【インタビュー】さとうもか、「魔法」に残した想いと歌声のルーツを語る。“本当の心”が何かを動かす一番の原動力になる

取材・文:田代智衣里(Vocal Magazine Web)

音源みたいな声に近づけるにはどうやって歌ったらいいかを考えて

──歌を歌っていきたいという思いが芽生えたのは何歳ぐらいのことでしたか?

さとう 小学3年生ぐらいです。ちっちゃい頃から音楽が好きだなって感覚はあったんですけど、いろんなアーティストにどんどんハマっていったのがその頃でした。自分もいつか歌ったりできたらいいなぁと思うようになりました。

それで、小学3年生のときに友達とお笑いコンビを組んだんですよ。“いつか『ものまね紅白歌合戦』で自分の歌声を披露しよう”って計画を立てたんですけど、それはやめて、今に至ります(笑)。

──小学3年生の頃はどんな音楽を聴いていたのですか?

さとう 大塚 愛さんや、森山直太朗さんがすごく好きでした。

──弾き語りを始めたのはいつ頃でしたか?

さとう 中学3年生ぐらいです。ちょうど受験勉強があって、部活を引退したあとだったので、合間の時間にギターとかを弾きながら好きな歌を歌ってみたりして。ちょっとずつ弾けるようになりました。

──ヴォイストレーニングはやっていましたか?

さとう 高校が音楽学科だったので、授業で声楽の先生に教えてもらったのが最初のヴォイストレーニングでした。でも、ポップスの歌のレッスンもやってみたいと思うようになって、バイトをしたお金でレッスンにも通ってみたんです。

それがグループレッスンだったんですけど、おじいさんとおばさんと私、という感じで(笑)。生徒の幅があまりに広すぎて、あんまり意味がないかなと思ってすぐにやめてしまいましたが、ここ1ヵ月で個別のヴォーカルレッスンに通わせてもらうようになったので、勉強中です。

──最近始めたヴォーカルレッスンでは、どんなことをしていますか?

さとう 発声や喉の筋肉について教えていただいていて、“こう歌ったらこの筋肉が締まるから喉に悪い”とか、“喉がこう震えるからこんな声が出る”みたいなことを歌いながら“今はこんな感じだよ”と教えてもらって、その感覚を忘れないようにするイメージでやっています。レッスンはまだ3〜4回目ぐらいですね。

──1ヵ月の間にも、変化を感じますか?

さとう ちょっとだけ変わりました。すごく大きい声を出しても、疲れないようになってきたと思います。

──初めてヴォイストレーニングを経験したという声楽のレッスンでは、ポップスを歌うことに通ずる部分はありましたか?

さとう 腹式呼吸はすごく通じているような感じがします。あとは声楽の授業よりも、ソルフェージュの授業が影響したかもしれません。「コールユーブンゲン」という教科書があるんですけど、それを歌っていく授業があって。リズムや音程の高低差が独特で、そのメロディは練習用なんですけど、普通じゃ考えつかないようなものでした。それが今の歌にすごく活きているような感覚があります。

──アドリブやフェイクにも活きているのでしょうか?

さとう そうかもしれないです。急に低いところや高いところに行く感覚が入ってきたと思います。

──昨年11月と今年3月のライブを観させていただいたのですが、今年のライブではさらに歌力がパワーアップしているように感じたので、何かあったのかなと思っていたんです。でも、ヴォイストレーニングを新たに始めたのはここ1ヵ月ぐらいのことなんですね。

さとう はい。最近自宅ではなく、スタジオでレコーディングすることが多くなったんですけど、ミックスのときに自分の声をちょっとだけ編集してもらうこともあって。その自分の歌を聴いたら、それをコピーするみたいに音源の声に近づけたいと思ったんです。それで、どうやって歌ったら近くなるのかを考えながら歌ってみたりしていました。

ライブでもイヤモニをして、リハで自分の声がよく聴こえるようにリバーブを少なめに調整してもらったりとか。それがすごく成長に繋がっているような気がしています。

──ミックス時に、他にお願いしていることはありますか?

さとう すごくきれいに直してくれる方もいるんですけど、もうちょっと自然な感じがいいと思うことがあるので、そういう部分を相談しながら、バランスのほうを重視しています。

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