にうまくいくよ」って背中を押してくれまして。じゃあやってみようかと。

──いい話ですね。京都の中心部にスクールを構えるという考えではなくて、自宅でオンライン・レッスンを行なうというスタイルは?

伊藤 開業してからはもうこのスタイルでやっています。最初はオンラインと対面でレッスンしていましたが、コロナのちょっと前ぐらいからレッスンスタイルが変わって、声を出さない指導が増えてきたんですよ。もともとは他の先生と一緒で、声を出すレッスンにしてたんですけど、声を出さないほうが効率的だなとなったときに、名古屋とか兵庫とか遠方から新幹線に乗って来られる生徒が多かったので、「オンラインでどうです?」と言っても「いや行きます」っていうので、じゃあもう「オンライン専門です」って言ってあげたほうがいいのかなということで、オンライン専門という形にしました。

──オンラインにすることで、最初から違和感はなく進められましたか?

伊藤 開業当時からオンラインレッスンをやっていて、特に問題ないことはわかってましたからね。まあ、生徒自身が不安なだけなんで、そこを「いや、全然変わるよ」ってことを実感したら、それ以降はみんなオンラインでやっていくようになりました。

──伊藤先生もX(Twitter)などに書いていますが、レッスンを受けることよりも、受けていない時間のほうが大事だということですよね。

伊藤 そうです。大きな声を出すトレーニングは家ではなかなかできないので。ということは、レッスンのときだけしか練習してないってことになっちゃうと意味ないなと。でも、紹介動画でやったようなケアなら家でできちゃうんで、レッスンを受けに来る必要はありますか?って。

──確かに。その代わり「ちゃんと家でやっててくれよ」ってことですよね。

伊藤 もちろんです。ただ、声を出さないレッスンにしてから、ダントツで効果が出るようになりました。

──要するに、大きな声を出さないでいいから、自宅で毎日できるってことですね。

伊藤 そうです。電車に乗りながらでもできるやつもあるし、毎日の習慣の中で歯磨きのときにちょっと舌を揉もうかなとか。

──で、チェックのために声を出してもらうというのが、レッスンの基本スタイルになっていると?

伊藤 以前ツイートしたんですが、PDCAサイクルを回すってことですね。レッスンのときに仮説を立てる。それを1ヵ月やってきて、効果があったか検証して、ダメだったら次のプランを立てる。それを回していくことが重要で、レッスン現場で声を出すとかは、あまり意味がないなという感覚ですね。

──それ以外に先生のレッスンにおける基本姿勢は何かありますか?

伊藤 再現性ですね。根拠がないと再現性が生まれないので。例えば「(手を上げながら)こういう風に声出して」といってうまくいく人もいるけど、同じことをやって別の人はうまくいかないんだったら、それはレッスンとして成り立ってないので。例えば(レッスン動画でやったような)顎下を触って硬いかどうかっていうのは客観的にわかります。硬いのを緩めることは絶対に効果があるので、それは再現性があると。そこがまず肝ですね。AさんはわかってBさんがわからないんだったら採用しない。

──その仮説を作るためや命題を出すために、とにかく勉強しないといけないし、レッスン時間を削ってもその時間を作る必要があるということですね。

伊藤 そうです。そして自分の身体で実験をして、他の2人の講師にも実験してもらい、再現性が確保できればレッスンに下ろしていくようにしています。だから他の講師が教えても同じ結果が出るんです。一緒にやっている講師は2人とも京大の人で私の先輩に当たるんですけど、解剖学とかちゃんと理解できるっていうことが前提で、とても優秀な人を選んでいます。

──伊藤先生が解剖学に興味を持ったきっかけは?

伊藤 理学療法士の先生との出会いですね。山本篤先生という音楽家向けの理学療法士さんがいらっしゃって。もはやその先生も「もう声出さない」っていう。もちろん声を出すのも効果的ですけど、「こういう仕組みになっているから、ここを緩めれば、こうなる」みたいな。もうひとり京大卒の整体師さんがいらっしゃって、その人に施術を受けたときに圧倒的に声が変わったんです。いっさい声を出してないのに。「これどういうことですか?」っていうことになって(笑)、これでちょっと可能性が広がってるなって。

──それは整体ですから、どこかで声と連動していたということですよね。

伊藤 そうですね。その筋肉の調整をするだけでスコーンと声が出たっていう体感があって、これ自分も勉強したいなって。

──今、どんな感じの仮説が立っていますか? まだ教えられない?

伊藤 まあ、無限にあります。例えば、足の裏を緩めるだけでも声が変わります。足の裏が緊張すると姿勢が崩れます。姿勢が崩れると頭の配置が変わって、喉の配置が変わって……という連動が起こる。この人は「足首とか足の裏が硬いな」っていうときに、そこをほぐすと姿勢がピッと直って、喉の配置が治って声が出るってこと。だから、喉はもちろん大事なんですけど、そこに影響を与える部位はたくさんあるので、うちのレッスンでは、それを全体的に(可能性のある部分を)つぶしていくんです。

──それは生徒さんの自己申告みたいな発信ですか? それとも先生が見つけてくれる方法がある?

