パワフルヴォーカル! “メンバーやオーディエンスを魅了する歌声”大作戦!【集中連載】『ロック・ヴォーカリスト“THE BIBLE”』Vol.2
2022.07.23
文:本山nackeyナオト(SMDボーカル教室)
写真:ヨシダホヅミ
バンド・ヴォーカリストに必要な機材の知識
マイクってどこにつなぐの?
筆者はリハーサルスタジオのオーナーでもあるので、けっこうこの質問は多い。初めてのスタジオじゃわからなくて当たり前。この機会に機材の使い方の知識を得よう。
その前にマイクケーブルの種類について解説しよう。マイクケーブルに使用される一般的なコネクターのタイプは、通称キャノンと呼ばれるXLR(メス)-XLR(オス)と、XLR(メス)-標準フォンタイプの2種類がある。リハーサルスタジオだと標準フォンタイプが多い。ライブだと抜けにくいため、キャノンが普通だ。実はマイクケーブルで音がかなり変わる。リハスタは過酷な状態で使われるので、耐久性を高めるために被覆を厚めに作ってあるものを選んでいることが多いんだ。
プロは「Myマイクケーブル」を持っている人も多い。マイクケーブルを自分で購入する際には、接続先機材(ミキサー)のマイク入力端子の形状に合わせて選ぶ必要がある。
「8の字巻」って何?
ケーブル類はとても絡まりやすい。適当にグルグル巻くとクセもつくし耐久性にも影響する。この機会にぜひ「8の字巻」を覚えてメンバーにも教えてほしい。
PAミキサーに繋ごう
ギターはアンプに繋げればいいけど、ヴォーカルアンプってどこ? 実は通常のリハスタではヴォーカルアンプというのは設置していない。ヴォーカルのマイクはPAミキサーに繋ぐ。キーボードやCDやパソコン、スマホなども同じくミキサーに繋いでスピーカーから音を出すよ。手順を説明するので、スタジオに入ったらこの順番でやってみてね(スタジオによって機種は違うけど、大まかな参考になるはず)。
①これがミキサー。まずマイクとケーブルを繋ぐ。その後ミキサーに繋ぐんだけど、その前に、すべてのフェーダーが下がっていることを必ず確認しよう。たいていのミキサーは上部に入力する場所がある。
②チャンネルは通常左から1番、2番と呼ぶ。基本的にはどこに繋いでもいいけれど、今回は1番のチャンネルにマイクを繋いだので、1番のフェーダーを上げてみよう。この時点ではまだ音は出ないので、0のメモリくらいで止めておく。
③次にマスターフェーダーをハウリングに注意しながら、ゆっくり上げていこう。これでマイクを通した声がスピーカーから出るはずだ。
④グラフックイコライザーをお好みの音質になるように調整しよう。写真は筆者がよく行なうセッティング。ヴォーカルは中域を少し上げると良い感じになることが多い。
⑤エフェクトをかけてみよう。
⑥エフェクトの大元を上げないとエフェクトがかからない。ヴォーカルの場合、ディレイ+リバーブが一般的だ。EFFECT RTN(エフェクトリターン)のフェーダーを上げることでかかり具合を調整する。
⑦イマイチ音圧や音量が乗らない場合、コンプレッサーやゲインも上げてみよう。
ここまでの流れや音質調整について動画にまとめたので参考にしてほしい。
次号もお楽しみに! 頑張ろうね! 応援しています。
Vol.1、Vol.3〜Vol.5も合わせてチェック
プロフィール
本山Nackeyナオト
埼玉県出身。
これまで500ステージ以上のライブ、100曲以上のレコーディング、ロックから演歌まで幅広いレコーディングやステージングをディレクション。誰もが知っているビッグバンドやメガヒットアーティストなども含め、200以上のバンドをメジャーへとサポートした。
1989年からSTUDIO monkeydance(スタジオモンキーダンス)を主宰し、自身のスクールでは常に100人以上在籍中。
ヴォイストレーナーのほか、ヴォーカル講師、音楽ディレクター、音楽プロデューサー、セミナー講師、ラジオパーソナリティとして多方面に活躍中。テレビ埼玉(『ミュージックシティスペシャル』)定期的に出演。フジテレビ系(『スーパーミュージックジャム』) ほかにも日テレ、TBSテレビ、テレビ東京など出演。
ヴォイストレーニングの指導には定評があり、これまで30年のボイストレーニング指導で延べ30,000人以上にかかわり、多くのプロ歌手やプロ音楽家、プロヴォイストレーナーを誕生させている。
SMDボーカル教室
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