
取材・文・撮影:田代智衣里(Vocal Magazine Web)
常にメンバーの口の中には森下仁丹の飴が入っている
──1部の舞台は1930年代黄金期のハリウッドですが、これはどなたかのアイデアだったんですか?
酒井 誰だ! こんなアイデアを出したのは!!
後上 前回もこういう感じだったんですよね。演出の村上さん(村上大樹)と作家の横山さん(横山一真)が前回と一緒なので、もしかしたらそのふたりが好きなのかもしれないですね。
酒井 僕はポスターではこういう髪型なんですけど、本番は絶対違うと思う。前回もこういう感じで写真を撮らせていただいたけど、本番はまったく違ったから。稽古して実際に本人と会って、パーソナルな部分を知ったり、ほかの役者さんとの兼ね合いの中で、演出の村上さんが純烈のお客さんに笑顔になっていただこうとか、キュンキュンしてもらおうとか考えているんだと思います。
稽古での面白い部分を残しながら高めていく流れになると思うので、最終的には千秋楽は思いもしないものになるんだろうなって感覚があるので、変わるやろなって。

後上 唯一確実に言えることは、おそらくこの4人は当日いると思います。
酒井 もしかしたら、小田井さんも戻ってきてるかもしれない。
後上 スペシャルゲストとかでね。
白川 歌謡ショーとかで出てくるかもしれない。
後上 いいですね、日替わりでソロナンバーを歌っていただいて。
白川 でも、何か歌が入ってくると思うんですよね。今回は音楽監督があのフラッシュ金子さん(金子隆博)なので。
酒井 『うたコン』(NHK歌番組)でお世話なってる米米さん(米米CLUBメンバー)だろ? やばいよね。
白川 だから何か面白い音楽もできるんじゃないかなと思います。
──お芝居と歌の2本立てですが、公演の前や普段行なっている喉のケアはありますか?
(4人、ポケットから森下仁丹の飴を出す)
酒井 どこで出会ったかは忘れちゃったんですけど、これ(森下仁丹の飴)をみんな持ってます。紅白に出場する前の健康センター時代に、純烈のステージ数がだんだん増えると咳込んだりするようになったんです。やっぱり、昼夜2公演だったり、移動も含めてどんどん激化していくことにまだ対応できてなかったんですよね。
そういう状況に陥ったときに、この飴に出逢いました。最初はブラックブラックのガムを噛んだときみたいに“ちょっとメンソールきつすぎる”みたいなイメージになるんですけども、今や僕ら、甘みすら感じるようになったんです。
一同 あはははは(笑)。

酒井 テレビに出るようになってからずっと、バラエティだろうが紅白だろうが常にメンバーの口の中には(森下仁丹の飴が)入ってる。だから、舐めながらしゃべったり歌ったりできるんです。
後上 前回の(明治座)公演のときは確か、当然みんな口に飴を入れながらやってるんですけど、ステージ上でリーダーの飴が切れたっぽくて、“おい、飴あるか?!”って。そのとき飴をティッシュにくるんで胸ポケットに入れてたんですけど。
酒井 汚ねえ!!
白川 (後上が)そのティッシュごとあげてたんですよ。最後の打ち合いのシーンか何かで隠れてるときに、“おい、後上やばい、俺次のセリフ喉飛ぶ!!”って言って、そのままティッシュごと舐めてて(笑)。
酒井 きったねえな!!
後上 普段は袋ごと胸ポケットに入れてるんですけど。
酒井 賭けやったな。だって、こいつが鼻かんだやつかもしれへん。だけど、すがる思いで口に入れた!
後上 違う違う、鼻かんでない(笑)。
酒井 コンサートのときは、いつも歌の間奏で飴を舐めるとこすら客に見せてやってるんですけど、お芝居のところで飴を出したら、1930年代が舞台なのでね。毎回ちょっとだけ早めに行って、隠れて芝居できるなっていうところに、プリセットで飴を置いてる。
後上 ティッシュか地べたかの違いじゃん!
酒井 でも、もちろん喉のケアは考えるんですけど、やっぱり年齢もキャリアも重ねていくと唾がなくなっていって、“なんでおばちゃんのカバンの中には飴があるのか”という、若かりし頃の謎が解け始めるんです。そら、唾が出てこなくなるなって。それは僕らも一緒なので、ケアはしてるんですけど、もう最大のケアはこれ(森下仁丹の飴)です。
客席で握手してたら、おばちゃんが新しいこれ(森下仁丹の飴)を差し入れしてくれて、もう山ほどあるんです。だから自分で買ってないんですよ。もう家にこれ(森下仁丹の飴)用の引き出しがあるんです。
一瞬廃番になりそうになったけど、森山良子さんのおかげで今があります。ちなみに今ネットニュースで「森山良子 純烈」って打ってもらうとわかるんですけど、森山良子さんが今地球の中で一番大好きな男性が岩永です。