【インタビュー&撮り下ろし写真】鞘師里保、もう一度歌い踊ることを選んだ先に見えてきたもの。“歌いたい気持ちに正直になってもいいのかなって”

取材・文:田代智衣里(Vocal Magazine Web)
撮影:西槇太一

鞘師里保が、初となる映像作品『1st Live & Documentary DAYBREAK』を2022年4月6日(水)に発売した。3枚組のBlu-rayには、『RIHO SAYASHI 1st LIVE 2021 DAYBREAK at 豊洲 PIT』本編、スペースシャワーTVプラスで放送された密着映像、再始動までを追ったドキュメンタリーフィルム「Middle of the Night」などの映像が収録されている。

ヴォーカル・マガジン・ウェブでは、約5年半ぶりのワンマンライブとなった『RIHO SAYASHI 1st LIVE 2021 DAYBREAK』を振り返りながら、歌に対する思いの変化を訊いた。2021年8月にソロアーティストとして再デビューを果たした彼女が、もう一度歌うことを選ぶまでの心情とは。歌っている最中も激しいダンスを踊り続ける理由、普段の生活リズムや喉ケアなど、鞘師里保の“歌”を深掘りする。

最近になって、歌うことがより楽しくなってきた

──パフォーマーとしての人生を遡ると、6歳からアクターズスクールに通い始めたことがスタートになりますか?

鞘師 そうです。テレビでダンスを踊っている人や、モーニング娘。の映像を観て“ダンスを習わせてほしい”と言ったところから始まりました。

──アクターズスクールでは、ダンスの他にヴォーカルに関するレッスンもありましたか?

鞘師 ありました。小学生のクラスには、ヴォーカルの先生もいましたね。腹式呼吸や、踊ってもブレないように歌う発声練習をしました。リズムに乗ってハッハッハッと声を出すのに合わせて足はステップしたり、ジャンプしたり。そういうレッスンが印象に残っています。

──では、最初の段階から“踊りながら歌う”というところを強化していたんですね。

鞘師 そうですね。半年に1回ぐらい発表会を開くんですけど、そこでも歌とダンスでパフォーマンスすることが前提でした。デビューや発表会に向けて練習していましたね。

──レッスンでは、ヴォーカルとダンスのどちらに重きを置いていましたか?

鞘師 私はダンスのほうが多かったです。どちらかと言うと、自分はダンスのほうが強いという意識があったので。その時期はダンスばっかりやってましたね。

──授業の内容は自分で選択していったのですか?

鞘師 ヴォーカルに関しては先生に個人レッスンを申し込むこともできるんですけど、スクール内でオーディションをしてダンスグループを作る企画があったので、私はダンスのチームに入って練習することが多かったです。

──腹式呼吸などの基礎は、アクターズスクール時代の練習が土台になっているのでしょうか?

鞘師 そうだと思います。でも、モーニング娘。加入後は春夏秋冬ずっとライブをしていたので、マイクに乗る歌い方や発声はグループに入ったときに意識するようになりました。

──マイクに乗る歌い方や発声については、モーニング娘。加入後のレッスンで学ぶこともあったのですか?

鞘師 何回か不定期で教えていただくことはあったんですが、ライブがとめどなく続いているので、その中で“こうかな? ああかな?”と感覚を掴んでいきましたね。

──活動の時期によって、発声法も変化しましたか?

鞘師 自然と変わりました。モーニング娘。加入後、私たちは仮歌がつんく♂さんで、つんく♂さんの歌い方を真似してレコーディングに臨んでいたので、発声法というか歌い方が変わりました。耳で覚えたことを、自分ならどうするか……?という練習の仕方でした。

──アクターズスクール時代に初めてヴォーカルのレッスンを受けたときは、歌うことは楽しくなりましたか? 壁にぶつかったと感じることもありましたか?

鞘師 最初は壁にぶつかったと感じることがすごく多かったです。お腹から声を出すことは基本的で大事なことなんですけど、練習しすぎて喉に負担がかかる歌い方の癖がついてしまったり。歌うことは楽しいと思いながらも、自分に合ったヴォーカルレッスンができていなくて、楽しいはずなのに……って矛盾がそこから何年も続いていました。最近になって、それがどうしてだったのかわかってきて、歌うことがより楽しくなってきました。

──それがわかるまでには、長い道のりがあったんですね。

鞘師 時間がかかりましたね。厳密に言うと、半年前ぐらいにわかってきたんです。

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