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ちゃんみな 初の日本武道館ワンマンで圧巻のパフォーマンス「やっと、立つことができた」

2021.11.4

2021年10月15日 @ 日本武道館
テキスト:鈴木 瑞穂(Vocal Magazine Web) 撮影:井手 康郎

10月15日(金)、ちゃんみなのワンマンライブ、『THE PRINCESS PROJECT – FINAL – 』が日本武道館で行なわれた。自身初の日本武道館ワンマンライブであり、本人にとってもファンにとっても待ちに待った1日であった。この日は彼女の誕生日翌日でもあり、“今日のライブは何かが起こるのではないか?”と、会場は開演前から興奮と期待感に包まれていた。

ステージには巨大なお城のセットが組まれており、客電が落ちるとお城が妖艶なネオンピンク色に輝いた。「Princess」のイントロが鳴り響き、お城の大階段の頂上にはゴージャスな金色の玉座が登場。座っているのはピンクの衣装をまとったちゃんみな。

ピンクのハットを目深く被り顔がはっきりと見えないが、それが一層の妖艶さを増し、まるでクレオパトラのよう。間違いなく彼女がこのステージの王女であることを認識させられる。ピンクスーツのダンサーたちも登場し、彼女の背中から何十段もある階段の一番下まで巨大なマントを広げた。そこには大きく“THE PRINCESS PROJECT – FINAL -”と刻印されており、ダイナミックな演出とともに本公演の始まりを確信させた。

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低音ラップを唸らせながら初期の楽曲「FXXKER」、「未成年」、「You can’t win me」を歌い上げ、会場は一気にヒートアップ。

続く3rdアルバム『ハレンチ』収録曲の「ディスタンス」では、舞踏会を思わせるステージで3拍子ワルツの曲調に合わせ、ドレスとスーツを身にまとった男女が踊り出す。玉座から見下ろしていたちゃんみなも男性ダンサーからのエスコートでゆっくりと階段を降り、息の合った情熱的なダンスを披露した。

赤く鋭いレーザーが会場に放たれ、ダークな雰囲気の中「I’m a Pop」、「美人」と続く。スクリーンには「美人」のミュージック・ビデオを想起させる和テイストなリリック・ムービーが映し出され、歌詞のひとつひとつが太くストレートな歌声に乗り、強く響きわたった。

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“日本武道館。やっと立つことができました。皆さまのおかげなんです。改めて、心から感謝を言わせてください。皆さまのために、幼かったあの頃の私のために、心を込めて歌わせていただきます”

MCの最中、ステージ中央にはネオンピンクに光る電話ボックスが登場した。ちゃんみなが中に入り受話器を手にしたところで「Call」がスタート。スクリーンには電話ボックス内の彼女が映り、オーディエンスは電話ボックスの中と外、どちらからも楽しむことができるという粋な演出だ。「CHOCOLATE」で会場の一体感を高めたのち、舞台は暗転し最新アルバム収録曲の「想像力」が始まり、アニメーション映像とポエトリー・リーディング調の曲が合わさったドリーミーな世界観へと引き込んだ。

黒いスパンコールのロングドレスに変身し「She’s Gone」、「As Hell」と続く。大階段のそばの外灯たちに優しく火が灯り、オレンジ色に照らされるちゃんみなは妖艶で、スローテンポでしっとりとしたダンスも彼女の美しさを一層際立たせる。するとステージの炎が吹き出し、「You Made Me」へ。続く「ダリア」では、サビでこぶしの効いた歌いまわしとなり、彼女の心の叫びが剥き出しになった牙のように力強く会場に突き刺さった。

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“私、実は昨日、誕生日だったんです”
そう、この武道館ライブの前日、10月14日はちゃんみなの23歳の誕生日だ。
“でも、今日のことを考えたら、ぶっちゃけ誕生日どころではなくって(笑)。でも早く皆さまにこの景色を見せたいと思って楽しみにしてきました。新しいアルバム、聴いてくれましたか?”

大きな拍手に包まれながら、最新アルバムのリード曲「ハレンチ」、そして「太陽」を披露。ピンクの愛用ギター、“ジュリー”を構えロックスターさながらのステージングで魅せつけると、ステージ上空から白いシルクが降りてきて、パフォーマーによる美しいエアリアルシルクが始まった。大空へ自由に羽ばたく様子はちゃんみなの未来をも感じさせる、味わい深い演出であった。

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「ホワイトキック」では、全身ピンク色の猫姿になったちゃんみなが登場。あくびや手招きする仕草のひとつひとつがとてもキュートで、サビではダンサーたちと共にしっぽをふりふりするようなダンスで、可愛さのあまり観客席のペンライトが揺れまくる嵐が巻き起こった。

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そして“踊れ!!!”と力強く言い放つと「Doctor」、「Picky」をパワフルに熱唱。追い討ちをかけるように「ボイスメモ No. 5」が続き、明らかに会場のボルテージが爆上がりした。「BEST BOY FRIEND」ではソロ・ステージとなり、羽織っていたピンクのファーを脱ぎ捨て、ステージの袖を端から端まで堂々と動きながらパンチのあるラップを殺烈させた。

