【インタビュー】竹中雄大(Novelbright)が待望の初登場! ヴォーカリストとしてのこれまでと、メジャー2ndフルアルバム『Assort』の歌唱を語る!
2022.05.24
取材・文:藤井 徹(Vocal Magazine Web)
撮影(ライブ写真):ハヤシマコ
自分の声は、やっと最近になって少し愛せるようになったんです。
──続いて、頭から“知識”として積極的に入れたものがあれば聞かせてください。
雄大 “音楽の勉強をしよう”みたいなのは全然したことなくて……。でも、昔からいろんな音楽が好きで聴いてきて、ライブもめっちゃ行ってます。自分が音楽をやるうえで一番刺激をもらってるのは、やっぱりライブかなと思いますね。今でもいろんなアーティストのライブに行くようにしてます。それこそ大スターから、まだこれからのアーティストまで幅広く出向いて、そのつど刺激を受けてますね。
あとは、口笛を吹いて大会とか出ていたんですけど、クラシック部門もあるから聴くようにしています。最近はもっぱら洋楽ばかり聴いているんですけど、その中でもいろんなジャンルのものを聴くようにしていて。もともと邦楽のポップスとかロックも好きだし、何かに偏らずいろんな幅で音楽を楽しむことが、自分にとって音楽をやるうえですごく大事なものになっていますね。
──今度はフィジカルのことを聞きたいのですが、学生時代には何かスポーツをやってましたか?
雄大 運動は……ちょっとしかやってないですね。小学校のときにサッカーをやってたぐらいで、それからは帰宅部でしたし。運動は好きなんですけどね。学校でスポーツテストみたいなものがあると思うんですけど、それも学年トップとかやったんで。
──では、部活があんまり好きじゃない(笑)?
雄大 う〜ん、なんか、遊びたかった感じです(笑)。
──口笛のテクニックを磨いていく中で、ヴォーカリストとしても鍛えられた部分はありますか?
雄大 あ〜、でも口笛は意外と別モノですね。例えば日々忙しくて睡眠時間が全然なかったり、お酒をたくさん飲んだりすると、やっぱり声は出なくなる。声のコンディションは日々の生活がすごい大事やったりするんですけど、口笛はどんだけ熱があっても、どんだけしんどくても、ずっと絶好調でいつでもどこでも調子良く吹けるんですよ。寝起きで大会に出て吹けって言われてもできるくらい(笑)。
──そうなんですね。これだけ口笛の上手な人の口の中は、一体どうなっているか想像できなくて。歌にも生きている部分があるのかなと思ったんですよ。
雄大 ひとつ関係あるとしたら肺活量くらいですかね。むしろ口笛のほうがしんどいかな。例えばクラシックの曲を演奏するときに、ヴァイオリンやピアノの曲だとブレスが必要ないじゃないですか。でも人間が口笛でやるとブレスが必要になるんで。
口笛は吸って吐いてのどっちも使って吹くんです。だから吸って音を出すときは、もちろん息を吸ってるんですけど、一回止めたブレスではないので、基本的に息継ぎがあまりできない曲が多い。それで自然と肺活量は備わっているのかなと思います。
──雄大さんのYouTubeチャンネルに、アメリカの公園で「千本桜」を口笛で吹く路上ライブの映像がありますよね。あれを観て感じたのですが、ビブラートなどのテクニックはもちろんのこと、なぜあれだけ高いkeyが出せるのか不思議でした。
雄大 音域としては3オクターブ半ぐらいですね。でも、ひょっとすると声のほうがあるかもしれないです。ファルセットのワケがわからないくらい高いところから一番低いところまでで言ったら、たぶん4オクターブくらいあるのかな……ちょっと測ったことがないんでわからないですけど。
──自分の声を客観的に分析するとしたら、どんな強みがあると思いますか?
雄大 ……自分の声か……難しいですね。
──では……自分の声、好きですか?
雄大 自分の声は、やっと最近になって少し愛せるようになったんです。本当に4〜5年ぐらい前までは、録音したものや動画とかで客観的に声を聴くと、自分が実際に歌ってるときの感覚と、それを聴く感覚のギャップがすごくて。例えばカラオケで歌うとすごい気持ち良くて上手に歌えてる気になるんですけど、いざ動画で観ると自分が思い描いてる上手だと思う歌手の人とは何か違うな、みたいな感覚がずっとありました。
歌ってるときは自信あるくせに聴いたら意外と微妙……みたいなことがあったんですけど、ここ3〜4年で自分の声にも慣れてきたのか、愛せるようにはなってきたなっていう感じはしますね。
──こう歌ったらこう録れるとか、レコーディング作業を繰り返すことで、その差が徐々に埋まってきてることも要因かもしれないですよね。
雄大 たぶん、より歌に対して、いろんな想いも年々強くなってきた部分もありますね。歌もある程度自信を持ってやってはきたんですけど、例えば5年前とかの音源とかは正直聴いてられないなって思いますよ。ヴォーカリストとして、歌の技術も多少なりともありますが、それだけじゃなく声の色気、声のノリみたいなものも年々良くなっていってるなと。レコーディングした音源を聴く中で、昔と比べてそういった自分の成長を感じられることもあり、少しずつ愛せるようになってきたのかなとは思いますね。