【インタビュー】安斉かれん、新作のヴォーカルワークを語る。楽しむことの大切さ

取材・文:鈴木瑞穂(Vocal Magazine Web)

安斉かれんが新曲「ちゃんと世界線」を配信リリースした。昨年9月からスタートした7作連続リリースの第5作目となる今作は、疾走感あふれるメロディに安斉のワードセンスが光る歌詞が掛け合わさった、ポジティブなポップパンクだ。
今回は安斉に、新曲でのヴォーカルワークを始めとし、デビュー前の歌との関わり方など、さまざまな観点から「歌」についてざっくばらんに語ってもらった。
インタビュー中、“自分探しをしている”と楽しそうに語っていた安斉。それぞれの楽曲の中で新しい歌唱表現に果敢に挑戦していく姿は、迷いながらも今を生きる者たちへ、なにかのヒントになるかもしれない。【インタビュー最後にプレゼント情報あり】

第一印象は“なんだこれ?!” ストローでの基礎ボイトレ

──昨日(※取材日の前日)、1月に開設したYouTubeチャンネル『かれんの日常(安斉かれん)』で新しい動画を公開してましたね。

安斉かれん そうなんです! 観てくださってありがとうございます!

──動画の中で、お部屋の壁に飾ってあるのは何のポスターですか?

安斉 映画の『ショーシャンクの空に』と『レオン』のポスターです。昔から映画が好きで、最近もいろんなものを観たりするんですけど、その中でも一番好きなのが『ショーシャンクの空に』で、あと『レオン』も可愛いから飾ってます(笑)。けっこう洋画を観ることが多いんです。

──デビュー当初はバーチャル説も浮上するなどベールに包まれた印象がありましたが、ご自身の素を見せていくこの企画はどんな想いで立ち上げたのですか?

安斉 今までは「アーティスト像」みたいなものを強く打ち出していたんですけど、ドラマ『M 愛すべき人がいて』の放送が終わったあたりから少しずつ気持ちがシフトしていきました。7作連続リリースをスタートさせるときも、私の中では「安斉かれん第2章」という気持ちで挑んでいて、もっとプライベートというか、ファンの方と近い距離感でお見せできる場面が欲しいと思ったんです。インスタも公式以外で「かれんの日常」という日常を切り取ったラフな雰囲気のアカウントを作って、その延長線上で同タイトルのYouTubeを始めました。YouTubeだと長くしゃべったりできるので一番伝わるかなと思って。

──これからも更新が楽しみです。それではまず、安斉さんの歌の原点からお聞きしたいのですが、歌うことに興味を持ち始めたのはいつ頃ですか?

安斉 もともと楽器(サックス)をやっていて、そこから“音楽全般できるようになりたい!”と思ったのがきっかけで、歌をちゃんと始めたのが高校1年生のときです。音楽で何かやりたいなと思っていたので、とりあえず歌もできたらっていう気持ちで習い始めました。

──そのときは、当時原宿にあったエイベックス・アーティストアカデミーに通ったそうですね。

安斉 そうです。通ってました!

──憧れていたヴォーカリストはいましたか?

安斉 特にはいなかったんですけど、最初はいろんな先生に習っていて、やっぱり先生によって教わることやこだわりも違うので、それを比べて、どういう歌い方が合っているんだろうってずっと考えてました。

──もともと歌は得意でしたか?

安斉 得意じゃなかったです(笑)。でもカラオケで歌うのは好きだったので、歌うことが得意になりたくて習いに行った部分もあります。

──アカデミーに通っていた期間はどのくらいですか?

安斉 3年ぐらいかな。歌以外にもダンスとかいろいろ挑戦していたので、ほとんど毎日行ってました。学校のあとに行って、レッスン受けて、帰るっていうスケジュールで。

──歌のレッスンはどんなことをやっていたのですか?

安斉 本当に基礎的なことから教えてもらいました。まず唇をプルルルルと震わせるリップロールや、“いー”とか“あー”といった母音をいろんな発音で声を出す発声練習をじっくりやります。そこから好きな曲を持っていって歌ったり、たまに先生が出す課題曲を歌ったりして、表現のつけ方だったり、喉の使い方だったり、歌に必要なことを教えてもらいました。

──課題曲はどんな曲を歌うのですか?

安斉 DREAMS COME TRUEの「やさしいキスをして」はめっちゃ歌いましたね。自分で持っていく曲は歌いたいものならどれでも良かったんですけど、課題曲はやっぱり難しい曲が出されることが多かったです。

──これは絶対に習得したい!”と練習した歌唱テクニックはありましたか?

安斉 もともと鼻にかけて歌っちゃうクセがあって、ちゃんとしたチェストボイスで歌えるようにするのはすごく難しかったです。チェストボイスを出す筋肉が最初は全然なかったので、それを鍛えるのが難しくて。チェストボイスって胸なんですけど、“あーーー”と発声したときに(実際に胸に手を当てて)ちゃんと胸に響いている感覚があるんです。喉ばっかり使っているとキツくなっちゃうから、胸に響かせられる音、ちゃんとしたチェストを出せるように頑張ってました。

──すごく役立ったと感じる練習内容はありますか?

安斉 唇にストローをはさんで“フーーーーッ”と息を出し続ける練習です。最初はなんだこれ?!って思ったんですけど(笑)、とっても喉の筋肉が鍛えられるのですごいなって。苦手な音や音域も、ストローの練習をやると綺麗に出るようになるんです。

──アカデミーに通う中で刺激を受けたことは?

安斉 レッスンは個人のときもあればグループのときもあって、グループレッスンだと他の頑張ってる子たちと一緒に教わるので、とてもいい刺激になりました。あとは、みんなの前で歌って、先生に何か言われる感じは怖かったというか、緊張しましたね(笑)。

──歌手デビューを意識したきっかけはあったのですか?

安斉 自然な流れで進んでいったので、これといった大きなきっかけはないんですけど、松浦会長に歌を披露するタイミングがあって、そのときは大原櫻子さんの曲が好きだったので歌いました。全部で10曲くらい歌ったかな。

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