【インタビュー】NAO AIHARA オーディション番組『ヨルヤン』を勝ち抜いたヴォーカル&ダンスのルーツと、デビュー曲「lighthouse」制作を語る!

2022.04.9

取材・文:藤井 徹(Vocal Magazine Web)

“これ私のための曲なんじゃない?”っていうのは正直思いました

──では、デビューのきっかけとなった『ヨルヤン』のオーディションについて聞かせてください。

NAO もともとオーディション情報はけっこう調べていて、『ヨルヤン』の募集が“女性R&Bシンガー”だったこともありますし、自分の歌のきっかけもR&Bから来ているし、これはいいなって。課題曲(「lighthouse」)のヴォーカルとして入っていたEmilyさんの歌声もすごくカッコよかったんですよ。聴いてすごくテンションも上がったし、楽曲自体に好感を得て“受けよう!”って思った記憶があります。

自分の強みにしている低音の深さと、一方でハイトーンが表現できる楽曲だったので、“これ私のための曲なんじゃない?”っていうのは正直思いました(笑)。実際、歌いやすかったですし、歌っていて楽しかったです。けっこう自信がありました。

──課題曲に対しての、具体的な取り組みや作戦はありました?

NAO まずは、お手本としてEmyliさんのヴォーカルの感じを真似することからでしたね。でも、自分の強みであるところは絶対に見せたいので、そこは“やり過ぎなぐらいやろう!”みたいな。あとは歌詞をちゃんと汲み取って言葉にするっていうこと。忘れがちだけど、きちんと向き合おう、大切にしようとした部分ではあります。

──歌唱は映像で応募したんですか?

NAO “nana”というアプリを使って、スマホで録った音源だけを送りました。録音機材はイヤホンマイクだけですね。家でパジャマのまま録りました(笑)。ただ、一次審査に合格したあと “テレビに使いたいから、載せられる映像をください”と言われて、急遽スタジオでレコーディングと撮影をして動画で送った記憶があります。

──対面でのオーディションはどんな感じでした?

NAO 最終審査の日に、その場で合格発表という流れでした。最終審査に残っていたのはヴォーカルで6〜7人でした。ライブハウスのステージで用意されていた課題曲のAパート、Bパートをそれぞれ歌いました。審査員はEmilyさんと、avexや番組の方々だったと思います。

──『ヨルヤン』では、同時にダンサーのオーディションもやってましたが、そちらに興味はありませんでしたか?

NAO なかったですね。でも、“ダンスもできますよ”って言いたくて、ダンスだけの映像も勝手に送りました(笑)。

──では、最終審査で歌ったときはダンスも見せつつ?

NAO いや、歌に集中した感じでした。ただ集中はしてたけど、たぶん歌うときノッたりしてたので、審査員の方から「ダンスやってますか?」って聞かれて「はい」と答えたら、会場が「だからか〜」みたいな雰囲気になった記憶があります。

──合格と聞いたときには、どんな感情が湧き上がりました?

NAO あとで放送された番組を観たときは、なんか感動が薄かったように見えましたけど、自分の中ではものすごい嬉しかったんですよ。嬉しかったけど、「ありがとうございます……」みたいな感じで“反応薄っ!”って(笑)。

──合格後からデビューまでの期間で一番準備してきたことは何ですか?

NAO けっこう時間が空いたので、不安もありつつ……。レコーディングすると決まったときには、楽曲をもう1回ちゃんと理解することから始めました。それこそボイトレの先生と一緒に少しずつ曲を解析しながら「ここの歌詞は、こうやって歌ったほうがいい」とか準備をしてレコーディングに挑みました。

──いよいよプロのヴォーカリストになるんだという実感はありましたか?

NAO それは、ありましたね。初めてのことだらけだったので、レコーディングが終わったあとにも、“こうやって録ってるんだ〜”みたいな。

──喉がどれだけ疲労するんだとか、いろんなことがわかった感じですか?

NAO はい。ボイトレの先生にまた聞いたりしました。「(レコーディング時には)あまりしゃべるな」とかも言われましたし。その先生はアーティストのコーラスもやっている方なので、それこそ良いのど飴を紹介してくれたりしました。

──普段愛用している、のど飴とか飲み物は?

NAO プロポリスの缶詰に入っている飴で、ちょっと苦くてピリピリするやつ。あれが一番効くなと思いました。飲み物は基本的に水ですね。温かい飲み物も飲みます。

──いつも行なっている身体のケアは?

NAO 疲れてるとけっこう喉に出やすいし、塩分を摂り過ぎたあととか、けっこう喉をやられてたりするので、ちゃんと水をたくさん飲むとか、むくみの薬、サプリを飲んだりします。普段から踊っているので、常にストレッチや筋膜リリースをやったりしています。

──ライブ前や、歌を録る前のルーティーンは何かありますか?

NAO リップロールはしますね。それから「あーあーあー♪」みたいな音階を付けた発声練習をやります。

──レコーディング時、歌詞カードには何か書き込みますか?

NAO 書き込みますね。リズムを強く打つところは印をつけるのと、フレーズ後半のまとめ方などです。音を伸ばすのか、ビブラートを効かせるのか、ふわっと終わらせるのか。あと……入りをクレッシェンドかデクレッシェンドにするとか、“ここは深く”って書いたり、特に歌詞を大事にしたいところに線を弾いたりします。あとはブレスの位置とか、チョンって印つけて(笑)。「lighthouse」はオーディションの練習をするときにたくさん書き込んでいたので、それを思い出して書き足したりしました。

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