【レポート】映画『愛し合ってるかい? 忌野清志郎が教えてくれた』オフィシャル・ブック先行発売&映画公開直前のトークイベントを開催! 鈴木圭介、グレートマエカワ(フラワーカンパニーズ)がキヨシローの魅力を語り尽くす。

文・写真:藤井 徹(Vocal Magazine Web)

清志郎さんの第一印象は“気持ち悪い”だった

 会場には、キヨシロー世代から、フラカン世代、さらに若いロック好きの男女まで、実に幅広い年齢層のお客さんが開演前から詰めかけ、熱気も最高潮となったところでトークイベントは幕を開けた。

 今回フラワーカンパニーズのふたりに熱烈なラブコールを送ったという高橋は、デビュー当時の彼らを見たとき、RCサクセションに近い雰囲気を感じたという。それは2025年に配信シングルでリリースされたフラカンの「ザッツオーライ」などにも引き継がれていると語る。

 忌野清志郎、RCサクセションとの出逢いについて、圭介は「い・け・な・いルージュマジック」(坂本龍一+忌野清志郎)が最初だったそうで、小学校高学年の圭介少年は歌番組で教授と清志郎がキスしているのを観て“気持ち悪い!”と拒絶したという。だが、RCの「つ・き・あ・い・た・い」を聴いて、そこから好きになっていったと語る。

 グレートは7歳上の兄が強烈なRCファンで『RHAPSODY』などのアルバムが毎日のように流れていたという。TVで観る派手な出で立ちと派手な動きの清志郎を見て、当初は“カッコいいけど、変な感じだな”と思っていたけど、洋楽を聴くようになって、ザ・ローリング・ストーンズなどを知っていくと、そのカッコよさが好きになっていったそうだ。ただ、派手な衣装やパフォーマンスなどの入れ物はストーンズっぽいけど、中身は違っていたという話に。

 その流れで清志郎の作詞面が話題となり、フォークロック・バンド時代の私小説っぽい作風から、ロック・バンドへの変化に伴う歌詞の変化などを語り合う。「スローバラード」のような情景描写的な歌詞から、グッと削ぎ落としてシンプルでポップなものにしていく流れなどについても細かく触れていった。

 メディアを上手に利用してスターになっていった清志郎の才覚に改めて触れて、圭介はRCサクセションについて「時代を作った」と評し、グレートは「80年代くらいにドンと売れて、紆余曲折や重圧もあって大変だったと思いますよ」と想いを馳せる。

ハイパーヨーヨーで初セッション!?

 圭介は「清志郎さんって、マッチョ感がないんですよ。僕もマッチョ感は苦手なので。身体つきもしなやかだし色気もあるので、そこが好きなところですね」とのこと。高橋が「清志郎さんはやっぱりライブが大好きだったと思う」と、今もハイエース1台にメンバーが乗り込んでツアーする、生粋のライブバンドのフロントマンである圭介が、「清志郎さんたちが礎を築いてくれたからですよ」と感謝のコメントを返す。

 映画についての感想を問われると、圭介は「レコーディング風景の映像とか、興味深かった。レコーディングでもこんなにテンション高いんだと思った」と語る。その後、「清志郎さんは本当にシャイ」という話で盛り上がり、フラカンがパーソナリティを務めていた番組にゲスト出演した際に、スタジオへギターを持って歌いながら入ってきてくれたけど、トーク中はほとんど目を合わせてくれなかったという思い出を披露した。その一方で自転車やマラソンなど、興味が出ると玄人はだしで突き詰める清志郎の瞬発力について、しばし語り合った。

 90年代に新宿パワーステーションで清志郎と共演した際に、圭介が楽屋で当時流行っていたハイパーヨーヨーを練習していて、床で空回しをしていたら清志郎がパッと現われて、それを取り上げてブランコ(という技)をやってくれたそう。圭介はものすごく感動したそうで、「こんなこと、ある!?」と。すかさずグレートが「僕は横で見てましたけど、これが初セッションです!」と抜群の合の手を入れて会場の笑いを誘った。

 後半はRCサクセションの活動について高橋が語り、バンドならではの悩みや苦悩に2人も自身の経験を踏まえて頷いていた。“バンドマン、忌野清志郎”について話が進むと、グレートは「清志郎さんはライブのMCで“俺”ではなく“俺たち”と言うんですよ。それが好きで若い頃、鈴木にも(フラカンでも)そう言ってよって頼みました」という逸話を披露してくれた。

 高橋がフラカンはジャンルで括りにくい、ルーツが目に見えにくいバンドだという話を振ると、グレートは「鈴木はパンクロックを通ってるんですけど、ルックス的にそういう風に見えにくい」と答える。それを受けて圭介が「若い頃、新規の散髪店に行って、音楽ジャンルを問われると答えづらい。そのときに“強いて言ったら、RCサクセションみたいな……」と答えていたという。ストーンズ、RC、フラカン……「ジャンルレス」で、その時々の流行をスパイスとして取り入れるバンドスタイルが彼らに共通するもの、またメロディに歌詞を乗せるのではなく、一体化しているところもジャンルで括りにくいのではないかと高橋は分析していた。

