取材・文:田代智衣里(Vocal Magazine Web)
“もしmeiyoが作った曲だったら”と考えた
──オリジナル曲のレコーディングと違う点はありましたか?
meiyo レコーディングの作業や録り方はそんなに変わらないんですけど、コントロールルームでディレクションしてくれる人がCMを作っている人だったので、いつもと違いました。やってることは同じなんですけど、感覚としてはけっこう違いましたね。
──第三者のディレクションの割合が増えたのでしょうか。
meiyo そうですね。今までのmeiyoの曲を録るときは、レコード会社のディレクターの方と自分の納得度で決めていたんです。もちろん自分の納得度は常になるべく高い状態に持っていかなくちゃいけないんですけど、意識がちょっと違いました。いろんな歌い方を試すというよりは、“こうだと思うんですけど、どうですかね”と提案して、“今のめっちゃいいと思います”と言っていただいたり。ちょっとずつお互いの気持ちを探り合いながらだったので、ちょっと面白かったです。
──《あっちそっち》、《こっちどっち》のニュアンスも特徴的ですが、ここはいろんなパターンを録ったのですか?
meiyo もともと仮歌が入っている状態で聴かせていただいたんですが、仮歌は爽やかな男性の声だったんですよ。最初は引っ張られちゃったんですけど、“もしmeiyoが作った曲だったら”と考えたときに、もうちょっとおちゃらけた雰囲気で歌うんだろうなと思って。ちょっとかわいい感じに声を出してみたら、いいですねと言ってもらえたりして。最初のテイクはかなり真面目だったんですけど、最終的に選ばれたものはおちゃらけた雰囲気になりました。
──では、仮歌が入っている曲を歌うことも新鮮だったのでしょうか?
meiyo 本当にそうですね。カラオケで自分が好きな曲を歌うときと似ていました。僕はカラオケで人の曲を自分っぽく歌ったりしていたので、そんなことを思い出しましたね。
──レコーディングはどのぐらい時間がかかりましたか?
meiyo いつも時間をまったく気にしないでレコーディングしてるんですけど、4時間ぐらいかけたと思います。
──レコーディングしたスタジオは、いつもと違う環境でしたか?
meiyo CM音楽を作っているスタジオにお邪魔させていただいて、そこのエンジニアさんと一緒にやらせていただきました。
──マイクも違うものを使ったのですか?
meiyo いつもと違うMANLEY(マンレイ)「REFERENCE CARDIOID MICROPHONE」を使いました。なんだかカッコいいマイクだったんですよね。