【インタビュー】Adoが語る、Vaundy提供の最新曲「いばら」と『マーズ』ツアーに向かう近況。“歌詞を重視して、歌の感情や声質の表現を使い分けている”

司会:美玖 空
取材・文:田代智衣里(Vocal Magazine Web)

歌詞を重視して、歌の感情や声質の表現を使い分けている

──私が「いばら」の歌詞を読んでイメージしたのは希望のようなポジティブなものでしたが、Adoさんがイメージしたのはどんなことでしたか?

Ado 私が思い浮かんだのも、まさに“希望”です。どれだけ背中を押してくれるのかというぐらい元気になれる楽曲ですし、本当に元気がないときにも手を差し伸べてくれる楽曲になるだろうなと思いました。

──ミュージックビデオも同じく5月9日から公開となりますが、どんな作品になっていますか?

Ado 映像はてんてこさん(絵師)にイラストを担当していただいたのですが、色使いだったり絵柄がすごく好きで、もともと私はてんてこさんのTwitterなどでイラストを個人的に拝見していました。特に今回の「いばら」は、てんてこさんのポップな絵柄やイラストの中に、私がイメージしていた青色を最大限に表現してくださって、楽曲のイメージにも合うし、素晴らしいMVを仕上げてくださいました。

そして、ひとりの少女が傷や恐れを抱えながらも立ち向かって、自らの足で歩いていく姿も、何かを追いかけて頑張っている人たちにとっては自分という存在と重なる部分があるのかなと思っています。本当に強いメッセージを描いてくださいました。

【Ado】いばら

──Adoさんは、“元気がない朝は必ずこれをする”というような、エネルギーチャージのために行なうルーティンはありますか?

Ado ハマっている曲を聴くことでしょうか。1週間前はこれを聴いてたくせに、もう今週は全然違う曲を聴いてることもあって……いろんな系統の曲を聴くので、日によって聴くものが本当にバラバラです。今ハマっているのは、ボカロ楽曲ですとパトリチェフさんの「ROUTE 23」という楽曲です。J-POPはアイドルのWinkさん、カヒミ・カリィさんの「ハミングがきこえる」、中森明菜さんなど。時代を彩ってくださったアイドルの皆様を聴いたりしてますね。

──ジャンルも年代も幅広いんですね。

Ado あとはWinkさんなどの楽曲を、リマスターとはまた違う別の方が楽曲をリミックスして、シティポップにアレンジしたものをよく聴いています。その音楽の影響なのか、最近観ているアニメや動画も70〜80年代の作品がすごく多くて。このままいくと服装とかも全部変わってしまいそうです(笑)。

──やっぱりAdoさんにとって、元気のない朝にすることとなると音楽なんですね。Adoさんは本当にいろんな歌い方、声の出し方をされますが、歌唱アプローチを選択する際に重視することはなんですか? 例えば、歌詞を重視して感情で選ぶ、音を重視して声の質感で選ぶなどです。

Ado 私は基本的に歌唱する際、いざレコーディングに入るときに大事にしている部分は、やっぱり例にもある通り“歌詞”ですね。歌詞を重視して、歌の感情や声質の表現を使い分けています。

──そこにおいてはかなり悩まれるんですか? それともスパッと出てくるものなのですか?

Ado わりとスパッと出てくるのですが、録り終わって全部一旦聴いてみるときに、本当にこれでいいのかな……?と不安みたいなものがあったり、この表現方法はやりすぎなんじゃないか?と思って、あえて変えてみたり。初めに録音するときや、(レコーディングに

)入るときはまったく悩むことはないのですが、いざこれで完成ですっていうときに、データ納品前に改めて確認すると、“うーん、このままじゃ良くない気がする”と疑問を持ってしまうところがあって、ちょっと悩みかけるみたいなことは最近増えましたね。

──表現の幅が増えている分の悩みでもあるんですかね。でも、リリースはリリースで一度出すのでしょうか。

Ado そうですね。結局は自分が納得するところに落ち着いて、リリースするという。悩んだままのデータを納品することはないですね。

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