meiyo、1st EP『間一発』インタビュー。“最も大切な曲が聴かれなかった経験から新たな引き出しを”

2022.05.6

取材・文:田代智衣里(Vocal Magazine Web)

ヴォーカルテイクをよく聴いたら、車の音が入っているかも

──制作環境について聞きたいのですが、自宅でヴォーカルを録ることもありますか?

meiyo ありますね。例えば「なにやってもうまくいかない」は、もともと家で全部作った曲なんです。それをTikTokにアップしたら伸びたので、フルバージョンにしました。最初はそれをスタジオで録ろうという話になったんですけど、エンジニアの方が“自宅で録ったニュアンスが良さそうだから、これでいいんじゃないですかね”とおっしゃったので、デモのときに歌ったヴォーカルテイクをそのまま本ちゃんに採用する形になったんです。ちょっと特殊でしたね。

──自宅で歌を録るとき、マイクは何を使っていますか?

meiyo オーディオテクニカの「AT4040」を使っています。

──インターフェースは何を使っていますか?

meiyo インターフェースはRMEの「Fireface UCX」をわりと最近導入しました。

──「なにやってもうまくいかない」を録ったときは、別のインターフェースでしたか?

meiyo 「なにやってもうまくいかない」のときはもう「Fireface UCX」だったはずです。

──DAWは何を使っていますか?

meiyo 「Studio One 5」を使っています。

──自宅で歌を録るときは、反響しないように何か工夫していますか?

meiyo ちょっと前までは「だんぼっち」が家にあってその中で録ってたんですけど、去年、「なにやってもうまくいかない」とかを作り始めたぐらいのタイミングには何も気にせず部屋で歌って録ってました。

──床には絨毯を敷いていますか?

meiyo 一応、敷いてますね。

──「なにやってもうまくいかない」は特に防音はせず、部屋で録ったヴォーカルテイクなんですね。

meiyo ヴォーカルテイクをよく聴いたら、もしかしたら車の音が入っているかもしれないですね(笑)。

──「レインボー!」は昨年、ボーカロイド鏡音リン・レンのボカロ声でも投稿されていました。

meiyo 「レインボー!」は自分で歌ってみて、聴いてみて、ボーカロイドに歌わせたほうが面白いかなと思って歌ってもらった曲なんです。ボーカロイドに歌ってもらったものをアップして、聴いてくれた人の反応を見る中で、“あぁ、自分が歌ってもよかったな”と思って。紆余曲折あって、結果的に自分で歌う曲に戻ってきました。

──歌詞では、“性別も年齢も、恋愛するしないも関係ないよ”という思いが込められているとのことでしたが、楽曲のテーマはどんなふうに考えていったのですか?

meiyo その通りで、みんなが自由でいられたらそれが一番いいじゃんって。一番シンプルな気持ちを自分なりに歌にしたらどうなんだろう?と考えながら作っていきました。

──こういうテーマで曲を作ろうと思ったきっかけがあったというよりは、自然と生まれてきたのですか?

meiyo そうですね。ふと思い立って作ろうと思いました。そのぐらい当たり前であってほしいという気持ちもありますし、わざわざ歌わなくても済むぐらい当たり前だったらいいなと常に思っています。

──asmiさんの「PAKU」など楽曲提供もしていますが、提供曲とオリジナル曲で制作の違いはありますか?

meiyo 先方の方が“こういう曲がいい”と言ってくれたものに寄り添うという部分はあるんですけど、ありがたいことに、まったく自分の作曲の範疇にないことを依頼されることが滅多にないので、“あぁ、あの曲を作ったときの気持ちで挑めばいいのね”という気持ちです。普段の自分の作曲のときと、あんまり変わらずにチャレンジできている感覚ですね。

歌詞や歌い方を考えるときは、歌ってくれる人のことを想像することもあるんですけど、基本的に根っこになる部分はいつも通りという感じです。

──楽曲のテーマとなる部分は、依頼があってからイメージしていくのですか?

meiyo 依頼があってから考えますね。テーマ自体をくれる方もいるので、そういうときは明確なゴールがあるので向かいやすいです。

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