
文:本山nackeyナオト(SMDボーカル教室)
バンド・ヴォーカリストに必要なボイトレの知識2
〜リズム/グルーヴ感の養成、シンコペーションについて〜
さて、次は無敵のグルーヴ感養成! リズムについてだ。ロックヴォーカリスト必修テクニックの【シンコペーション】についてレクチャーしよう。ヴォーカリストのみならず、バンドメンバー全員でしっかり理解&練習してほしい。
【シンコペーション】って何?
「そこ、食って!」──バンド出身の筆者としては、オリジナルを創る際、ホントによく使った言葉だ。何を食べるのか? 前のリズムを食べるのだ。
「ナンノコッチャ??」だよね。でも、このあとの動画を観てくれれば、一発でわかるよ。
「シンコペーション」=「クい」で理解してOKだ。「シンコペーション」とは、リズムのアクセントに関する音楽用語で、 拍の裏にアクセントが入ることを言う。
具体的には「本来のアタック」とは違った場所にアタックをして、通常とは違ったリズムのグルーヴ感を生み出すことを言うのだ。
この「シンコペーション」を使うと、楽曲が途端にカッコよくロックテイストになることがある。
【裏拍】って何?
裏拍とは何か説明しよう。「1(ワン)、2(ツー)、3(スリー)、4(フォー)」と拍の“表(オモテ)”でカウントを取る場合、それに対して拍の裏とは「1(ワンエンド)&2(トゥーエンド)&3(スリーエンド)&4(フォーエンド)&」のように、「&」の部分を”裏(ウラ)”という。映像を観ると一発でわかるので、ご参考に。
動画③:「裏拍とは」
「シンコペーション」=「クい」は、バンドの、特にオリジナルを創るとき、会話の中でホントよく使う。ここでバンド出身の筆者や音楽関係者が、こう使うと「ワカッテイルネ~」と感じる使い方を伝授しよう。
「そこクッて!」
「サビでクッて入るよ」
「そこは、16分でクッてみようよ」
「ここのブレイクはクいで」
「サビ頭(入り口)のクう場所、みんなバラバラだね。しっかり合わせようよ!」とか。
サビとは、楽曲の一番盛り上がるところだよね。そこのリズムがバラバラで合ってないから、みんなちゃんと合わせて(正確なリズム、気持ちをひとつにして)プレイしようということだね。
この「シンコペーション」がバンド全体でビシッと決まると、安定感もグルーヴ感も出てバンド全体がうまく聴こえる。
ここで、こんな童謡も「シンコペーション」を使うと途端にカッコよくなる実例を聴いてほしい。