取材・文:鈴木瑞穂(Vocal Magazine Web)
大原櫻子が、12月7日に1年10ヵ月ぶりのニューアルバム『FANFARE』を発売する。
「すごく大人になったと思える1枚」と自身が語るように、さまざまな愛を、もうすぐ27歳になる“今”の大原が歌うことにこだわり抜き、多彩な声色や表現が詰め込まれた一作となっている。
本作のリリースに際し、大原にインタビューを実施。それぞれの曲での声色表現について、作詞作曲の裏話、これまでの歌声の変遷などを語ってもらった。【インタビューの最後に素敵なプレゼントあり】
「すごく大人になったな」と思える1枚
──さまざまな愛と声色の表現が詰まったニューアルバム「FANFARE」が、いよいよ12月7日に発売となります。いつ頃から構想を描き始めましたか?
大原 今年に入って「それだけでいい」という楽曲をリリースしたんですけど、そこから徐々に構成作りが始まっていきました。今回、小名川高弘さんが楽曲提供やプロデューサーとして入ってくださることが多かったので、小名川さんの楽曲を軸にいろいろ進めていったという感じですね。
──ツアーや舞台もあったと思いますが、そちらと並行して進めていく形でしたか?
大原 そうですね。舞台はけっこう並行してやってました。
──歌の練習とお芝居の練習が同じ日に入ることも?
大原 それはなかったです。私自身 “これはこれ”と集中してやるタイプなので、そこはスタッフさんが本当に考慮してくださりました。
──歌詞を読み込んだりお芝居の台詞を覚える時間というのは、どうやって作り出していましたか?
大原 ちょうど舞台が終わったあとにライブがあったりしたんですけど、その練習は移動の車の中でもやったりしてました。家に帰るとけっこう力を抜きたいタイプなので。
──移動車の中での練習ではガッツリ歌うのですか?
大原 舞台でけっこう喉を使うので、本気で歌うというよりかは、とにかく歌詞を覚えるためにつぶやきながら頭に入れるみたいな作業でしたね。
──疲れていてもインプットはどんどん頭に入れていけますか?
大原 いやぁ、そんなことないですよ。本当に時間がないから頑張ろうって、無理やり詰め込むときもありますし。
──YouTube動画の中でも“ダラダラしてる時間があまり好きじゃない”と発言されていたことを思い出しました。ストイックさを感じます。
大原 そうなんですよ。何かできないかな?って考えちゃう。だから周りの人に“ボーッとする時間も大事だよ”って言われて(笑)。わかっているのに、なんか入れちゃうみたいな。
──そういった志の高さが音楽活動やお芝居と多彩な活動を支えているのですね。活動を両立する中で完成した今作について、改めてどのように感じていますか?
大原 今回いろんな視点やシチュエーションでの“愛”を歌わせていただいたんですが、もう来年27歳になる歳でもありますし、客観的に見て“すごく大人になったな”と思える1枚です。
──それは気持ちの面ですか? それとも、自分の声を聴いて感じたこと?
大原 両方ですかね。気持ちの部分でもそうですし、声色も曲ごとに変えて歌っていたんですけど。声的にも感情的にも、やっぱりデビューのときとはまったく違うんだなというのはすごく感じています。