バンド・ヴォーカリストのためのアーティキュレーション大作戦!【集中連載】『ロック・ヴォーカリスト“THE BIBLE”』Vol.4

文:本山nackeyナオト(SMDボーカル教室)

表情筋と舌筋を鍛えるトレーニング

1:梅干し顔とびっくり顔

①:まずはみんなができる最大の表情筋を使って、ギュっと目を閉じてみよう。頬っぺたの筋肉を意識して口もなるべくすぼめる。

②:そう、超酸っぱい梅干しを食べたときのイメージだ。そのまま1秒間キープ。

③:その後、顔をできるだけ開ける。さっきと真逆だ。目も見開き、口も大きめに開けてみよう。そのまま1秒間キープ。

④:顔の筋肉が熱くなり、顔の筋肉の存在が実感できる。ちゃんと顔周りの筋肉が動いていることを実感してね。1レッスン3セット。毎日やってみよう。

 さて、ここからが、この連載がホントにヴォーカリストのためになるアーティキュレーションレッスンだ。3セット終わったら、のどを開くイメージをしながら、表情を開きレガートで発声する。声量もリンクさせていこう。これも動画を参考にしてほしい。

動画③:「梅干し顔とびっくり顔」から「レガート発声」

動画③:「梅干し顔とびっくり顔」から「レガート発声」

2:笑顔をキープ!からスタッカート発声

 まずは、みんなができる最高の笑顔で、思いっきり笑ってみてほしい。顔の筋肉を鍛えるため、人に見られると恥ずかしいぐらい、顔をくしゃくしゃにして笑ってみよう。先ほどと同様、顔の筋肉が熱くなり、キープすることに疲れてくるよね。これも3回は繰り返してね。

 思いっきり笑うことは、(たとえ無理やりでも)心を軽くする効能が認められているのだ。さらに口周りの筋肉を鍛える上で効果的な方法でもある。やる気さえあればどこでも簡単にできるので、ぜひ毎日トレーニングしてみよう(人前ではやらないほうがいいよ( ´艸`))。

 そして今回習ったスタッカーティシモで、HA・HA・HA……と発声練習だ。これも動画をみて参考にしてほしい。

動画④笑顔をキープ!からスタッカート発声

動画④笑顔をキープ!からスタッカート発声

3:楽しく割り箸を使って表情筋トレ! 舌根を下げよう

 先ほどもお伝えしたとおり、口を開くときに使う表情筋は舌筋と密接した関係にある。舌根を下げるコントロールが、のどの開きにも通じハイトーン発声にも繋がる。

1:割っていない状態の割り箸を2本用意する
2: 割り箸の太い側を奥歯で軽く噛む。このとき対面から見て割り箸は「ハ」の字を描いている
3:この状態で《LA・LA・LA……》とスタッカートで発声しよう

 こちらも動画を参考にしてほしい。

動画⑤「楽しく割り箸を使って表情筋トレ! 舌根を下げてLA・LA・LA 」

動画⑤「楽しく割り箸を使って表情筋トレ! 舌根を下げてLA・LA・LA 」

4:頭のてっぺんから思いっきり舌を出す!?

 滑舌は「なめらかな舌」と書くことからもわかるように、舌をスムーズにコントロールできるかが大きい。「舌筋」と呼ばれる舌の筋肉を鍛え、また柔らかくすることで、舌がなめらかに動くようになり、のどの開きのコントロールもでき、ハイトーン発声や滑舌も良くなるのだ。

 そのトレーニング方法は「頭のてっぺんから思いっきり舌を出すんだ!!」
 まあ、これはみんなに興味を持ってもらいたいからのタイトルで、実際に頭から舌が出るわけないよね。

①:天井を見るように平行に上を向く
②:天井に向けてできるだけ舌を突き出す
③:小さな声&ファルセットで《HE-》とレガート発声
④:5秒後、ストレッチ
⑥:①〜③を3回ほどくり返す

 以上の流れで実践してみてね。これも動画を作ったので参考にしてほしい。

動画⑥「頭から舌を出せ!!」

動画⑥「頭から舌を出せ!!」

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