【インタビュー】関取花、「迷いがまったくなく歌えた」。自信作のEPを形づくったさまざまな気づきを振り返る

2023.11.25

取材・文：鈴木瑞穂（Vocal Magazine Web）

散歩はマジで大事

──EPラストの「おまけMC」は“関取さんらしさ”を引き立てていますね。

関取　そうですね（笑）。あ、逆にちょっと私からお聞きしたいんですけど、Vocal Magazine Webだしというところで……あんまり意識があるわけじゃないんですけど、私のしゃべってる声と歌ってる声って違いますか？

──ちょっと違う印象があります……うまく言えないんですけど。

関取　けっこう違いますか？　いや、なんか自分でわかってないんですよ。

──関取さんらしさはもちろんどちらにもあるんですけど、やっぱり歌では太く激しく歌う場面もあったり、いろいろな声色や切り替えもお持ちっていう意味で違うというか。逆にかわいらしく歌う場面とか、語りっぽく歌うフレーズはMCに近いところを感じます。

関取　ああ、なるほど。違うんだろうなとは思いながら、何がそんなに違うのかわかってなかったんですよ。

──違うってよく言われるんですか？

関取　最近、両方言われるからわかんなくなって。「全然違うね」って言われることもあれば、「やっぱりあの声で歌うとしゃべる声も一緒できれいだね」って言っていただいたりとか。だから受け取る方によってもしかして違うのかなって。まあどんなふうに言われても嬉しいんですけどね。単純に“どう聞こえてるんだろう？”みたいな分析として気になってて。

──なるほど。逆に関取さんだからこそ聞きたいことがVocal Magazine Web的にもあるのですが、あんなに味のあるMCをするにはどんなことに気をつけているんでしょう？

関取　やっぱりね、改めて思うのは狙って言わないほうがいいです（笑）。狙って言うと、斜めうしろで見てる自分が出てきちゃうんですよね。「あ、やってんな」って。思いつきで「これ言ったらいいんじゃない？」みたいなよこしまな気持ちで言ったり、ちょっと盛っちゃったりすると、私の場合はうしろめたさがあとから出てきて、結果ちょっと崩れていくんです。

──真面目ですね！

関取　そうなんです、もう不器用というか根が変に真面目なとこもあって。だから気をつけてるのは「本当にあったことをただひたすら淡々と言う」っていうことですね（笑）。

──コラムにもあった「ありのままで歌うことを大事にしている」ことにも繋がるような。

関取　全部一緒だと思いますね、うん。

──関取さんは友達との遊びなど、日常の中でも気づきを常に大切にされているように感じるのですが、それは自然と行なっているのでしょうか？

関取　私はありがたいことにVocal Magazine Webさんや他のコラムでも書く場所があるので、いつも何書こうって決めないで、「ああ、そんなことあったな」ぐらいで書き始めると、勝手にそこに「何を見てたか」みたいなものが文章になって出てくるんですよね。そういう場所があるから、結果気づきっていうものを言葉にして自分の中に吸収することができるだけで、もしかしたらこういうお仕事がなかったら、別にただ「楽しかった」だけで終わってたかもしれなくて。

──環境の恩恵というか、流れもあったんですね。

関取　そうですね。書く仕事のおかげっていうのはすごくあります。でも意識していることとしたら、誰かと一緒に過ごして楽しかったこととか良い感情のものはけっこうその人に言うタイプなので、それは良い循環にはなってるかなって思います。

──今の関取さんが大事にしてるのはどんなことですか？

関取　……けっこうマジで散歩。散歩ですね。30分でも空き時間があるなら絶対行きます。昨日も今日も行ってってなると、「同じ秋でも全然匂いが違う、なんでだろう？」とかちょっとしたことに気づけたり。童心に帰るというか、子供の頃って“なぜ・なんで・どうして”のハテナがいっぱいあったから毎日が楽しくて、毎日が冒険で。そういうのを大人になってもちょっとできる感じがします。

