【インタビュー】AB6IX、新曲「Fly Away」で待望の日本カムバック! 日本語の発音にじっくり向き合ったヴォーカル表現や喉ケアを語る

2023.06.22

(写真左からキム・ドンヒョン、チョン・ウン、イ・デフィ、パク・ウジン)
取材:金津麟太郎/編集:鈴木瑞穂(Vocal Magazine Web)

2019年に韓国デビューした4人組ボーイズグループAB6IXが、日本1st Single「Fly Away」をリリースした。

2021年11月に『ABSOLUTE 6IX』で日本デビュー、2022年8月にはJAPAN 2nd Mini Album『SAVIOR』をリリース&来日公演を行なうなど活躍してきたAB6IX。約9ヵ月ぶりの日本カムバックとなる本作は、フジテレビ系アニメ『逃走中 グレートミッション』のエンディングテーマで、爽やかなアップビートに乗せて《Fly Away Fly Away/無限大の夢とFly Away》と日本語で歌う力強いヴォーカルが印象的な楽曲。

Vocal Magazine Web初登場となる彼らに、新曲のレコーディングエピソードや、日本語歌唱でチャレンジングだった部分、さらには日々の喉ケアなどを教えてもらった。

ヴォーカリストとしては、日本語の発声自体はすごくやりやすい(イ・デフィ)

──Vocal Magazine Web初登場となるAB6IXの皆さん、まずは自己紹介をお願いします!

チョン・ウン こんにちは! AB6IXのウンです!
イ・デフィ こんにちは、AB6IXのデフィです!
パク・ウジン こんにちは、AB6IXのウジンです。
キム・ドンヒョン こんにちは! AB6IXのドンヒョンです。
ALL (声を揃えて)よろしくお願いします!

──では早速、今回の新曲「Fly Away」について聞かせてください。《Fly Away Fly Away/無限大の夢とFly Away》という歌詞の通り、大空に羽ばたくような疾走感と爽やかな世界観が印象的な楽曲ですが、レコーディングはどんなところを大事に歌っていきましたか?

ウン 《無限大の夢とFly Away》という部分はポジティブな歌詞で、「Fly Away」を聴く人たちにも希望やポジティブな感じを伝えたかったので、そういったところを意識して歌いました。

ドンヒョン “Fly Away”という言葉が重要だと思っていて、この言葉をより想像してもらえるように、爽やかな感じやそういったイメージが伝わるよう頑張りました。

ウジン いろいろなところに気をつかっていたんですけど、その中でも特に発音は気をつけました。やっぱり発音が正確に聴こえないと日本の皆さんにも伝わらないかなと思ったので、注力しましたね。

デフィ アップビートな部分が多いので、そういうところが曲のイメージとしてより強く出るよう意識しながら歌いました。

──低い音域やファルセットもありつつ、サビの《Fly Away Fly Away》というフレーズでは瞬時に高いキーに行くなど歌唱テクニックが詰まっています。苦戦したポイントはありましたか?

デフィ  “マッ♪”のようにベンディングして(音を)上げるところもそうですし、自分はどちらかと言うと口の中に音を響かせて歌っていくような歌唱をするんですが、今回は音を前に出していかないといけない部分があり難しかったです。

ウジン 日本でもミニアルバムを出していますし、日本語で歌う経験はあるんですけど、慣れてきてはいてもやっぱり今回も難しかったです。発音だけでも難しいんですけど、さらに(ラップで)速く発音することや、フロウに乗らなければならないところがすごく難しかったです。

ドンヒョン 日本語が流れるように聴こえるよう歌わなければいけないことや、グルーヴ感だったり繋がりを大事に歌っていたので、そういうところが少し難しかったです。

──今作は人気バラエティ番組『run for money 逃走中』が原案のアニメ『逃走中 グレートミッション』のエンディングテーマに抜擢されています。アニメタイアップを担当するという点についてはいかがですか?

