歌は自分自身にスイッチが入っていないと伝わらない

−歌う上で、普段からケアの面で気をつけていることはありますか？

高木　ベースだけやっているときは、例えば飛行機で「 この中にお医者さんはいますか？」みたいな感じで、「この中にベーシストはいますか？」というシチュエーションでも最高の演奏ができるのが自分のスタイルで信条だと思っていたんです。だからライブ前にルーティンを設けたりもしなかったし、オンとオフを瞬時に切り替えられるイメージでやっていたんですけど、歌に関しては逆ですね。ベースと違って、ウォーミングアップに時間がかかる。特別なことはしていませんが、普通にストレッチしたりとか、ライブ前に一応声出しをしたりします。あと、ベースを弾いて何かを人に伝えるって、歌に比べると抽象性が高い……歌は言葉があるので、相手にそのまま伝わる分、言い方を変えればごまかしが効かないですよね。だから、僕としてはベースも歌も変わらない気持ちでやっているけれど、やっぱり歌は、同じ歌詞を歌うとしても、自分自身にスイッチが入っていないと伝わらないというのは、歌っていく中で気づいたことですね。

−フロントマンとしての責任を背負う部分もありますよね。

高木　そうなんですよね。例えばサポートでベースを弾いているときって、ステージでのセッションが生んだ熱をお客さんに伝染するイメージでやっているんですけど、フロントに立つと、エネルギーを送る方向が、お客さんとバンドの両方になる。歌うことになってから、だんだん客席にエネルギーを向ける感じを、大事に思い始めてきて。そのためにスイッチを入れないといけないので、ルーティンみたいなことは、ちょっと設けるようになりましたね。

−最新アルバム『AVEANTIN』を聴いても、作品がアップデートされているような印象を受けましたが、そういう高木さんの意識も影響しているように思います。

高木　まさに“アップデート”です。制作については、本質はずっと変わってなくて、本当に自分が面白い音楽、自分が聴きたいと思う音楽、自分がわくわくできる音楽を作っています。今回の『AVEANTIN』からメジャーリリースになったわけですが、それも自分たちの音楽を続けていく中での地続きだし。ちょうど、ツアーも終わったところですが、「BREIMEN、メジャーレーベルに行って変わったね」という意見は一つも聞いていなくて、それはすごく良かったなと思いました。自分が全然変わってないと思っていても、受け取る側が判断する部分だから。

Maestraudio MAPro1000

　Maestraudioは、群馬県高崎市に本拠を構えるメーカー、オーツェイドのイヤモニ（IEM）ブランド。圧電セラミックスを使用した技術に長けており、それをIEMに応用することで広いサウンドステージ表現を得意とする。

　MAPro1000は、Maestraudio製IEMならではの広いサウンドステージ表現を維持したまま、より快適に耳にフィットする筐体設計を目指して開発した、新IEMシリーズ「MAPro」の第１弾製品。イヤーピースだけで本体を支えず筐体形状で耳に対し固定することで、耳道の負担を軽減し、より快適なフィッティングと遮音性向上を同時に実現し、動いてもズレにくい上、長時間の使用でも耳道への負担が少なく疲れにくい設計となっている。

　MAPro1000のドライバーは、深く沈み込む低域再生を実現する10mm径グラフェンコートダイナミックドライバーに加え、独自技術のパッシブ型セラミックコートツィーターとして新開発の5.8mm径RST（Reactive Sympathetic Tweeter）を初搭載。ハイブリッドドライバー構成を採用し、小型軽量な筐体ながらも広いサウンドステージと音に包まれるようなイマーシブサウンドを実現する。

MAPro1000 製品ページ：https://www.aiuto-jp.co.jp/products/product_5002.php
オンラインショップ（Amazon.co.jp）：https://amzn.asia/d/01MSNsIj

BREIMEN

5人組オルタナティブファンクバンド。2020年2月に1stアルバム『TITY』をリリース以降、多くの著名人やプレイヤーから称賛を受け、2022年にはASIAN KUNG-FU GENERATION後藤正文主催の「APPLE VINEGAR -Music Award- 2022」において特別賞を受賞。2022年には岡野昭仁×井口理「MELODY(prod.by BREIMEN)」を 高木祥太（b、vo）が作詞・作曲、BREIMENメンバーが編曲・演奏に参加。2024年には通算4作目となるアルバム『AVEANTIN』でAriora Japanよりメジャーデビュー。続くツアー『AVEANTING』も盛況のうちに終了。6月28日(金)にはKT Zepp Yokohamaでの追加公演を行う。

オフィシャルWebサイト：https://www.brei.men

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