取材・文:鈴木瑞穂(Vocal Magazine Web)
教えて!ヴォーカリストのこだわり
リリースインタビューはお楽しみいただけましたか? ここからは佐藤千亜妃さんのヴォーカリストのこだわりを深堀りしていきます。
◆マイク
◎持っているマイクの本数
9本です。全部同時に使ってるわけではなくて、今までのいろんな歴史も含めて家にあるのが9本で、ダイナミックオンリーです。
◎使い分けについて
ロケーションによって変えているというより、単純に時代によってアップデートしてきていて。もちろん部屋で宅録するのとライブで使うマイクは違うんですけど。ライブはコンデンサーで、ダイナミック型のコンデンサーマイクを借りて使っています。宅録では今ゼンハイザーのE935とE945を使っていて、けっこう声がブライトに入って、ちょっと近くで鳴ってる感じのウィスパーな声で録れるんです。
歌のレコーディングでノイマンのコンデンサーマイクをよく使わせてもらってるんですけど、宅録でEQを自分の好みに持ってくときにノイマンっぽくできるのが自分の持ってる中だとゼンハイザーで。EQをちょっと上げるとすごい好きな音になるので、デモを録るときはゼンハイザーです。あと、ライブでも弾き語りをやるときはテレフンケンのM80を使ってますね。
◎初めて買ったマイク
今宅録で使ってるゼンハイザーです。そこからSHUREのBETAの57と58にいって。きのこ帝国デビュー初期〜中期には、57のボディに丸いグリルを付け替えて使ってました。それからテレフンケンにいって。
ゼンハイザーの最初に買ったマイクはE935かE945の1本だけだったんですけど、こっちもいいらしいよって聞いてから、もうひとつのほうも買って使い比べたりしてました。時代ごとにアップデートしていく中で、最初に買ったマイクの使いどころがなくてもったいないなと思ったので、宅録用にした感じでしたね。意外とまんべんなく使ってます。
◎マイクを選ぶときのチェックポイント
自分が聴かせたい帯域ってあると思うんですけど、そこをちゃんと持ち上げてくれるマイクを選ぶようにしていて。絶対試奏してから買うようにしてます。あと人が使ってるのを見たり、前評判が良いのはすぐ買うこともありますけど。BETAの58とかは試奏もそんなせず買った気がします。ゼンハイザーとテレフンケンは試奏してからかな。ヘッドホンで試奏できるので、お店に行って買うようにしてます。
◆喉ケア
喉ケアはシチュエーションにもよるんですけど、冬は特に気を使ってます。乾燥していて喉の調子が心配だなっていう日は、ドラッグストアとかで売っている『麦門冬湯』という漢方をお湯に溶かして、少しだけ飲んでます。喉が潤って、ちょっと温かくなるんです。あとスポーツ用のアイシングで使う氷のうにお湯を入れて喉を温めたりとか。やっぱり筋肉なので声帯まわりも温めてケアするようにしていて。ライブが終わったあとは逆に熱で炎症しちゃうので、氷や水を入れたりして冷やします。
◆身体のストレッチなど
ライブ前に毎回やってるのはラジオ体操の1番をメンバーさんとやって、そのあとに小声発声をするようにしてます。10分ぐらいの発声ルーティンがあって、それを流しながら自分も一緒にやるという感じですね。
あと前日はマッサージで首、肩、デコルテ、後頭部なども全部ほぐしてもらいます。そのあたりが硬いとやっぱり高音が詰まるんで。それとほっぺたをつまんでマッサージも。ほっぺたが硬いのも高音が抜けないんですよ。他にもいっぱいあってお伝えしきれないのですが……いろいろやってます。
◆日々のルーティン
気づくとリップロールしてるときがありますね。あとリップロールのままで歌うとかも。リップロールで息をキープしながら歌うのって腹式が安定してないとできないので、そこを鍛えたりとか。あと鼻の抜けが悪いなってときは、《な》で歌詞を全部歌うとだんだんと鼻腔が響いてくるんで、そういうことを日々やってますね。
◆ステージドリンク
常温の水です。昔はバカだったんでコーラとか飲んでたんですけど、今は絶対できないですね(笑)。レコーディングのときもお水です。ものすごい本数飲みます。気づくと1.5リットルぐらい飲んでます。ブランドはわりと何でも良いんですけど、日本の軟水だと良いかなぐらい。硬水だとちょっと喉に引っかかる気がする。柔らかいのが好きです。
リリース情報
デジタルEP『TIME LEAP』
2023年1月25日(水)リリース
配信リンク:https://asab.lnk.to/timeleap
<収録曲>
1DK
タイムマシーン
CAN’T DANCE
EYES WIDE SHUT
melt into YOU feat.a子
ライブ情報
“TIME LEAP” Release Party「LEAP LEAP LEAP」
日程:2023年2月24日(金)
時間:open 19:00 / start 19:30
会場:東京・渋谷WWW
【チケット券種】
・前売(スタンディング)5,800円(税込・ドリンク代別)
・当日(スタンディング)6,000円(税込・ドリンク代別)
【お問い合わせ】
VINTAGE ROCK std. 03-3770-6900(平日 12:00~17:00)
www.vintage-rock.com
プロフィール
佐藤千亜妃
シンガーソングライター。高校生のときに岩手県から上京し、大学の同級生とバンド「きのこ帝国」を結成。vo/g/作詞作曲を担当(2019年5月27日に活動休止を発表)。現在はソロで活動中。
2018年に1st EP『SickSickSickSick』、2019年に1stソロアルバム『PLANET』、2021年には2ndフルアルバム『KOE』をリリース。2022年は “夜の片隅”をテーマにした最新EP『NIGHT TAPE』をリリースし、収録曲「夜をループ」がBuzz Trackerに選ばれ、TikTok人気楽曲1位になるなど注目を集めた。
その他、亀梨和也、入野自由、Da-iCE、SCANDAL、森七菜など、アーティストへの楽曲提供、プロデュースを手掛けるなど、活動は多岐にわたる。
関連リンク
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