高木祥太(BREIMEN) が試す1万4千円のイヤモニ=MAPro1000 〜体感を含めた“ステージのフラット感”に近い
2024.06.26
国産で14,300円という衝撃的な価格を実現したMaestraudio(マエストローディオ)のインイヤーモニター(イヤモニ)MAPro1000(エムエープロ・セン)。サウンド面でも、独自の圧電セラミックス技術「RST」(Reactive Sympathetic Tweeter)を生かして、イヤモニでありながら空間の再現に優れた仕上がりを実現しているという。
ヴォーカル・マガジンWebでは、MAPro1000の3色のラインナップにちなみ、3人のヴォーカリストにこのMAPro1000を試していただくことに。第1弾は、オルタナティブ・ファンクバンドBREIMENのフロントを務める高木祥太(vo、b)が登場。Boost RedカラーのMAPro1000を早速試聴してもらった。
取材・文:編集部、人物撮影:小原啓樹
Maestraudio MAPro1000
14,300円(各色)
ヴォーカルの硬さの出るところがちょうどよく整えられている
−MAPro1000、早速試聴していただいた印象はいかがでしょうか?
高木 いいです。サイズはコンパクトなのに、サウンドはパワフル。特に低域がパワフルですが、レンジ感のバランスがすごくいいです。
−普段はどんなイヤモニをお使いなのでしょうか?
高木 BREIMENでヴォーカル&ベースのときに使っているのは、耳の型取りをしたカスタムモデルです。ベーシストやドラマーがよく使っているタイプを試してみたのですが、それだとパワフル過ぎて歌が前に出てこないように感じたので、ドライバーが1つ少ないタイプにしました。MAPro1000は、その意味で言うと低域のパワフル感がちょうど良いと思います。また、ヴォーカルの硬さの出るところが、ちょうどよく整えられている。普段のステージでも、モニターエンジニアにすごく細かく相談して音決めをしている部分なんです。
−カスタムタイプのイヤモニを使っていらっしゃると、MAPro1000のようなユニバーサルタイプ(自分に合うイヤーピースを装着して使うタイプ)を使う機会はあまりないのでは?
高木 そんなことはないですね。カスタムタイプでトラブルがあったときに予備がないと困るし。MAPro1000の価格なら、壊れても買い直せるし、このサウンドに正直びっくりしました。1万4000円って聞いてから試聴するとなおさらです。一時期、周りのミュージシャンの間で、8,000円くらいのイヤホンをイヤモニに使うのが流行していていたんです。記憶にある印象では、それよりもMAPro1000は遥かに音が繊細に聴こえる。普通に即戦力ですね。他社の同じ価格帯の製品も使ったことがありますが、試したものは価格相応というイメージでした。MAPro1000は、カスタムモデルから比べると数分の1の価格ですが、クオリティ的には10万円クラスのものに迫っていると思います。(スマホでMaestaudioを調べる)このMA910Sというモデルとは何が違うんですか?
−MAPro1000ではフィット感を向上するために、ノズルを斜めにして、サイズを小さくしたそうです。また、小さくしてもサウンドが損なわれないような工夫がされているとのことでした。
高木 世の中のものがどんどん小さくなっていきますよね。それに合わせて……よくない言い方ですけど、ちゃちというか、安っぽく見えてきたりもする。MAPro1000も、手に取った瞬間はこんなに小さくて大丈夫かな?と思ったんですが、聴いてみるとすごく良くて驚きました。解像度がめちゃめちゃ高くて、細かいところが聴き取れます。
−先ほど8,000円のイヤホンの話もありましたが、普段のイヤホンの使い分けはどのように?
高木 ベース&ヴォーカルのときはカスタムタイプで、ベースだけでほかのミュージシャンのサポートに入るときはもう少しパワフルなもの。あと、普段のミックスの確認にはApple AirPods Proを使っています。嫌な色付けがなく、みんなが使っているから、ある種の基準として。でも、MAPro1000で聴いていると、AirPods Proでは聴こえなかった部分まで聴こえてきて、音楽を楽しく聴ける感じがある。だからリスニング用としてもおすすめできると思います。
Maestraudio MAPro1000
14,300円(各色)