“ありがとうございます”の言葉を何よりも大切にしたい

──アルバムにはメジャーデビュー曲「Start」、そしてコロナ禍にデジタルリリースした「CANVAS」も収録されています。この２曲は地続きのストーリーのようでもあり、特に三浦さんの“歌うことを諦めない”という意思を感じさせる力強さがあります。詞を書くにあたり、心を動かされたのはどんなことだったのですか？

三浦　「Start」はメジャーデビューしたときの曲だったので“新しいスタートを切る”という意味を込めていたんですけど、「CANVAS」はデビューしてから自分が思うようにいかなかったときに書いた曲なんですよね。

というのも、「Start」でデビューしたものの、コロナ禍でライブが全然できなかった時期だったんです。僕はライブが大好きなので、曲を出しても人に聴いてもらえない、ライブで歌えないっていうのがすごくつらかったんです。もっと人前で歌って「Start」を広めたいのに、全然うまくいかなくて。

そんな中、メジャーに入って環境が目まぐるしく変わって、音楽ともっと向き合わないといけなくなって、けっこう自分の中でキャパオーバーになってしまったんです。もう追いつかない、追いつかないって。そこから声の調子も良くなくなって、どんどん切羽詰まって、さらに声が出なくなって……。僕、どうしたらいいんだろうって思い悩んだ末に、自分が立ち直れるような曲を作りたいと思ったんです。

「CANVAS」には、自分の個性だったり、“自分”というものが今はなくても、目の前のことやり続けることで、それは結果として自分だけの色になるから大丈夫だよっていう想いがあって。そんな心情が全部入った楽曲になりましたね。

──４月のワンマンライブを観させていただいたのですが、この曲はすごく一体感がありました。FUGAR（ファンの呼称）の方々の、三浦さんの未来を応援している気持ちで会場が温かかったです。

三浦　ありがとうございます。そうなんですよね、僕のファンの方々はみんな僕を息子のように見守ってくれていて（笑）。ありがたいですよね、本当に。

──ライブ繋がりでお聞きしたいのですが、三浦さんを象徴するキーワードのひとつに“路上ライブ”があります。活動初期からスタートし、メジャーデビューした現在も続けていますが、それはどんなところにモチベーションを置いているからですか？

三浦　今まで僕と出会ってくださったファンの方は、路上ライブで出会った方々が多いんですよね。むしろ路上ライブでしか出会い方がなかったんじゃないかっていうくらいで。

もちろん「YouTubeで見ました」って言う方もいらっしゃるんですけど、観た動画を聞いてみると路上ライブの映像だったりして。やっぱり路上ライブから集まってくださってますし、自分の根底にあるものなのでやり続けたいです。いつかできなくなることもあるかもしれないですけど、それでも、ちょっとでもできるのであれば続けていきたい。初心に戻れる場所でもありますし。メジャーデビューしようがしなかろうが路上ライブはやると決めてたんで、 今も続けているんです。

──ストリートで歌ってきたことでご自身が成長したと感じるのははどんなところですか？

三浦　一番はやっぱりメンタル。これに限りますね。誰もいない状態から始めて、人が集まっていくときもあれば、まったく来ないときもあって。でも歌い続けないと誰も立ち止まってくれないし知ってくれないから、やるしかない。まあ心は折れますよね。でもそれを繰り返していくんだというのが僕の中でずっとあって。本当に鍛えられました。

──路上ライブを続ける中で、歌が届いたと実感した瞬間や出来事はありましたか？

三浦　歌を聴いたときに感情が表情に出る瞬間ってあるじゃないですか。涙が出たり、笑顔になったり。路上ライブでもそういった瞬間を目の当たりにすると、伝わってくれてるのかなと感じるんですよね。

路上ライブじゃなくても、楽曲を聴いた感想をSNSにあげてくれたりとか。「この曲を聴いて元気になれた」というのを文字にして発信しているのを見ると、“直接は伝えられてないけど 、ネットを通してあなたの心に届いたんだな”と感じてすごく嬉しくなります。

──三浦さんがストリートで歌うときに一番大事にしていることはどんなことですか？

三浦　僕は最終的には“人間”だと思っていて。ライブを通して、歌だけでなく、その人のすべてが出ると思うんですよ。きっといろんなスタンスの方がいると思うんですけど、僕の場合はもう全力なんで、「とにかく来てください！　お願いします！！！」って。歌ったあとはちゃんと……ちゃんとと言うかそれが当たり前だと思うんですけど、“ありがとうございます”という言葉を伝えてお辞儀をして。ちょっとでも立ち止まってくれたその時間を僕にくれたわけなので、その感謝は忘れちゃいけない。見え方ももちろん大事ですけど、路上ライブは自分の心がモロに出ちゃう場所だと思うので、気持ちを漏れなく伝えるところを一番大事にしていますね。

──今後は８月から全国ツアーが予定されていて、三浦さんのライブを生で観られる機会となります。どんなライブになりそうですか？

三浦　今回のアルバムを引っ提げてのツアーなので、メジャーデビューして１年間を通して経験したことだったり、これから新しい三浦風雅を見せていくというところでも、改めていろんな三浦風雅を表現できたらいいなと思ってます。

──楽しみにしています。それでは最後に、今回のアルバムの聴きどころを教えていただけますか？

三浦　「君が君でいられるように」というRakeさんの提供楽曲を含め、「Livin‘it up」は今までの三浦風雅とは違ったテイストの楽曲ですし、全部含めてぜひ楽しんでいただきたいなと。あと、ボーナストラックの『君と僕の「I love you」』はRakeさんとのデュエット曲になっていて、僕の７年越しの夢が叶った瞬間でもあるので、そんな想いも聴きながら感じていただけたら嬉しいです。

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リリース情報

メジャー1stアルバム 『君が君でいられるように』
2022年７月13日（水）リリース

＜CD収録曲＞
01. 君が君でいられるように
02. Start * フジテレビ系月 9 ドラマ「ナイト・ドクター」オリジナルナンバー
03. Call my name
04. Sunshine
05. 未来話
06. 思い出に花を添えたら
07. Livin’ it up
08. 世界中にメリークリスマス
09. CANVAS * フジテレビ系「奇跡体験 ! アンビリバボー」1 月クール ED テーマ
10. Flower

ライブ情報

全国ツアー『MIURA FUGA LIVE TOUR 2022 ~僕が僕でいられるように~』
2022年
８月６日（土）神奈川・横浜ランドマークホール
８月14日（日）福岡・DRUM Be-1
８月27日（土）北海道・ペニーレーン24
９月３日（土）大阪・梅田CLUB QUATTRO
９月４日（日）愛知・名古屋CLUB QUATTRO
詳細はこちら：https://miurafuga.jp/news/8225

プロフィール

三浦風雅
1996年７月11日生まれ、神奈川県出身のシンガーソングライター。高校卒業時に歌った『100万回の「I love you」』がSNSで拡散され、この動画をきっかけに音楽活動を開始。路上ライブから積み重ね、2020年のオーディションブランド「ONE in a Billion」ではグランプリを獲得。
2021年６月に「Start」がフジテレビ系月９ドラマ『ナイト・ドクター』のオリジナルナンバーに抜擢され、７月にはポニーキャニオンからメジャーデビュー。 2022年１月12 日にリリースしたデジタルシングル「CANVAS」はフジテレビ系『奇跡体験 ! アンビリバボー』のEDテーマに選出。そして、2022年７月13日にはメジャーデビュー後初となるアルバム 『君が君でいられるように』を発売し、活躍の幅を広げ続けている。
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