【インタビュー】よよよちゃんが伝える、歌まねへのこだわりと心の持ち方。「やりたい気持ちを大事に、自分から見つかりにいく」

取材・文:鈴木瑞穂(Vocal Magazine Web)
写真:豊田 和志

「あ、自分から見つかりに行くって大事だ」

──歌はもともと好きでしたか?

よよよちゃん そうですね。初めて自分から習いたいって言ったのが歌で。

──それはいつ頃ですか?

よよよちゃん 小学校5年生ぐらいです。そのときは歌手になりたいというよりかは、地域の合唱団に入りたくて。今まで歌以外のことって、それこそちょっと面倒くさいなにかの長とか、「誰もおらんからもうウチがやるか!」みたいな正義感だけで動いていたんです。でも自分の意志じゃないから結局文句もめっちゃ垂れてて(笑)。でも歌だけは唯一自分からやりたいと行動したものだったので、文句も出てこなかったし、時間を忘れて没頭していました。今はそれを仕事にできていることが本当に幸せだなって思います。

──合唱団に入ってから芸能活動への目標が芽生えていったのですか?

よよよちゃん いえ、私はあんまり人生設計しないタイプで、目の前の課題をコツコツとクリアしていく人間なので、合唱団のときも「このお姉ちゃんを越したい!」、その次は「この中で一番うまくなりたい!」っていうのはありました。それでソプラノのパートリーダーあたりまで登り詰めていったのですが、そのときは子供たちに教えるのも楽しいなぐらいの気持ちだったんです。そしたら、軽い気持ちで始めた TikTokでバズってあれよあれよと今に至りまして。

──今まで歌手を目指したことはありましたか?

よよよちゃん 一度、大学1年生のときにシンガー募集の全国オーディションを受けに行ったことがあって。最終選考まで残ってスクールに入れることになり、上京を決意して友達としゃべりながら涙を交わす夜もありました。……なんですけど、結局行かなかったんです(笑)。

──えええ! LINE LIVE のプロフィールにある「歌手になる夢を一度断念」っていうのはそのことですか?

よよよちゃん そのことです。自分は歌の内容を表現するのは大好きなんですけど、ゼロから歌を作りたい人じゃなかった。でもそのときは、シンガーソングライターを見つけるオーディションだったんですよね。最終選考のとき、5人でひとつの MV を考えるグループ課題があったのですが、私はそのディレクションのほうが楽しかったんです。だからなんか違うかなと。私は売れる曲を書けないだろうなと思いましたし、進みたい方向はそっちじゃないと感じて。なので上京せず、普通に大学生活を謳歌していました。

── TikTokを開設したきっかけはなんだったのですか?

よよよちゃん きっかけとなったのはInstagramのリールで、投稿した日に1700回以上再生された動画(ものまね動画)があったんです。特に有名になりたくてSNS をやっていたわけではなく、フォロワーも身内でしたし、意味のない投稿をするようなカスカスアカウントだったんですけど、だからこそ“1000回以上の再生”というのがすごく大きく感じて。それで試しにTikTokに載せたらその日に数万再生を突破して、楽しくてInstagramのリールやら TikTokやらにショート動画を載っけていたら、それがテレビ番組出演に繋がったという感じで。ホントに超シンデレラストーリーです。

──よよよちゃんがLINE LIVEの広告モデルを務めたときに「自分から見つかりに行くこと、発信することも大事」と伝えたメッセージを思い出しました。特にそのことを実感したのはどんなときでしたか?

よよよちゃん それはもうバッチバチにTikTokを始めたときでしたね。今でこそ大学時代の自分と比べたらできることが大きくなっている自覚がありますけど、 TikTokを始める直前と直後って、できることは一緒だったはずなんですよ。それまでは友達の前でものまねをやったり、Instagramのストーリーに載せる程度だったものを、TikTokというプラットフォームに変えただけであんなに爆発的に広がって。その体験が自分の中で「あ、自分から見つかりに行くって大事だ」と気づくきっかけでした。

──「自分から見つかりに行く」を実現したあと、どんなふうに世界は広がっていきましたか?

よよよちゃん TikTokを始めて、その2週間後にテレビのオーディションを受けることになったんですよ。それで、動画投稿を始めて2ヵ月後くらいにテレビ収録っていうものを経験しました。爆速でしたね(笑)。ただ、最初のテレビ出演はぶっちゃけ思い出作りのような感覚で行ってしまったので、挨拶も全然できてないですし、とりあえずやるべきことだけをやって帰ってきました。その次に再度テレビオファーをいただいて、それが金スマだったんですけど。そのときに「あれ? ウチってもしかして“ものまねのひと”って思われてる?」というのに気づいたんです。ガッツリ歌えるみたいだし、ありがたいなと思って出演させていただいたんです。そこからようやく仕事の意識も芽生え始めたというか、「これはもしかしたら仕事になるかもしれないから、ちゃんと挨拶せなアカンな」って気を引き締めました。

ものまね芸人さんとお話させていただく機会もあって、聞けば聞くほどいい仕事やなって思ったし、業界の人って怖いイメージがあったんですけど、実際は親切でしゃべりやすい方ばかりで。それで1年間は「来たもの全部やろう!」と意気込んで挑戦していきました。あっという間に1年経って、まだまだ全然楽しくて、上京しようかなという気持ちになりました。ものまねが全然苦じゃなかったですし、むしろ応援してくださる方が増えていくこともすごく嬉しくて。

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