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【インタビュー】Shohei(THREE1989)、美しい歌声から見える真っ直ぐな歌への愛

インタビュー:鈴木 瑞穂(Vocal Magazine Web)

ゲストを迎えて挑んだ、新たなるTHREE1989の姿

──第5章では、男女の甘い大人のストーリー・イメージが広がってきますね。「甘い降伏 feat.Tomoaki Baba」では、サックス・プレーヤーのTomoaki Babaさんを迎えたサックスと歌の掛け合いが聴ききどころのひとつかと思います。

Shohei 装飾するためのプレイもBabaくんはできますけど、でもやっぱりメインのメロディを吹くサックス・プレーヤーだと思うんです。今回Babaくんとは、本当の意味でのフィーチャリングというか、彼のサックスのソロの部分もめちゃめちゃ長くて、情熱的に吹いてくれている。川畑さんやasmiちゃんとやったような、ヴォーカリストとのコラボに近い感覚で取り組みました。

──曲を聴いて、お二人がセッションされているような臨場感を感じたんですが、実際にセッション的な感じで作っていった?

Shohei 本当はセッションでやりたかったんですけど、なかなか時間とタイミングが合わなくて。なので丸投げしました。“もう好きなようにインスピレーションで弾いて!”って(笑)。それで1発目に返ってきたものが良すぎて、やっぱり頼んで良かったと心から思いましたね。

──サックスの音色も相まって、一層大人の雰囲気が感じられました。

Shohei そうですね。Babaくんのおかげで本当に今までにないぐらい大人でメロウな曲ができたかなと思います。やりたかったようなR&Bができたなっていうか。やっぱりTHREE1989のスタイルって生音ではないので、サックスを入れたことも今までなくて。いつかやってみたいと思っていたので、その夢がひとつ叶ったかな。本当にやって良かったなと思えましたね。

──次の「愛の処方箋」は、20歳のシンガーソングライター、asmiさんを迎えてのゆったりとしたデュエット。彼女との声が混ざるイメージというのはオファー前から見えていたんですか?

Shohei 見えてなかったですね(笑)。オリジナルで唯一無二の魅力的な歌い方をされるヴォーカリストだから、期待と、どんな化学反応生まれるかなっていうドキドキ感がありました。

──オファーのきっかけは?

Shohei 大阪のイベントで対バンだったんです。終演後までasmiちゃんが待っててくれて。いただいたCDを帰りの車でみんなで聴いたんですけど、この声めっちゃいいじゃん!って、ひと聴き惚れみたいな感じでした(笑)。ちょうどアルバムで誰とコラボするかみたいな話もあったので、マネージャーに“asmiちゃん、めっちゃ良くない? 声かけようよ”って伝えて、皆さんの協力でオファーが叶いました。

──第6章の「SAKASAMAの世界」は、Shoheiさんのクラブでのルーツが反映されていて、あっこゴリラさんとケンチンミンさんのラップに続いてShoheiさんが入ってきます。リズム感もバチバチですが、ラップはやってたんですか?

Shohei やってないです(笑)。でもジャズ・ヒップホップとか、最初はNujabesから入って(GURUの)JAZZMATAZZ、A Tribe Called Questとか、そういうものをずっと聴いてきたんで、今風なラップはできないですけど、当時のリズム感とかラップの置き方、フレーズの置き方とかはけっこう身に入っているのかもしれないです。今回の曲は、みんなが聴いてきたKICK THE CAN CREWやRIP SLYMEなどの、“サビでみんなで歌えるラップ”というところを意識して生まれた感じですね。

──ラップの作詞や韻を考える時に、本職のラッパーにアドバイスを聞いたりしたんですか?

Shohei いや、アドバイスは聞いてはないです。今までいろんな音楽を聴いてきたからできたかなって感じですね。ちぐはぐな歌詞がたくさんあって全部伝わるかはわからないですけど、伝わったらいいなと思って書きました。歌で伝えると伝わらないことも、言葉でメロディに乗せないことによってさらに表現されることもあると思うので、そういったアプローチを意識して今回はラップにしました。

──最後の章では、THREE1989のルーツとされている“渋谷”のストーリーが始まると思うのですが、「エゴイスティック渋谷」をトリに持っていかれた意図は?

