パワフルヴォーカル! “メンバーやオーディエンスを魅了する歌声”大作戦!【集中連載】『ロック・ヴォーカリスト“THE BIBLE”』Vol.2

文:本山nackeyナオト(SMDボーカル教室)
写真:ヨシダホヅミ

おはようございます!

ヴォイストレーナーの本山nackeyナオトです。生徒さんからは【ナッキー先生】と呼ばれています。
さて、みんなは芸能界や音楽業界での挨拶がなぜ、昼でも夜でも「おはようございます!」というのか知っているかな?

それは縁起を担いでのことなんだ。「こんにちは」や「こんばんは」では、お客様が「来ない」、「来ん」につながって縁起が悪いからなんだね。だからみんなも、何時でも「おはようございます!」と挨拶して人気者になり、ライブ動員につなげよう!

あなたは自分の歌声が好き?

 筆者は生徒さんに必ずこの質問をしている。そうすると驚くことに、7割以上の人が「自分の声が嫌い」と答える。録音した歌声を聴くと、たいてい「ガッカリする。もう少し良い声だと思っていた」とほとんどの人がそう答えるのだ。
 筆者自身もラジカセ録音の自分の歌声を初めて聴いたときは、「こんな声してたの?」と感じたことを覚えている。なぜかわかるかな? ひとつは僕たちが聴いている自分の声は耳と骨伝導、両方で聴いているから違和感があるのだ。他人の声は当然、耳からしか聴こえない。自分自身では、この“骨伝導でも聴いている”ことを覚えておいてほしい。

良い歌声って何?

 これも必ずしている質問。一番多い答えは「透き通るような歌声」だ。でもここで考えてほしい。パワフルな歌唱スタイルはバンドには欠かせないよね。デスヴォイスなんて、聴く人によってはただのダミ声。カッコよさがわからない。まったく「透き通るような歌声」とは真逆だ。でも筆者はデスヴォイスやシャウト満載のヴォーカルスタイルはカッコいいと思うし大好きだ。
 そう。この「カッコいい」、「大好き」って【感情】が大事なんだ。

 【感情】が揺さぶられたのだ。この記事を読んでいる、歌に興味あるあなたならわかるよね。そしてあなたにもあるはずだ。歌を聴いて泣いたこと、励まされたこと、勇気が出たこと、スカッとしたこと、フラストレーションがぶっ飛んだこと……。この“心を揺さぶる歌声”を作るためのレッスンをしていこう。

心を揺さぶる歌声を発声するために必要なトレーニング方法

「良い歌声」の定義

 「良い歌声」のために必要なレッスンには、まず「良い歌声」の定義を理解しよう。

①【音程(ピッチ)・リズムキープ】
②【抑揚】
③【レンジ幅】

 この3つをしっかり意識して押さえれば、あなたの歌声は劇的に変わる。では、それぞれについて見ていくことにしよう。

①【音程(ピッチ)・リズムキープ】
 歌にとって最も重要なのが「音程(ピッチ)とリズム」だ。カラオケ採点でもここが一番重要視される。
②【抑揚】
 人が聴いて「うまい!」と感じる要素でこれも大切だ。抑揚を言い換えると声量のコントロール。大きな音量で発声できたり、小さな声でもしっかりと発声するテクニックが必要となる。
③【レンジ幅】
 レンジ幅とは、発声できる音域・声域の広さのこと。1オクターブってわかるかな? ドレミファソラシドのことだよね。当然、この幅が広ければ有利だ。1オクターブが発声できないと、歌える楽曲が限られてしまう。通常1オクターブ半くらいは必要だろう。ちなみに筆者の生徒さんには3オクターブ発声保障を付けている。

心を揺さぶる歌声を発声するために必要なレッスン方法1
【無敵の音程(ピッチ)レッスン】

 歌のメロディに合わせて歌うことができなければ……それは「音痴」と言われてしまう。筆者が何万人を教えてきて思うことがある。音程をはずしてしまう人の多くに対しては、実は「耳」を鍛えるほうが先決だ。発声より先に音感トレーニング、イヤートレーニングをしよう。その方法だが、まずは聴音が効果的。
 クイズだと思って、ピアノでドレミファソラシドを鳴らして何の音か当てよう。1音当てたら次は2音、3音にしていく。続けて4音、5音とこなしていこう!
 難しそうだと思う? 実際にレッスンをすると、音程がとれなかったほとんどの人が、20分くらいでできるようになる。動画も用意したので早速トライしてほしい。

動画①【音感トレーニング、イヤートレーニング】単音編

 ここからが難しくなるのだけど、それができたら和音(chord(コード)だ。3音一緒に聴いて当てよう。この難易度の高い音感トレーニング、イヤートレーニングは毎日行なう必要がある。絶対音感だって身につく。毎日行なうけど時間は10分程度でいい。「家にピアノなんてないよー」と言う方。今は無料でピアノのアプリなどがある良い時代だ。音感トレーニングアプリなんてのもたくさんある。どうぞググってくれ。動画も作ったので参考にしてほしい。

動画②【音感トレーニング、イヤートレーニング】コード編

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