伊藤 検査項目を用意していて、客観的な検査でどこが過緊張になってるか検査していくと、「どうやらここらしい」という仮説が立つ。それで実際に一回ほぐしてもらうと、その場でけっこう声が変わるんですね。声が変わったらゴーということで「1ヵ月それをやってきてください」と。それで戻ってきたときに本当に声が変わっていれば、次のつぶすところっていう風に、どんどんつぶしていく。完全に理詰めでやっていますね(笑)。

──すごい。それは納得できる方法ですね。

伊藤 病院の検査みたいなものを独自に用意しています。他の教室はオーダーメードだと思うんですけど、うちの教室はプログラム制なんですね。それは再現性が保たれていて、そっちのほうが効率的だということで、他の先生も同じ検査ができるという利点があります。

「自分で成長していける生徒」を作りたい。

──先生はブログやX(Twitter)などで、どんどんレッスンについて発信されてるんですけど、それを読んで受講を希望する方が多いのですか?

伊藤 そうですね。なぜブログかというと、「ウチと親和性の高い生徒を集めたい」っていうことです。文章がちゃんと理解できる。あまり感覚的な方が来られても、お互い良いことがないので。「こういう理屈っぽいことが好き」っていう人が訪れてくれると、もうそれだけでマッチングするので、ブログっていうのを選んでいると。そして「自分で成長していける生徒」を作りたい。先生に依存しない生徒、自分の頭で考えるためには理屈がわかっていないといけないし、この教室をやめたらすぐに発声が悪くなってはあまり意味がないので、ある程度まで学んだら自分で応用して、「もしかしたらこうかな?」っていう仮説を立てられる生徒を作りたいんです。そうすると人にも教えられるようになる。アカペラの子もいるんですけど、そのバンドメンバーにも教えられたりすると、世界が変わるかなと。

──先生のブログを読んで、すごく説得力があるなと思ったのは、「レッスンは安い先生じゃなくて高くていいんだっていう話」でした。

伊藤 ウチの教室には、他の教室で治らなかった方がセカンドオピニオンで来られることが多いんです。そのときに、例えば「2年間、3つの教室で学びました」っていう方が、何も変わらなかったのに、ウチで体験レッスンをしたら声が出るようになったりするんですね。そうしたときに皆さんが「メチャクチャ安い」って言うんです。要するに「何時間レッスンを受けるか?」ではなくて、「声が変わるか変わらないか?」に価値があるので「レッスン料金っていうのはあまり参考にはならない」っていうことが言いたいのと、これ、良いのかわかんないんですけど、「高い料金を払ってもらっている理由は、身銭を切らないと人は変われない」って思っているからですね。

──そうですね。そのぶん真剣に取り組む可能性が高いですし。

伊藤 お金を払うことによって、覚悟を決めて練習に取り組む。ウチの教室のレッスンを受けるだけでは声は変わらないので、覚悟を決めてトレーニングを積んでほしいっていうことで、料金が高いと思う人はいると思うんですけど、効果も保証しますし、ちゃんと覚悟を決めて受けてほしい。そういう考え方です。

──あれを読んで、すごいな、説得してくれるなと思いました。価格が高いっていうことだけに目が行きそうになる人の考えを変えてくれる言葉でした。要するに、「その2年間でいくら使ったの?」ってことですよね?

伊藤 そうです。トータルコストを考えてまして、恐らくウチの教室に入るほうがトータルコストは安いです。オンラインだと交通費もかからないし、ほとんどの生徒は月1回なので月額も実は安いです。他の教室って「月3回は絶対通ってね」みたいな感じですよね。だけど、筋肉の習性上1ヵ月ぐらいは様子を見ないと違いがわからないので、基本的に発声改善の場合は月一回が原則です。月額も安いし、ヴォイストレーニングにかかるトータルコストも安いので、実はリーズナブルだという部分もあります。今はもう9割方の人が月一回で、プロとして活動していて「もっとやりたい」という人はいますけど、ほとんどは月一回ですね。

──他に先生のレッスンを受けると、こういうメリットがあるよというポイントは?

伊藤 メリットというか……まあ、歌い方を学びたい人は他の先生に習ったほうがいいです。ただもう「声が出ない」っていうことで悩んでるんだったら、ウチがピッタリだと思います。

──発声そのものを変えたいということですよね。

伊藤 自分がそこで苦労してきているので、それを苦労しないで音楽が楽しめる状態に持っていければいいなと。

──確かに。アカペラの楽しさだって、その先にあるんですからね。

伊藤 そうそう。だから音楽性を全然否定してるわけじゃなくて、それは発声の先に存在するとは思うんですけど、その前で引っかかって音楽を楽しめてない人を救いたいというのがウチの教室なので。

──とはいえ、特にアカペラをやってる生徒さんは、先生にいろいろ聞きたいことがあるのではないかなという気がします。

伊藤 もちろんアカペラ独自のテクニックもあるので、それは教えられると思います。ベースやボイスパーカッションも発声的に解説できますので。

──最後に読者の方へメッセージをいただけますか。

伊藤 よく言われるイメージワード……例えば「頭から声を出すよ」とか「お腹に力を入れて」っていうのは、実は学問的にちゃんと解説できる時代になっています。ひと昔前はできなかったんですけど、解剖の技術とかMRIを使ったりとかで科学的に検証できるようになってます。その辺の理屈から知って、きちんと学びたいという方は、ぜひウチのレッスンを受けてもらったら、とてもピッタリかなと思います。


\「先生に習いたい!」とご興味を持った方へ/


講師動画紹介

ご挨拶
声の響きを良くする口の開け方
喉の締まりを改善するケア その1
喉の締まりを改善するケア その2

Vocal Magazine Webでの講師記事紹介

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