【インタビュー】竹中雄大(Novelbright)が待望の初登場! ヴォーカリストとしてのこれまでと、メジャー2ndフルアルバム『Assort』の歌唱を語る!

2022.05.24

取材・文:藤井 徹(Vocal Magazine Web)
撮影(ライブ写真):ハヤシマコ

歌ってるときは女性的でありたい、みたいな部分は多少あるかもしれない。

──続いてメンタル面について。デビュー時期のインタビューでは、“セリーヌ・ディオンのような圧倒的な歌姫をイメージして歌っている”と語られています。非常に興味深いメンタルの持って行き方だと思ったのですが、これについて少し具体的に聞かせてください。

雄大 歌を始めたときからディーヴァみたいな存在を夢に描いてたというか、そういう存在になりたいなという想いが今もずっとあるんです。観客の鳥肌が立つような圧倒的な歌唱を聴かせてくれる歌姫が憧れで、実際に僕は以前から女性の歌もよくカバーして歌っていますし、自分で歌っていて一番気持ちいい瞬間は、そういうイメージで歌えているときなんですよ。

ジャンルに関しても“バンドをやっているしカラオケでロックばかり歌うのか?”と聞かれれば、全然そうでもなかったりします。あと、例えば“バラードは得意やけどアップテンポはなんかちょっと違うな”みたいな人とか、逆に“ロックな曲はバーっと歌うけどバラードは微妙やな”みたいに、人によって得手不得手はあると思うんですけど、僕は昔から“全部取りしたい”みたいなところがあって……。

──確かに、それには圧倒的な歌唱力が必要になりますよね。

雄大 女性の歌手の人って男性の曲を歌える人が多いんですけど、男性歌手は女性歌手の曲をあまり歌えないことが多いので、その垣根を越えたいなってところもありますね。生きていて僕は男性で良かったと思うんですけど、歌ってるときは女性的でありたい、みたいな部分は多少あるかもしれない。むしろヴォーカリストとして男女の性別を超える、そこにとらわれないっていう感じですね。

──Novelbrightを一躍有名にしたアクションとして路上ライブがありました。ストリートで歌ったことで自分が成長した一番大きな部分は?

雄大 やっぱりメンタルだと思います。今も全然売れてないですけど、もっともっと売れてなかった路上を初めてすぐのときは本当に誰も立ち止まってくれなくて。相手にもされないことも多かったけど、それでもずっと歌い続けていましたから。あと、当時バイトをしてたんですけど、そのバイトも辞めて“路上ライブで行くぞ!”と決めたときは、1ヵ月間ずっと1日20〜30曲を毎日歌ってたんです。

ワンマンライブを30日連続でやってるみたいな感覚なんで体力的にもしんどいし、のどもおかしくなりそうなときがありました。でも、当時お金がなさすぎて、“これ(路上ライブ)やらんと食えない”みたいな状況だったし、やるしかねぇって自分を窮地に追い込み過酷な状況に身を置けたことによって、そんじょそこらのことではへこたれないようなメンタルが構築できたのかなって。そこが一番大きかったかもしれないですね。

──最近ではバンドだけでなく、一人でロサンゼルスの路上や地下鉄のホームで弾き語りライブをやられてましたよね。あれは武者修行的な意味合いもあったんですか? それとも、もう少しリラックスしてトライした感じ?

雄大 特に武者修行感はなくノリでやってることが多いかもしれないですね(笑)。あまり考え過ぎず、とりあえず思い立ったら何でもやってみようかな、ぐらいの感じでやってます。

──とはいえ、やはりそれは度胸がついてきたという部分もあるんじゃないですか?

雄大 アメリカでも特にびびってしまうみたいなことがなかったので、それは路上ライブで何事にも臆さなくなったことがあるかもしれないですね。まあでも、基本は何でもやってみたいんですよ、僕(笑)。それで一回やってみようかな、みたいな。

──ヴォイストレーニングの経験は?

雄大 2〜3年前にちょっとだけやりました。期間も本当に1年弱ぐらいです。最近は全然してないですけど。

──ヴォイストレーニングをして、一番変わったこと、覚えて得したことはありますか?

雄大 ありますね。やって良かったなと思います。発声練習というか、のどを短時間で起こす方法とか。あとは遠くまで声を飛ばすこと。より遠くの人にまで、しっかり自分の良い部分を見せられるような歌い方を含めて、声の響きとか、声の色気みたいな部分でヴォイストレーニングが自分にとってすごくプラスになりました。

──のどのケアは普段どんなことを?

雄大 加湿器はずっと入ってますね。ステージドリンクは常温の水です。ブランドは特に決めてないですね。

──のど飴は?

雄大 のど飴はいっぱい舐めてます。けっこういろんな種類を舐めるんですけど、龍角散とかボイスケアのど飴(カンロ)とか、マヌカハニー入りなど、わりと無難なものというか、すぐ手に入るものを買ってます。

──龍角散(のどすっきり飴)は、青い袋のですか?

雄大 青と金(120max)、紫(カシス&ブルーベリー)も舐めますけど、これって決めたものがないんですよね。

──自身のYouTubeチャンネルでは、ずっとBlue製のコンデンサーマイク(Bluebird SL)を使ってましたが、あれを選んだ理由は?

雄大 けっこう前に買ったんですけど、コスパが良かったのが一番の理由ですかね。最近はSHUREのSM7Bに変えて、それを使ってます。

──路上ライブのときに使っていたマイクは?

雄大 普通にBETA 58(SHURE)を使ってました。ダイナミックマイクはライブハウス時代にいろいろ試したんですけど、僕は声がフラットに出るSHUREが好きですね。ライブではワイヤレスを使っていて、それもずっとSHUREやったんです。最近ゼンハイザーを使ってみて良かったんで、今はそれなんですけど、けっこういろんな用途で使うマイクはSHUREが多いかなと思います。

SHUREが一番フラットに出るんですよね。僕、ハイトーン(ヴォーカル)って思われがちで、確かにローかハイかと言われればハイのほうが得意なんですけど、声の芯みたいなものはミッドが一番あると思ってるので、自分のミッドの部分が一番しっかりフラットに出るマイクが好きなんです。それで言うとSHUREが合っているのかなと。

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