meiyo、1st EP『間一発』インタビュー。“最も大切な曲が聴かれなかった経験から新たな引き出しを”

2022.05.6

取材・文：田代智衣里（Vocal Magazine Web）

ライブでは声だけになる場所を作るようにしている

──ここからは喉のケアについても聞いていきたいのですが、普段喉のためにやっている習慣はありますか？

meiyo　ライブが近づいてきたら、なるべくマスクをしながら寝ます。あとは、ずっと首のマッサージをしていますね。

──首まわりがほぐれると、声が出しやすくなりますか？

meiyo　歌ってるときに、突っ張って筋肉が使いきれてないと思うことがあったんです。筋肉なのかな？と思って首の横を触っていたら、意外と声が出るようになって。

僕は花粉症なんですけど、最近病院に行ったら、先生がもともと声楽をやっていた方だったんです。重点的にマッサージしたほうがいいよと言い当てられたのが、同じ場所でした。そこであぁ、本当にそうだったんだとわかりました。首の横をほぐしてたら声が出るんだって、答え合わせみたいに。

──ヴォイストレーニングをやったことはありますか？

meiyo　やりたいとは思ってるんですけど、やったことがないんですよね。

──感覚的に気づいて、自分でやっていることも多いということですよね。

meiyo　そうだといいなと思ってます。あとは最近、メンタルで出る声が全然変わるなぁと思っていて。いろんなことに傷つかない方法を模索しているところです。

──模索しながら、やってみていることはありますか？

meiyo　ライブやレコーディングの日が近づいてくると、SNSを見る頻度を極端に減らすようにしてます。ツイッターとかをものすごく見ちゃうタイプで、開かないと気が気じゃないぐらいなんですけど（笑）。携帯自体をなるべく見ないように努力してますね。

──生活リズムは決まっていますか？

meiyo　めちゃくちゃバラバラです。そういうところも直そうとするんですけど、それは直らないですね。

──夜起きていることが多いんですか？

meiyo　そうですね。今日も作業をしていたら、朝９時になっていました。一番良くないと思うんですけど、曲を作るのも深夜ですね。

──飲み物や食べ物で気をつけていることはありますか？

meiyo　僕は辛いものがめちゃくちゃ好きなんですけど、食べないようにしてますね。歌い始めた頃は３日に１回激辛ラーメンを食べに行くぐらい好きで、カレーも一番辛いものを頼んでたんですけど、なるべくマイルドに。あとは隙あらばプロポリス飴をなめています。

──ステージドリンクは何を置いていますか？

meiyo　ステージドリンクは水です。ものすごく調子が悪いときは、温かい飲み物を保温できるものに入れて飲んだりします。

──温かい飲み物は、白湯ですか？

meiyo　白湯にちょっと砂糖を入れたものです。レコーディングでも飲んだりしますね。

──歌う前にやるルーティンはありますか？

meiyo　リップロールをやります。最近は、顔の筋肉を動かす運動もマスクの下でやってますね。人に見せられない顔をするやつです。

──リップロールなどは、情報を見て取り入れていったのですか？

meiyo　そうですね。情報を見て、これは確かにいいなと思ったことをなるべく取り入れるようにしてます。舌を口の中でめちゃくちゃ動かしてみたときに、“確かに今まで自分の舌はこんな動きをしたことなかったな”と体感できて、これは取り入れるべき要素だなと思いました。

──歌い始めたのは遅めだとお話していましたが、そんなmeiyoさんが歌うことの気持ちよさを感じる瞬間はどんなときですか？

meiyo　ライブでは声だけになる場所を作るようにしているんですけど、それは完全に気持ちよさのためだったりします。歌っていて気持ちいい気分になりたくて、あえて元のアレンジではあったはずのギターすら抜いて声だけにしちゃうとか。

──音源とライブではまた違った歌の聴かせ方を意識しているんですね。

meiyo　そうですね。最近はギターの弾き語りでライブをやることが多いので、どうしても音源通りにできないんだったら、弾き語りでその曲が一番よく聴こえる状態をギリギリまで模索しようと、意識してやっています。

──最後に、EP『間一発』の聴きどころを教えてください。

meiyo　曲間の寂しさです。曲はもちろん聴いてほしいんですけど、マスタリングしてできあがった音源が自分のところに届いて聴いたときに、それぞれの曲は色がしっかりついているのに、通して聴いたときに僕にはなんとなく白黒っぽい寂しさを感じまして。

その白黒っていうのは、もしかしたら僕が作っている人だから、聴いてる人に色をつけてもらいたいという気持ちが先行して出てるからそう感じたのかもしれないんですけど、５曲の曲間の侘び寂びは確実にあって。そこを意識しながら聴いてもらえると、曲を意識して聴くよりも何かまた違った感覚で聴けるんじゃないかなと思っています。

リリース情報

1st EP『間一発』
2022年５月６日（金）デジタルリリース

＜収録曲＞
01. なにやってもうまくいかない
02. レインボー！
03. チャイニーズブルー（テレビ東京系ドラマ 25『鉄オタ道子、２万キロ』オープニングテーマ）
04. クエスチョン
05. あとがき

プロフィール

meiyo（めいよー）
日本の音楽家「meiyo」。2018 年に演奏・歌唱・作詞・作編曲を行なう「ワタナベタカシ」から活動名を「meiyo」へ改名。ひねくれ過ぎて一回転、逆に真っ直ぐな歌詞とどこか懐かしさを感じるメロディラインが特徴で、時代に忘れ去られたアイロニカル・パワーポップを発信中。2021年にTikTokアカウントを開設しオリジナル曲「なにやってもうまくいかない」の投稿がバズを生み出し、 “TikTok 流行語大賞 2021”にもノミネート。音楽活動12年を経て同年９月についにメジャーデビュー。2022年には初のドラマタイアップも決定するなど今注目のアーティスト。