──散歩は気軽に行けるし良いですね。

関取　そうです、タダだし！

──自分も積極的に散歩しようと思います。最後に、11月25日からキーボーディストの谷口雄さんと巡る『関取二人三脚』が始まりますが、こちらはどんなツアーになりそうですか？

関取　昨日（※取材日の前日）ちょうどリハがあって、実はこういうセットリストでいこうと考えていたのがあったんです。たにぴょんは一緒にやってるのが一番長いサポートメンバーなんですけど、会った瞬間に「いや、セットリストこれじゃない！」って思い直して。ふたりだからできることとか、見せれる自分とか、いろんなことがバーッて浮かんできたんです。弾き語りのセットリストの組み方とも全然違うし、かと言ってバンドともまったく違うので、今まで何回もライブに来てくださってる方も絶対楽しめるし、初めての方も満遍なく全部の曲をやるし、アコースティックな感じももちろんあるけど、ピアノがあることでバンドっぽい勢いづいたものもできるので、どっちも楽しめるかなりオススメツアーです。

リリース情報

最新EP『メモリーちゃんズ』
2023年11月15日（水）発売
PROS-1029／1,500円（税込）
ご購入はこちらから：https://store.universal-music.co.jp/product/pros1029/

※ユニバーサルミュージックストア、およびライブ会場限定販売
※紙ジャケット仕様

＜収録内容＞
01. メモリーちゃん（ドラマ『カメラ、はじめてもいいですか？』主題歌）
02. ナナ
03. すきのうた
04. 障子の穴から（関取独走 ver.）
05. 明大前（関取独走 ver.）
06. おまけMC

ツアー情報

『関取花 2023 ツアー “関取二人三脚”』

11月25日（土）東京・ダンスホール新世紀
【開場/開演】17:00/18:00
【Info.】ホットスタッフ・プロモーション
（TEL：050-5211-6077　受付時間：平日12:00～18:00）

12月９日（土）京都・磔磔
【開場/開演】17:00/18:00
【Info.】SOUND CREATOR
（TEL：06-6357-4400　受付時間：平日 12:00〜15:00　※祝日を除く）

12月10日（日）名古屋・JAMMIN’
【開場/開演】17:00/18:00
【Info.】ジェイルハウス
（TEL：052-936-6041　受付時間：平日 11:00～19:00）
【チケット料金】
全自由：4,500円（税込） / 当日券：5,000円（税込）　

※ドリンク代別

チケット一般発売 / 10月14日（土）10:00〜
https://sekitorihana.lnk.to/Sekitori2nin3kyaku

ライブ情報

『ATTACK FROM LIVEHOUSE 2』

【日時】11月22日(水)
開場18:45 / 開演19:15
【会場】下北沢SHELTER
【出演】ADAM at / 関取花
【チケット】前売3,500円 / 当日4,000円　※1ドリンク別・立見

『Umeda Shangri-La & KYODO OSAKA Presents「最音整熱#1」-SAIONSEINETSU-』

【日時】2023年11月30日(木)　開場 18:30 / 開演 19:00
【会場】梅田シャングリラ
【出演】：関取花 / 日食なつこ
【チケット】
前方椅子席：6,050円（税込・自由席・整理番号付き）※抽選先行のみ
前売4,950円 / 当日5,500円（税込・スタンディング・整理番号付き）

※ドリンク代別
※小学生以上有料（前方椅子席は、お席が必要な場合は小学生以下有料）

『-Presented by THE PERMANENT PICTURES-「One Garden」』

【日程】12月７日 (木)
【開場/開演】18:30/19:00
【会場】SHIBUYA LUSH
【出演】ホリエアツシ（ストレイテナー） / 関取花
【料金】3,800円（+1DRINK代）

プロフィール

関取花

1990年生まれ、神奈川県横浜市出身。愛嬌たっぷりの人柄と伸びやかな声、そして心に響く楽曲を武器に歌い続けるソロアーティスト。2019年ユニバーサルシグマよりメジャーデビュー。2023年11月15日、最新EP「メモリーちゃんズ」をリリース。11月25日からは盟友、谷口雄とふたりで巡る『関取花 2023 ツアー“関取二人三脚”』を東京、京都、名古屋にて開催。