【インタビュー】Novel Core、「TROUBLE」から「iCoN」へ。新作に詰め込んだ自身の存在の軌跡と、武道館公演への想いを語る

取材・文:鈴木瑞穂(Vocal Magazine Web)

ラッパー/シンガーソングライターのNovel Coreが、22歳の誕生日である2023年1月18日(水)に1st EP『iCoN』をリリースした。
本作は気鋭のプロデューサー・Ryosuke “Dr.R” Sakaiとタッグを組んで制作された5曲を収録。前作からさらに幅の広がったサウンドと楽曲それぞれのメッセージが引き立つ、個性と象徴が凝縮された1作だ。
さらに彼は先日開催したライブ『Novel Core ONEMAN LIVE -Untitled- at 豊洲PIT』にて、悲願の日本武道館公演を発表したばかり。
そんなNovel Coreに新作の話に加え、自身の存在が「TROUBLE」から「iCoN」に変わるまでの軌跡、武道館公演に向けた意気込みなど幅広く話を聞いた。

バンドとしてもヴォーカリストとしても、短い間で大きな成長が求められた期間

──前作『No Pressure』から今作リリースまでの間は、Novel Coreさんにとってどのような期間でしたか?

Novel Core バンド編成での全国ツアー『No Pressure TOUR 2022』があったり、『SUMMER SONIC 2022』などの大型フェスもバンドで出演したり、バンドで一緒に何かをやることが多かった分、自分の楽曲が持ってるポテンシャルやアレンジの幅みたいなところに向き合った期間でした。自分の曲をたくさん聴く中で、今まで気付いてなかった楽曲の持ってる魅力を発見できたかなと思ってます。

──大型フェスでのパフォーマンスで意識するポイントは、ご自身のツアーとはまた違うものでしたか?

Novel Core けっこう違いましたね。言い方が難しいですけど、ステージがいっぱいある大きなフェスだと、たとえ僕たちが望んでいなくてもお客さんの取り合いになる瞬間がどうしてもあって。「この時間はココにいたい!」と思ってもらうために、楽曲と楽曲の隙間も極力なくしてシームレスに繋ぐ工夫をしたりしました。音が止まってる時間がちょっとでもあると、その間にお客さんが通りかかったとしても、次のステージに行かれちゃうじゃないですか。そういうことをフェスに出演したことですごく意識し始めました。普段のライブも昔と比べるとだいぶMCのパートが減ったので、「音楽を止めない」みたいなことが最近のテーマになってる気がしますね。

──ご自身のツアー『No Pressure TOUR 2022』では、各公演で歌モノのカバー曲を披露されたそうですね。幅広いジャンルの選曲が印象的でしたが、どうしてカバー曲に挑戦しようと思ったのですか?

Novel Core 僕の今のバンドって2022年6月のZeppワンマンで結成してまだ半年なので、キャリアが浅いというか。ただその短い期間の中でめちゃくちゃ大きな成長が求められていて、ライブの規模はどんどん大きくなっているし、自分たちがひとつ目標として設けていた日本武道館がすぐそこっていう状況があって。そんな中、バンドとしてもっと幅の広い楽曲を演奏してアレンジやアプローチの種類を広げる必要があるし、僕も当然ヴォーカリストとしてもっと幅広く声を使い分けたりできなきゃいけないこともあって、いろんなカバー曲に挑戦しました。

──生演奏で歌う機会が増えた1年だったと思いますが、パフォーマンスが馴染んできた感覚はありますか?

Novel Core やっとっていう感じですね。それこそ6月のZeppワンマンやサマソニのときもトゥーマッチな箇所がまだ多くて。全部120%の音で鳴っていたり、自分自身のヴォーカルやもともとのトラックが持ってる良さがバンドのアレンジで逆に消えてしまったりとかもあって、それが課題ではありました。ただ、バンドはDJのセットと比べると、リハや音合わせの機会がたくさんは取れないので、その分コミュニケーションを多く取ってメッセージや電話で話し合いをずっと続けていましたね。

──逆に今、より鍛えたいことはありますか?

Novel Core 生の演奏に関しては、やっぱり音選び。ギターのエフェクトはどれをかませるかとか、ドラムのセットをどうするのかとか。少しずつ音の幅を広げていこうというのはチームで話してます。

あと、僕自身はやっぱりバンドの音に負けないようにもっと声量や肺活量を上げたり、大きく動いてもブレない体幹というのも必要だと感じてます。それと、僕の曲はすごく低い声で歌うのとめちゃくちゃ高い声で歌うのがホント極端で(笑)。「独創ファンタジスタ (Prod. KNOTT)」とか特にそうなんですけど、高低差がエグくて切り替えもシームレスなんです。間にひと呼吸入らないというか、“ここまで低いキーで歌ってたのに次いきなりファルセット”みたいなメロディが多いので、そこにちゃんと対応できる喉の動き方はもっと鍛える必要があるなと思っていて、ヴォーカルトレーニングは最近意欲的にやってます。

──ボイトレに通っているのですか?

Novel Core 通ってはいなくて、独学でやってます。

──どんなトレーニングをしていますか?

Novel Core パワーブリーズを使っての肺活量トレーニングは継続してやっています。プラスして、喉の開き方や舌の位置をすごく意識するようになりました。高い声を出すときに力まないような喉の使い方をするために、割り箸を口に咥えた状態で歌うというのを家でやってました。けっこうボイトレで多く使われている手法みたいです。口の形が固定されるので、喉が閉まらない状態が作れます。割り箸を取っても同じ喉の状態で歌えるように練習してましたね。

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