Shohei やっぱり現状の僕らを伝えるには一番良い曲だと思ったので。分岐点だと思うんですよね、今、僕らにとっても世界にとっても。渋谷という街でずっと活動してきて、これまでの渋谷の楽しさも知ってるし、これからの渋谷の楽しさを作っていかなきゃいけない段階に僕らは来たので。それも踏まえつつ、“伝えたい。そしてここから作っていきたい”というものが踏襲された1曲である「エゴイスティック渋谷」が、THREE1989の2021年を飾るにふさわしいと思って最後に持ってきました。

──ありがとうございます。Shoheiさんご自身の、ヴォーカリストとして “こうなっていきたい”という未来像はありますか?

Shohei THREE1989の活動はずっとやっていきたいです。ダンス・ミュージックをルーツとする心が躍るような音楽は、どんな時代であったとしても無条件で楽しくなるし、やっぱり必要不可欠だと思うんですよね。そしてもうひとつは、自分の音楽性のルーツが「アメイジング・グレース」であるように、より歌にフォーカスした表現方法、それは声だけかもしれないし、今ピアノも頑張って練習してるんで、何か“自分の身ひとつ”でインスピレーションを伝えていくというか、ひとりひとりに対して曲を作っていくような活動をやっていけたら楽しいなと思っています。そして、いつかアメリカとか、なんか広い会場で1人で、ピアノで歌いたいなぁみたいなのは夢で1つではありますね。

──とても楽しみです。今回のアルバムの聴きどころを総括してもらえますか?

Shohei まさに“聴く映画”ですね。目を瞑って雰囲気や情景をイメージして聴いてほしいです。あと、くり返し聴いていろいろな発見をしてほしいというのもあって、“こことここが繋がってる!”とか、“もしかしてこの曲、あそこに出てきた主人公じゃない?”とか、聴いてくれた人それぞれに違った答えが出せるようなアルバムだと思うんで、そこも含めて楽しんでいただければ嬉しいなって思います。

──最後に、アルバム発売を記念した東名阪ライブツアーが予定されていますよね。アルバムの世界観と、今までの楽曲との絡め方が楽しみなライブでもありますが、ライブに向けて一言お願いします。

Shohei 今までのTHREE1989の曲はパーティ・チューンが多い中で、今回のアルバムは、僕らが今の時代に対して提示したいメッセージが詰まった作品集になってます。そういったTHREE1989の過去・未来・現在がリンクする新しいライブが見せられるかなと。新しいTHREE1989の魅力が詰まったライブになると思うので、楽しみにしていただければと思います。たくさんアルバムを聴いてライブに来てくれたら嬉しいです!

教えて!ヴォーカリストの“こだわり”

インタビューはお楽しみいただけましたでしょうか? ここでは、さらなるShoheiさんの気になる“こだわり”を深堀り! 

●ステージドリンク
Shohei 常温の水です。クリスタルガイザー、軟水です。

●レコーディング・ブース
Shohei 歌詞カードを置かないほうが気持ちがノルので、基本は置かないですね。歌詞を覚えてないとか、レコーディングが続くと難しいこともありますけど、やっぱり大事な曲とか、気持ちを込めたい曲は置かないですね。置く時は歌いながら思ったことをメモしています。ここは強くとか、ここもう1回プレスしたいなとか。

●ライブ前の食事
Shohei お酒は控えますし、お腹いっぱいにならないようにしています。本番前は本当におにぎり一個食べるか食べないか、くらいですね。

●ツアー中の打ち上げ
Shohei 参加します。喉は大丈夫です。いやでも……大丈夫かどうかはお客さんが聴いて決めることなので、あんまり大丈夫って言えるかわかんないですけど(笑)。本当は参加しないほうがいいかもしれないですね。次の日ライブがある時は、行くけどすぐ帰ります。やっぱしゃべっちゃうのとお酒は危ないんで気をつけてますね。昔は全然でしたけど……(笑)。

