【インタビュー】10周年を迎えるウォルピスカーター、“求められている声”に向き合った『ひとのうた』と極め続けるハイトーンの秘訣を語る。

2023.02.24

取材・文:後藤寛子

ライブは長距離走で、レコーディングは短距離走

──前回のインタビューは2022年のEP『分身-Bunshin-』リリース時だったわけですけど、約1年経って、ご自身の歌声とか歌唱法自体に変化や進化を感じている部分はありますか?

ウォルピスカーター 『分身-Bunshin-』で、全体的なキーが大幅に上がった部分があったので。今回は、歌声に関してはわずかなレベルアップくらいに留まるかなと思います。ただ、さっきお話しした「銀河録」でのベースにする声の違いは意識して録った部分だったので。細かいところですけど、発声に対する意識が変わったというのは大きいですね。

──レコーディングで使用したマイクや機材も変わらず?

ウォルピスカーター 今回も同じですね。マイクはBLUEのKiwi、オーディオインターフェースがRMEのBabyface Proで、ほとんど環境は同じだと思います。

──今後しばらくはこれで行くイメージですか?

ウォルピスカーター 最近、ちょっとマイクをいくつか試したいなと思っていまして。NEUMANN(ノイマン)とか真空管のマイクを試す機会があったんですけど、そのあたりのちょっとハイエンドなマイクを使ってみたい気持ちがあります。でも、僕はけっこうマイクの管理が杜撰になりがちなので、真空管に手を出すのはちょっと怖いなっていうのもありつつ(笑)。ただ、もっといい音で録りたいな、もっといい音で高い声を録ったらどうなるんだろう?みたいな好奇心はあるので。今年、来年あたりでちょっとハイエンドのマイクに手を出せたらいいなと思っています。

──真空管のマイクを試して、手応えがあったんですか?

ウォルピスカーター やっぱり音質が違いましたね。Kiwiは高域から中域にかけてを前に出してくれるマイクなんですけど、真空管になってくると、全体的に音がクリアになるというか、サラサラしてるんですよね。聴いていて耳触りがすごくいいし、ニュアンスまで細かく拾ってくれるので、やっぱり高いマイクはいいなと思いました。僕はマイクの前で叫びちらかすので(笑)、相性的にどうなんだろうなという懸念はちょっとありますけど。

──4月にトークライブを開催されるということで、そのイベントのコメントで「ハイトーンのその先へ」とありましたが、今後ヴォーカリストとして目指す像というと?

ウォルピスカーター 歌い手をある程度続けると、やっぱりライブを考えなきゃいけなくなって。ライブをやり出すと、どうしても生歌できちんと歌い切れる曲というふうにシフトしていっちゃうハイトーンヴォーカリストが多いと思うんです。でも、僕はライブのことを一切考慮しないシンガーとして、とにかく高い声を出すことを目指してどこまでやれるのかに挑戦していきたいです。

もちろん、ライブでもなんとか出せる限界のキーで常にやってるんですが、やっぱり音源に比べると下がってしまうので。いつかライブでも全部原曲キーでやりたいなとは思いますけど、生で歌えるキーがちょっと上がっても、同時にレコーディングで出るキーも上がるので、永遠に追い付かないんじゃないかと(笑)。

──ライブで出せるキーも上がってはいるわけですね。

ウォルピスカーター 徐々に上がってますね。でも、ライブは長距離走で、レコーディングは常に短距離走をやってるみたいなものなので、種目が全然違うんですよ。短距離走用の筋肉しかないので、難しいですね。まずはライブは考えずに、とにかく限界の音を届け続けるという形で。

──いつか、ライブでHiHiDを……。

ウォルピスカーター ははははは! 前回のワンマンライブでHiHiCを出したんですよ。でも、無理やり出してひっくり返って、HiHiHiAくらいまで音がすっ飛んでしまったのでHiHiDはちょっとまだまだ遠いですね(笑)。



リリース情報

カバーアルバム『ひとのうた』
2023年2月22日(水)リリース
2,750円(税込)

【収録楽曲】
全11曲(ボカロ曲カバー[歌ってみた]10曲+CDのみボーナストラック1曲)

《収録内容》 
01. Alice in 冷凍庫(作詞/作曲:Orangestar) 
02. 未来少年大戦争(作詞/作曲:トーマ) 
03. Fire◎Flower(作詞/作曲:halyosy) 
04. ワールド・ランプシェード(作詞/作曲:buzzG) 
05. 骸骨楽団とリリア(作詞/作曲:トーマ) 
06. 銀河録(作詞/作曲:はるまきごはん) 
07. ねぇ、どろどろさん(作詞/作曲:YASUHIRO(康寛)) 
08. ジャンキーナイトタウンオーケストラ(作詞/作曲:すりぃ) 
09. 煮沸消独(作詞/作曲:ANGL) 
10. ドナーソング(作詞/作曲:大柴広己) 

【ボーナストラック】※CDのみ収録 
初音ミクの消失(作詞/作曲:cosMo@暴走P)

【数量限定セット商品】
『ひとのうた』[CD+ウォルピス社10周年記念4つの贈答品]
3,900円(税込/送料込)

<セット内容>
《CD》
・全11曲(ボカロ曲カバー[歌ってみた]10曲+CDのみボーナストラック1曲)

《贈答品》
・ウォルピス社10周年記念のしタオル
・ウォルピスカーター狂ったシチュエーションブロマイド[5枚組]
・ウォルピスカーター(日本製紙のすがた)
・「ひとのうた」オリジナル缶バッジ

詳細はこちら
『ひとのうた』特設サイト:https://columbia.jp/hitonouta/
購入はこちら:https://lit.link/hitonouta
配信はこちら:https://wolpis.lnk.to/hitonouta


講演会情報

『ウォルピスカーター講演会〜グローバルな変化を予見し、高音で持続可能な社会を実現するイノベーション〜令和5年・春』

日程:2023年4月9日(日)
時間:OPEN16:00/START17:00
場所:ヒューリックホール東京
料金:前売5,000円 / 当日5,500円(税込、全席指定、1ドリンク代別途要)
※3歳以下入場不可、4歳以上必要

<チケット販売>
■一般発売
受付:2月4日(土) 10:00〜
イープラス:https://eplus.jp/wolpiscarter/
ローソンチケット:https://l-tike.com/wolpiscarter/
チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/wolpiscarter-t/
お問い合わせ:DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12:00〜15:00)


プロフィール

ウォルピスカーター(Wolpis Carter)
男性歌い手。”高音出したい系男子”の異名を持ち、トレードマークのハイトーンヴォイスを武器にリスナーを魅了し続けている。実直な“高音”へのこだわりを掲げる「ウォルピス社」社長でもある。歌唱動画の累計総再生数は3.5億回(現在)を越える。

関連リンク

Official HP:http://wolpiscarter.com/
Twitter:https://twitter.com/wolpis_kater
YouTube:https://www.youtube.com/c/wolpiscarter
Streaming/Download:https://nippon-columbia.lnk.to/WolpisCarter

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