司会:美玖 空
取材・文:田代智衣里(Vocal Magazine Web)
Adoの新曲「いばら」が、5月9日(火)に配信リリースされた。本作は、Adoとは二度目のコラボとなるVaundyによる提供曲となっており、夢を追いかける人々の背中を押す応援歌だ。リリースに伴い、複数のメディアを迎えた合同インタビューが行なわれた。
Adoは、ヴォーカル・マガジン・ウェブ読者アンケートの『憧れのヴォーカリスト』で玉置浩二に次ぐ第2位の支持を得ている。待望のインタビューとなる今回、ヴォーカル・マガジン・ウェブでは歌唱アプローチについて聞いた。
最新曲「いばら」の楽曲とミュージックビデオに関するエピソードのほか、今ハマっている曲、『マーズ』ツアーに向かう近況などを語った最新インタビューをお届けする。
夢を追いかけてる年代問わずの皆様には、きっと刺さるものがある
──2月に配信リリースされた「アタシは問題作」から約3ヵ月ぶりのリリースとなりますが、最近はいかがお過ごしですか?
Ado 最近はツアーも近くなりつつあるので、ツアーのためのライブの準備をやっていかないといけないという気持ちと、同時進行でレコーディングをしなくてはならないのもありまして。あっという間に5月で、4月はどこ行っちゃったんだろう?(笑)と思っています。
──ツアー(『Ado 全国ツアー2023「マーズ」』)の1発目はもう来月ですもんね。そんな中で私はAdoさんのオールナイトニッポンに笑わせていただいてるんですけど、ラジオというまたちょっと違った形でみなさんと接する機会はいかがですか?
Ado 生放送ということもありますし、初めはとても緊張したのですが、だんだん回を重ねるごとに慣れてきた部分もあります。まだまだですけれども、もうちょっと頑張りたいなと。やっぱり、歌としゃべることは、同じ声を使うものでも全然やりがいが違うんだなと思いました。
──どんどんAdoさんワールドになっていますよね。Adoさんが紡ぎ出す音楽の世界観と瞬発的に出るワードセンスに、ファンの方もやられちゃってるんじゃないかなと思います。そんな中で、5月9日には『めざましテレビ』の新テーマソング「いばら」がリリースとなりますが、どんな楽曲でしょうか?
Ado 「いばら」はVaundyさんに楽曲提供していただきました。Vaundyさんとは『ONE PIECE FILM RED』の「逆光」以来2回目で、皆様もご存知の通り、Vaundyさんは本当に多才な方だなと改めて思いました。
「逆光」では激しいロックなサウンドを仕上げてくださり、すごく驚きましたが、今回の「いばら」も同じくロックではあるのですが、「逆光」とはまた違った希望に満ち足りているソウルフルなロックに仕上げてくださいました。しかも、ご自身の楽曲もロックな楽曲から、シティポップの楽曲などさまざまなことをやられているので、やっぱりとんでもない才能をお持ちだなと。改めて「いばら」を聴いたとき、歌わせていただいたときに感じました。
あと、この「いばら」という楽曲は今回30周年を迎える『めざましテレビ』の新テーマソングにもなっていて、朝という時間帯、朝というキーワード、朝という情景にスポットを当てた楽曲にもなっています。Vaundyさんはこの“朝”という一番希望に満ちていてほしい瞬間の情景を、楽曲に落とし込むのがすごく上手だなと思いました。
“どんなに辛いことがあっても、必ず自分の思いを忘れずに進めば、きっとあなたに朝は来る”という熱いメッセージが込められている楽曲ですので、皆様にぜひ聴いていただきたいなと思っています。
また、夢を追いかけている学生の方も『めざましテレビ』を観る方が多いと思いますし、現に私もそうでした。朝にニュース番組を見て通学するという中学高校時代を送っていたので、頑張っている皆様に特に聴いていただきたい楽曲ですね。
──今回、Adoさんは30周年という長い歴史がある『めざましテレビ』の新テーマソングを担当されますが、オファーを受けたときの感想はいかがでしたか?
Ado “えっ!なぜ私なんだろう?”って。そんなことないとおっしゃってくださる方もいらっしゃるかもしれませんが、Ado=朝の番組に結び付くことって、なかなか異例というか、珍しいことなのかなと思います……。Adoの声を果たして朝から聴きたいのか……?と。
──いや、聴きたい聴きたい!
Ado 陰(いん)な性格だったり、Adoとしての活動でも陰(いん)な部分、陰(いん)であり陰(かげ)であり、内側である部分を歌ってきたので、朝という一番エネルギーが必要で、心が気持ちいい部分にAdoが入ってきていいものなのか……?というのが率直な感想として思い浮かびました。もちろん、ありがたいという気持ちが大前提にあり、ありがたいからこそ、ちょっと不安だな、大丈夫なのかな……?という感想が浮かび上がりましたね。
──そうだったんですね。でもきっと、皆さん毎日聴くことによって、どんどんエネルギーをチャージされるんじゃないかなと思います。今回Vaundyさんは楽曲の作詞作曲をどちらも担当していますが、歌詞を読んだときはどんな印象でしたか?
Ado 言葉で刺してくる感じでしょうか。もう、歌というものを超えたメッセージというか、本当に心の訴えが伝わってくる感じがすごくありました。それこそ私が夢を追いかけている高校生のときにこの言葉たちに出会っていたら、きっともっともっと励みになるだろうなって思いましたね。学生の皆様だったり、それ以外にも夢を追いかけてる年代問わず、皆様にもきっと刺さるものがあるだろうなと思いました。