【インタビュー】クリス・ハート、『Christmas Hearts 2』とヴォーカルレコーディングを語る。“完璧に歌うんじゃなくて、正直に歌う”

取材・文:田代智衣里(Vocal Magazine Web)

今回のアルバムは特に、曲によってスペースを調整したかった

──オーディオインターフェースは何を使っているんですか?

クリス 僕はPreSonusのStudio Oneを使っているので、インターフェースもPreSonusのStudio 192とQuantum 2626を使っています。AstonマイクからUNIVERSAL AUDIOのLA-610 MKIIというマイクプリアンプを繋いでいます。

──長い間このスタイルで録っていますか?

クリス ちょうど今年からマイクプリアンプを変えました。カナダで全部ミキシングをやってもらってるんですけど、カナダチームと話して、もっとスムーズにできるようにいろんなプリアンプを試してみたんです。やっぱりUNIVERSAL AUDIOのほうが合ってるという話になって変えました。

──自宅ではレコーディング用のブースを作っているのですか?

クリス ブースというほどではないけど、吸音パネルを使って空間を調整しています。今回、SHIZUKA Stillness Panel SDM-1800という吸音パネルを初めて試してみました。

──部屋の壁には吸音材を貼っていますか?

クリス そこまでしっかりやっていないです。ミキシングもヘッドフォンだし、ヴォーカルを録るときはアコースティックな空間で僕の好きなサウンドになっていたから、そんなに必要ないと思っていて。

前作のオリジナルアルバム(『COMPLEX』)を録ったときは引っ越す前で、当時の部屋はちょうど良くうまく録れたんだけど、今の部屋は少し狭くなったので音をどうするかずっと気になっていたんです。

今回のアルバムは特に、曲によってスペースを調整したくて。最後の「The Christmas Song」はすごくマイクに近づいて、狭い部屋で録っているような感じにしたかった。そこで吸音パネルをうまく活用できました。

──2面ある吸音パネルを2枚用意して、自分を挟むように置いていますか?

クリス はい。「チキンライス with Tsukiko Nakamura」、「The Christmas Song」などバラードの曲では、吸音パネルを自分に近づけて狭い空間にしました。「Santa Tell Me with HIKKA」、「Wonderful Christmastime」は逆に吸音パネルを離して、部屋の音を少し取り入れたり。その自由さがあって、アルバムのSpecial ThanksにSHIZUKA Inc.(株式会社静科)の名前を入れるくらい助かりました(笑)。

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