【インタビュー】クリス・ハート、『Christmas Hearts 2』とヴォーカルレコーディングを語る。“完璧に歌うんじゃなくて、正直に歌う”

取材・文:田代智衣里(Vocal Magazine Web)

クリス・ハートが、カバーアルバム『Christmas Hearts 2』をリリースした。今作はカバーアルバムとしては初めて、クリス・ハート本人が全曲プロデュース。2014年にリリースした『Christmas Hearts』の第二弾となっている。

ヴォーカル・マガジン・ウェブでは、全曲完全リモートでレコーディングを行なったというアルバムの制作秘話、自宅のヴォーカルレコーディング環境、ストーリーが届く歌について話を聞いた。

歌は全曲を9月20日〜27日の間に自宅スタジオで録りました

──『Christmas Hearts 2』は初の全曲セルフプロデュースのカバーアルバムとなっていますが、どんなところからアルバムの構成を考えていったのですか?

クリス・ハート(以下、クリス) 今年(2022年)の8月30日からアルバムの制作が始まったんですが、まずは収録曲とコラボメンバーを決めて、そこからアレンジを進めました。収録曲のうち3曲は岩城直也さん(アレンジャー)とどんな方向にするかを話し合って、9月1日〜9月15日の間でほぼ全曲の楽器を録りました。

自分の初プロデュースだからこそ選曲してから曲順を決めて、この曲順だからこそのアレンジ、ヴォーカル、楽器を決めていきました。

──岩城さんにはどんなイメージを伝えましたか?

クリス 岩城さんには1曲目の「すてきなホリデイ」と最後の「The Christmas Song」がループできるようなイメージにしたいと頼みました。「すてきなホリデイ」、「Wonderful Christmastime」、「The Christmas Song」の3曲をどんなスタイルにしたいか話し合ってから、岩城さんにアレンジしてもらいました。

「チキンライス with Tsukiko Nakamura」と「Santa Tell Me with HIKKA」はバンドマスターのギタリストとふたりで、残りの4曲は僕がアレンジしています。

──曲順が決まってからアレンジを考える過程では、イメージは浮かびやすかったですか?

クリス カバーだからこそイメージしやすいですね。この曲では何を伝えたいか、どんなリズムを作りたいか、セットリストを作るのと同じような感覚です。

楽器のバランスもすごく大事で、時間がそんなになかったぶん、先に何を打ち込みでやるか、生でやるかを全部決めました。耳が疲れないように、ちょうどいいバランスを意識してアレンジしました。

──9月1日からタイトなスケジュールで制作していったのですね。

クリス 9月1日からの5日間で1曲目をアレンジして、楽器のレコーディングは9月11日〜13日でした。1週間ちょっとで僕が担当する曲のアレンジをほぼ終えて、そこから全曲リモートでレコーディングしましたね。

──リモートのレコーディングはどんなやりとりで進めたのですか?

クリス 僕がアレンジしたものをギタリストに演奏してもらって、トラックデータを送ってもらったり、海外からブラスデータをいただいたり。そのやりとりの中で少しアレンジすることもありました。ちゃんと曲順が決まっていたから、すごくやりやすかったです。

ヴォーカルレコーディングは最後にやったんですけど、1回風邪をひいてしまって。歌は全曲を9月20日〜27日の間に自宅スタジオで録りました。1日2〜3曲録るイメージで進めました。

──レコーディングのマイクは何を使いましたか?

クリス Aston MicrophonesのSpiritを使ったんですが、使いやすいしコスパもいいです。オーディオのプリアンプに繋いで、自分の声に合うサウンドにしています。マイクにはオリジナルのロゴが入っています。

オリジナルのロゴが入ったマイク

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