
取材・文:藤井 徹(Vocal Magazine Web)
オリジナル曲「Life」に込めた想い
「Life」あゆぴこ
配信リンク:https://linkco.re/f27X55Mz
──オリジナルソング「Life」についても聞かせてください。こちらはColorSingの特典として楽曲制作されたとのことですね。
あゆぴこ はい。ColorSingのイベントがあって、そこで勝つと歌を制作してもらえるんです。
──楽曲を制作するにあたり、作家陣とどんな打ち合わせをされましたか?
あゆぴこ 最初に誰を主語にした歌詞にしていきたいとか、どんなメロディにしたいのかを文章で伝えてから作家さんとオンラインでお話ししました。そこで「こんなスタイルの歌がいい」とか、「メッセージとしてはこういう言葉を伝えたい」とコミュニケーションを取りながら曲を作っていただきました。
──あゆぴこさんの個性にとても合っていて、まるで自作曲なんじゃないかと思うほど、ピッタリの曲ですよね。
あゆぴこ ありがとうございます! 作家さんにも「ここまで歌に対して真っ直ぐに来てくださった方、練習してきてくださった方は初めてでした」と言われました。私もそうですが、やっぱりライブ配信は雑談から入るもので、正直「自分の歌なんて聴いてもらうところではないんじゃないかな」と思っていた部分もあったんです。でも、応援してくれたリスナーさんとみんなで勝ち取ったんだから、「ガッツリ自分の本当に歌いたい曲を作りたいよね」っていう気持ちがあって、この歌に懸けたっていうところもありました。
──歌詞にもご自身の想いがかなり反映されているのですか?
あゆぴこ そうですね。ライブ配信って自分が見つかる場所だと思ったんです。「何て言われたら悲しいな」とか、「こんなふうに思う自分がいるんだ」ということに気づけて。「じゃあ自分はどうしたいのか?」と投げかけている。ライブ配信ではそんな自分を探す旅をしていて、その中にいろんな人が混じってきて、いろいろ感じることがいっぱいあるなと。それを打ち合わせで言葉にしながら淡々とお話しつつ「こんな感じで」って(笑)。作ってくださった方の、「こんな構成にしましょうね」という文章もすごくうまくて、それがきっとマッチしたんだと思いますね。
──レコーディングに挑むまでは、どのぐらいの準備期間があったんですか?
あゆぴこ 1ヵ月もないぐらいで結構ハードだったんですよね。作る時間は結構あったんですけど、覚えるほうの期間が少なかった記憶がありますね。
──曲をもらって、難しいなと思いました?
あゆぴこ ボカロで仮歌が入ってたんで、ちょっと待ってよ!みたいな(笑)。自分の歌をもともと聴いてくださった方だったんで、さすがにボカロで来ると思わなくて(笑)。「この歌をどう私の声で響かせよう?」っていうのは感じましたね。ただ、自分の造形する想いというものは確固としてあったので、落とし込むというか想像する作業はラクでした。「ああ、いいな」って思いながら毎日聴いていましたね。最初は鼻歌で、そのうち口ずさめるようになってきて。レコーディングのときにはディレクターさんから「そこまで感情を入れなくていいから」みたいに言われて……いや、わかるんです。全然わかる!と思いながら、所どころちょっと感情が入ってしまうっていう(笑)。
──オリジナルってやっぱり難しいんだなって思いますよね、その点で。
あゆぴこ 難しいです。でも、すごく良かったですし、いい経験をさせてもらいました。
──レコーディングはうまく進みました?
あゆぴこ そうですね。4時間くらい枠を取ってくれたんですけど、1時間もしないくらいで終わりました。もうちょっと歌っていたかったなって思ったくらい(笑)。
──とはいえ、「Life」は、かなり高カロリーな曲ですよね。
あゆぴこ そうですね。「歌ってみると難しかった」と言われることが多いかもしれないです。事務所のアーティストさんが覚えて歌ってくれるんですけど、最初から歌えた方はほぼいないですし、やっぱり難しかったみたいですね。
──最初の低いところがちゃんと出ないと、平歌のとことは響かないですし。とは言え、サビのところでハイトーンもしっかり出ていかないとダイナミクスが生まれないですしね。
あゆぴこ いや、すごい。そうやって聴いてくださってる方は初めてでした。嬉しい。
──低い声の安定感は、あゆぴこさんの売りですよね。
あゆぴこ そうです、そうです。売りですね。変な癖も売りです(笑)。
──後半のフェイクはアドリブですか?
あゆぴこ デモには入ってなかったので、自分で何個かパターンを録って完成させました。「この感じどうですか?」みたいに確かめながら歌いましたね。
──この曲はライブでも歌っているんですか?
あゆぴこ はい。もうガッツリ歌わせていただいていますし、自分の曲っていうのが染み込んできていますね。ありがたいことに、聴いてくださってる方もなにげに多くなってきていて嬉しいです。