続いて、円型ステージにセットされたベッドに座る恋人役のダンサーのもとへ歩いていく。「Never」の曲調に合わせ、ゆっくりと絡み始め、近づき、離れ、翻弄し合う二人。恋愛映画を観ているような情熱的でロマンティックなパフォーマンスには、思わず息を呑み釘付けになってしまった。

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「君からの贈り物」では、ピンクのジャケットとワイドパンツに黒のサングラスという格好でバブリーな雰囲気の中、派手な衣装のダンサーたちとキレッキレのダンスを披露し、武道館がディスコと化した。“みんな最後まで楽しんでね!”そう言って「Angel」、「Never Grow Up」をエネルギッシュに歌い切った。

“代官山での初ライブから始まって、THE PRINCESS PROJECTも1から5と続き、今日でファイナルです。私は昔から“プリンセスになりたい”という夢があって、ツアーもこのタイトルにしました。でも、もうその先を目指したいと思って、今回を“FINAL”と名づけました。心からありがとう。皆さまのこと、心から愛してる”

ステージ背後に光輝く巨大な東京タワーが映し出された。エレクトリックなシンセ・サウンドから「東京女子」がスタートし、曲の終盤ではちゃんみながダンサーと共にエアリアルフープに乗り、宙を舞った。東京の夜空に浮かぶ月のような幻想的な演出に拍手が巻き起こる。

“あっという間に最後の曲です。一緒に心の中で歌ってね!”

ラストを飾る「花火」。サビの盛り上がりとともにステージから花火があがる。《いつまでも忘れないで》そのフレーズが、このライブにおける彼女のメッセージにも聞こえ、まだ終わってほしくないとオーディエンスの心を引き止める。

会場は大きな拍手、そしてネオンピンクのプリンセスライトに包まれた。アンコールでは“ありがとう!”という声とともにちゃんみなが再び登場し「LADY」、「OVER」を続けて披露した。

“何回も言っちゃうけれど、代官山ライブから始まって武道館なんて、本当信じられない。桃太郎みたいにだんだんと仲間も増えていって、きび団子はあげてないけど(笑)。そして今、あなたにも会えて、あなたにも会えて”
ゆっくりと会場を見渡し、思わず涙ぐむ。会場も大きな拍手で応える。
“ありがとう。ここまでのプロジェクトを支えてくれた、皆さまのことを想って、心から最後の曲を歌います”

アンコール最後の曲「SAD SONG」が始まった。“JUMP!”という掛け声に合わせオーディエンスもジャンプ。最高潮の盛り上がりに達し、終わりを迎えた。

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マイクをはずし肉声で“ありがとうございました!”と叫び、出演者全員で一列に並び深くお辞儀をした。

“まだまだ終われないよ。一緒に大きな夢を追いかけて生きていこうね!”

ゆっくりと階段をのぼり、頂上の玉座に腰かける。スクリーンには彼女の姿と、世界中の言語で次々と感謝の言葉が映し出された。最後は母語である韓国語が表示され、玉座と共にゆっくりとステージ下へ、本公演は幕を閉じた。

“プリンセスになりたい”と言っていたちゃんみなは、THE PRINCESS PROJECTを通したくさんの歌声とメッセージを世に届け、そして成長を遂げていった。今回をファイナルと称しTHE PRINCESS PROJECTに終止符を打ち、新たなるステージへ進むことを決心した彼女は、この先どんな景色を見せてくれるのだろう。そんな希望と未来に満ち溢れた彼女のこれからを一緒に追いかけていきたい。

セットリスト

『THE PRINCESS PROJECT – FINAL – 』2021年10月15日(金)at 日本武道館
01. Princess
02. メドレー(FXXKER 〜 未成年 〜 You can’t win me)
03. ディスタンス
04. I’m a Pop
05. 美人
06. Call
07. CHOCOLATE
08. 想像力
09. She’s Gone
10. As Hell
11. You made me
12. ダリア
13. ハレンチ
14. 太陽
15. ホワイトキック
16. Doctor
17. Picky
18. ボイスメモ No. 5
19. BEST BOY FRIEND
20. Never
21. 君からの贈り物
22. Angel
23. Never Grow Up
24. 東京女子
25. 花火
En1. メドレー(LADY 〜 OVER)
En2. SAD SONG

リリース情報

3rd FULL ALBUM『ハレンチ』
2021年10月13日(水)発売

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【初回限定盤(CD+DVD)】
4,620円(税込)/WPZL-31896/7

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【通常盤(CD)】
3,300円(税込)/WPCL-13326 

<収録曲> ※通常盤・初回限定盤共通CD 
01. 太陽
02. Angel
03. 君からの贈り物
04. ハレンチ
05. ボイスメモ No. 5
06. ホワイトキック
07. ピリオド
08. Picky
09. 想像力
10. 東京女子
11. ディスタンス
12. Morning mood
13. ^_^
14. 美人
15. 花火
16. Never Grow Up (Acoustic Version)

<初回限定盤付属DVD> 
『THE PRINCESS PROJECT 5 』2021年5月25日(火) at 中野サンプラザホール
-Day-
01. Angel
02. LIGHT IT UP
03. Very Nice To Meet You
04. Needy
05. 美人
06. ダリア
-Night-
07. Rainy Friday
08. Princess
09. Never Grow Up
10. ダリア

関連リンク

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