打ち込み前提で初チャレンジした曲は４ヵ月ぐらいかかった

──「なにやってもうまくいかない」がTikTokで広がり、そこからメジャーデビューも決まったということですが、転機はその少し前あたりになるのでしょうか？

meiyo　そうですね。１年〜１年半ぐらい前になりますね。

──「なにやってもうまくいかない」が生まれるまでにも、試行錯誤して制作した曲はありましたか？

meiyo　打ち込み前提で初チャレンジした「KonichiwaTempraSushiNatto」っていう曲があるんですけど、その曲はどうやって作ればいいか本当にわからなくて、その曲を作るためだけにちまちま修正を繰り返して、４ヵ月ぐらいかかった記憶がありますね（笑）。

──「なにやってもうまくいかない」はどのぐらいの期間で作りましたか？

meiyo　「なにやってもうまくいかない」は、１日でできました。TikTokに20秒ぐらいのショートバージョンをアップしていこうと考えた期間があって。いろんな曲を作っていたんですが、その中の１日にできた曲ですね。

──ショートバージョンを作ってから、のちに付け加えていったのですか？

meiyo　そうです。その20秒ぐらいの尺の音源がすごく広まって、それまでとはみんなの反応が違ったので、これをフルバージョンにしてみようと。

──そこからメジャーデビューが決まり、たくさんの人に聴かれて嬉しい反面、戸惑いも感じる中で作ったのが「クエスチョン」なんですね。

meiyo　そうですね。「なにやってもうまくいかない」を作って広まり始めたと思ったタイミングで「クエスチョン」を作っていました。たぶん、「なにやってもうまくいかない」ができてから１〜２週間以内だったと思います。

──曲作りでは歌詞とメロディが同時に出てくることが多いですか？

meiyo　その曲の肝となる部分が同時に生まれてくることが多くて、その前後を付け足していくような形です。メロディが歌詞の制約になるのもイヤだし、歌詞がメロディの制約になるのもイヤなので、なるべく同時に思いつくような脳の使い方をしています。

──そのときにはアレンジも同時にイメージしていますか？

meiyo　肝となる部分が生まれた時点で、どういう曲にするかを決めちゃうことが多いです。打ち込みっぽい曲なのか、弾き語りでもできるような曲なのか、バンドっぽい曲なのか。ざっくりとしたものを決めて、歌詞とメロディを同時に前後付け足していく。その中でアレンジも脳内で可能な限り考えていくようにしてますね。だから、その１曲を作っている最中は他のことにあんまり集中できなくなります（笑）。

──そのイメージは思いついたタイミングで打ち込んでおくのでしょうか？

meiyo　そうですね。『間一発』の曲だと、最後に入ってる「あとがき」以外は自分で作ったデモを忠実に弾いてもらった形になりますね。

──ストック曲も作っていく中で、デモとしてはワンコーラスで一旦作っておいて、のちに肉付けをしていきますか？　１曲が完成してから次に行きますか？

meiyo　TikTokに２〜３日にいっぺん曲をアップする時期があったんですけど、それが変な話、ストックなんだけどストックじゃないというか。放出しちゃってる作り方をしていたので、その時期はサビだけとか、断片的に作ることが多かったんです。でも、本当はワンコーラスぐらいは作っておきたいですね。

──「クエスチョン」の《カウントダウン5／カウントダウン4／3　2　1》のコーラスが印象的だったのですが、こういったアイデアはどのタイミングで生まれているのですか？

meiyo　変に跳ぶコーラスですよね。“そのコーラス合ってる？”と思うようなコーラスを無理に押し通すのが好きなんです（笑）。僕はコーラスやハモリがものすごく好きで、歌わないバンドをやっていたときもコーラスはずっと歌っていたんです。だから、コーラスについてはなるべく面白いことをしたいなと思って、いろいろ考えることが多いですね。

──キャッチーな言葉とメロディに対して、不思議だったり、びっくりするようなアレンジのポイントも詰まっていると感じるのですが、フックを作ろうと考えることもあるのですか？

meiyo　何もないと、作っていてつまらなくなってしまうんです。自分の曲ができたらデモを何回も聴くようにしてるんですけど、何回も聴けない曲はどこかしらにフックが足りていないところがあって。だから、やれることやパッと思いついたことをとりあえず入れていくという工夫は、毎回どの曲でもやっていることですね。

──そのアイデアは打ち込みで残していますか？

meiyo　飛び道具的な音だったらパソコンで入れるし、頭の中で急に変なコーラスを思いついたら、コーラスをその場で入れたりしていきますね。