ドンヒョン 日本でも韓国でも、バラエティ番組がアニメになるというのはなかなかないことだと聞いたので、そういった作品に挑戦させていただけることはすごく嬉しく思っていますし、僕たちAB6IXの新しい姿もお見せできたら良いなと思っています。

── 一方、カップリングの日本語曲「Rose」はサビや《重なる鼓動》の部分など、貫くようなハイトーンとクールなヴォーカリゼーションが特徴的です。レコーディングはスムーズに進んでいきましたか?

ウン レコーディング自体はスムーズでしたけど、自分の中では大変だったんです。ずっと高い音を出さなきゃいけないけど、サラッと「俺、できるよ!」っていう感じを見せたかったんですよ。でも自分の中では、「ああ、大変だな。諦めたいな……」ってずっと思いながらレコーディングしてました(笑)。

デフィ 曲の中に“秒針”っていう単語が出てくるんですけど、ちょっと言い間違えちゃうと韓国語では悪口の意味に……。

ウン めちゃくちゃ悪口ですよ!

デフィ なので何テイクも何テイクも録るっていう。とっても大変でした(笑)。

ウジン 僕も同じく「Rose」での発音が本当に難しかったんですけど、少しでも良くなるように努力しました。

ドンヒョン “Flower”という英語の部分があり、韓国語だと“フラウォー”という発音になるんですが、日本語だと“フラワー”と発音するので、日本の方に聴いていただくのであれば“フラワー”のほうが良いかなって。ディレクターの方と話しながらレコーディングを進めていきましたね。

──「Fly Away」、「Rose」それぞれ日本語が難しかったとのことですが、韓国語と日本語で歌うことの一番の違いは何でしょうか?

ウジン 例えばラップで言うと「SAVIOR」という楽曲に《火花がもう》というフレーズがあって。日本語だと6音なんですけど、韓国語だと4音なんです。(日本語だと)より速く言わないといけないところが難しくて。自分は日本語の発音がちょっと苦手なので、不自然に聴こえないかというところはすごく気をつけています。

──日本語はどういうところが特に難しいと感じますか?

ウジン 韓国語は“パッチム”という小さい「ッ」が入ったりするような発音が多いのでラップしやすいんですけど、日本語だとやりにくくて。苦戦します。

ドンヒョン 例えばですけど、“かわいい”だと“い”がふたつ付くじゃないですか。頭ではわかってるんですけど、どうしても口に出して言うと、“かわい”って最後の“い”が抜けてしまったりとか。そういうことが多くて、少し難しいなと感じます。

デフィ 韓国では先ほども挙がった“パッチム”っていう「ッ」だったり小さい音が入るようなものが多いんですけど、ヴォーカリストとしては、日本語の発声自体はすごくやりやすくて。音と音が繋がるような話し方だったり単語が多いので、そういうところは表現も豊かにできて、すごく良いなと思っています。でも発音がどうしても違うので、そこが少し難しいですね。

──イ・デフィさんはプロデューサーとしても活躍されていますが、レコーディングの際にメンバーの皆さんにディレクションすることはありますか?

デフィ 僕たちはちょっと変わったケースで、例えば自分たちの曲を外部に提供したりする場合は、「こういうスタイルがあるので、こういうふうにしてください」とアドバイスをすることも多いんですけど、ウチのメンバーはそういう感じではなくて。それぞれ個性があって特徴的な歌い方をするので、特にラップに関しても、もう自分でやっちゃって!という感じで任せていますし、良いところを使っていく形なんです。各自のスタイルで歌っているので、特にメンバーにアドバイスはしないですね。

──もともとそれぞれアーティスト活動をされていたり、経験も豊富だからこそできることですね。

デフィ その通りです!

──プロデューサー視点で感じるそれぞれのヴォーカル/ラップの強みはどんな部分でしょうか?

デフィ 例えばドンヒョンさんと僕であれば、けっこうハイトーンなので、それだけだと飽きられちゃったりっていうのもあるんですけど、そこにウンさんが入ってきて、ベース的な役割をしてくれたりとか。あとは「Fly Away」もそうなんですけど、ハイトーンなメロディが多い中で、“ラッパーさん”(ウジンさん)が入ってきてくれて。ヴォーカルにより厚みが出るかなって思います。

ウジン ラッパーさんって(笑)。

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