●ノドのケア
Shohei 龍角散を飲みます。ライブの前に何かジンクス的に、粉状を。飴も効くんですけど、粉の方がダイレクトに入ってくるので、やっぱそっちのほうが効くかな、みたいな。結構むせちゃったりするんですよ、粉なんで(笑)。朝起きて“ちょっとノド痛いな”みたいな時は、ハチミツのチューブを直で飲んでます。すぐ治ります(笑)。一応加湿器は炊きますね。でも量は、人並みです。あとは、友達の家に泊まったりホテルでは一応マスクしたまま寝ます。やっぱり風邪ひくのが怖いんで。


リリース情報

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メジャー1stフル・アルバム
『Director’s Cut』
2021年11月3日(水)発売

<形態/品番/価格>
6,050円(税込)/RZCD-77401/B/CD+Blu-ray

<収録曲>
01. Action! – Intro
02. A. me too
03. Precious Love- Interlude
04. 裸
05. ココロゴト feat.川畑要
06. 蕾- Interlude
07. 紫陽花
08. 恋の嵐
09. 異国のCM – Interlude
10. 夏ぼうけ
11. 君のウインクが欲しい
12. Christmas Delivery – Interlude
13. Hot Chocolate
14. 夜明けのベル- Interlude
15. Private Castle
16. Stay Gold
17. 隠れ家 – Interlude
18. 甘い降伏 feat.Tomoaki Baba
19. 愛の処方箋 feat.asmi
20. S.O.S -Skit
21. SAKASAMAの世界 feat.あっこゴリラ, ケンチンミン
22. 一枚のマジック- Interlude
23. Winter Groove
24. 東京白夜 – Interlude
25. エゴイスティック渋谷
26. 走馬灯 – Outro

<Blu-ray>
THREE1989 BEST LIVE TOUR 2021 -Don’t Forget Dancing-
2021.03.25 TOKYO Ebisu LIQUIDROOM
M1. Don’t miss it
M2. UMBRELLA
M3. Kiss In The Sun
M4. mint vacation
M5. HOTELジェリーフィッシュ
M6. 涙のダンスフロア 
M7. サクラビト feat.おかもとえみ
M8. Scramble
M9. mist
M10. Rum Coke
M11. morning light
M12. Planet Floor
M13. High Times -2020 ver.-
M14. Rambling Rose
M15. HARU(仮)
M16. エゴイスティック渋谷
M17. UNIVERSE

<法人別先着特典>
タワーレコードオリジナル特典:音源CD(HARU(仮)ピアノver.)
Amazonオリジナル特典:メガジャケ
応援店特典:ポストカード
購入サイト

ライブ情報

『THREE1989 1st Album Director’s Cut Release Tour 2021』
<名古屋公演>
日時:11月20日(土) 開場17:00 開演17:30
会場:JAMMIN’
ゲスト:Orland
問合せ:サンデーフォークプロモーション 052-320-9100(月~日10:00~18:00)
<大阪公演>
日時:11月21日(日)  開場17:00 開演17:30
会場:Music Club JANUS
ゲスト:Neighbors Complain
問合せ:キョードーインフォメーション 0570-200-888
<東京公演>
日時:11月27日(土)  開場16:30 開演17:30
会場:東京 WWW X 
ゲスト:あっこゴリラ、ケンチンミン
問合せ:WWW X 03-5458-7688
【チケット料金】
(名古屋公演、大阪公演) 自由(整理番号付入場券) : 4,000円 / 別途ドリンク代要
(東京公演) 自由(整理番号付入場券) : 4,500円 / 別途ドリンク代要
※当日券は500円アップになります。
ツアー詳細はオフィシャルサイトまで


プロフィール

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Shohei(THREE1989)
⻄暦1989年生まれの3人で構成されたグループ「THREE1989」のヴォーカル。
70年代、80年代、90年代のサウンドを取り入れ、ダンスミュージックを織り交ぜた、現代的かつ懐かしさを感じる楽曲が特徴。 3人それぞれが作詞・作曲をし、Shohei(Vo)の圧倒的な歌唱力と美声、 Datch(DJ)がスクラッチとサンプラーを多用したプレイスタイル、 Shimo(Key)の様々な楽器を使いこなす高い演奏能力でライブパフォーマンスを行う。2021年1月 avex / rhythm zone よりメジャーデビュー。

THREE1989 オフィシャルサイト
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