 そんなこんなで話は尽きぬまま、1時間以上にも及んで盛り上がったトークは終了。最後は観覧したお客さんとともにフォトセッションで締めくくった。

 そして、この日は映画『愛し合ってるかい? 忌野清志郎が教えてくれた』オフィシャル・ブックが先行で、すでに発売されていた『忌野清志郎 公式データブック』、歌詞の本棚シリーズ『世界中の人に自慢したいよ』とあわせ会場にて販売されていた。リットーミュージックの清志郎関連の書籍・グッズは他にも発売されているので、映画をご覧になった方、ファンの方はぜひ入手してほしい。

映画『愛し合ってるかい? 忌野清志郎が教えてくれた』公開記念!
清志郎関連アイテム一覧

https://www.rittor-music.co.jp/s/kiyoshiromovie


映画情報

映画『愛し合ってるかい? 忌野清志郎が教えてくれた』

2026年製作/124分/G/日本
配給:東映ビデオ
劇場公開日:2026年10月2日(金)

出演:忌野清志郎/三浦友和/泉谷しげる/竹中直人/百世、他
監督:相原裕美

オフィシャルサイト
https://www.toei-video.co.jp/kiyoshiro-movie/

 忌野清志郎のデビュー55周年を記念したドキュメンタリー映画。監督は『トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代』などでメガホンを取った相原裕美。

 高校時代の同級生・三浦友和や、ミュージシャン仲間である泉谷しげる、俳優の竹中直人、長女で消しゴム版画家の百世ら、親交の深い人たちの言葉と、ライブやオフショットなどの貴重な映像を紡ぎ、清志郎のデビューから生涯を追った作品。

 時代を超えて愛とロックに満ちあふれた、清志郎の歌を、スクリーンに蘇る。


書籍情報

映画『愛し合ってるかい? 忌野清志郎が教えてくれた』オフィシャル・ブック

定価:2,750円(本体2,500円+税10%)
仕様:B5判/112ページ
ISBN:9784845644919
商品詳細&予約はこちらから
https://www.rittor-music.co.jp/product/detail/3126351005/

 忌野清志郎の軌跡を描いた映画『愛し合ってるかい? 忌野清志郎が教えてくれた』の公式本。スクリーンに登場する清志郎とゆかりのあるキャストの証言を文字起こししてロング・バージョンで収録。映画では使われていない証言もたっぷりと読むことができます。さらには、18ページに及ぶ超ロングな清志郎年表、劇中歌の解説、相原監督と高橋ROCK ME BABY氏の対談などからなる、この映画の理解をより深めるために最適なガイド・ブック。

忌野清志郎 公式データブック

定価:3,300円(本体3,000円+税10%)
仕様:B5変形判/256ページ
ISBN:9784845644865
商品詳細&予約はこちらから
https://www.rittor-music.co.jp/product/detail/3126317114/

アルバム/シングルなどの全作品やコンサート情報など
忌野清志郎の軌跡を網羅したデータブック

 RCサクセションを始めとする様々なバンド/プロジェクトや、ソロ活動を通して膨大な数のアルバム/シングルを世に残した忌野清志郎。本書ではそうした作品群はもちろん、ゲストとして参加した作品や映像作品も含めて余すことなく紹介。加えて、1969年から2008年までの約1,400回にわたる公演情報をまとめた「コンサート・データ」、忌野清志郎に関係するミュージシャンのプロフィールを紹介する「WHO’S WHO」など、充実した内容のデータ集となっています。忌野清志郎の軌跡を追う資料として、ファン必携であることはもちろん、入門者にも最適な1冊です。

※本書は過去にTOKYO FM出版より発売された『地球音楽ライブラリー 忌野清志郎』(2006年/改訂版:2010年)をもとに、判型を拡大したほか、近年発表された作品を追加収録した新装版です。

歌詞(うた)の本棚『世界中の人に自慢したいよ』

定価:2,200円(本体2,000円+税10%)
仕様:B5変形判/32ページ
ISBN:9784845644216
商品詳細&予約はこちらから
https://www.rittor-music.co.jp/product/detail/3126317101/

忌野清志郎の珠玉のソウル・バラードを
長女・百世が消しゴムハンコで絵本化!

歌詞を絵本として再構築するプロジェクト『歌詞(うた)の本棚』シリーズの1冊として、今年発売30周年を迎えた忌野清志郎の名曲「世界中の人に自慢したいよ」(1996年発表)の登場です。作画を手がけるのは、長女であり消しゴムハンコ作家として活動する百世(ももよ)。ファンから隠れた名曲として愛される珠玉のソウル・バラードが、百世が作り出す可愛らしい世界観と見事に融合。消しゴムハンコというアナログ手法からでしか生み出せない美しいグラデーションや趣深い掠れなど、独特なタッチで描かれます。この心温まる親子コラボは、アニメーションに形を変え、2026年10月に公開される映画『愛し合ってるかい? 忌野清志郎が教えてくれた』の中でもフィーチャーされています。

忌野清志郎 ロッ研ギターショー 愛蔵楽器写真集〈新装版〉

定価:3,300円(本体3,000円+税10%)
仕様:菊倍判/176ページ
ISBN:9784845643677
商品詳細&予約はこちらから
https://www.rittor-music.co.jp/product/detail/3125351006/

キヨシローの楽器本が大きくなって再登場!

2017年刊行の『忌野清志郎 ロッ研ギターショー 愛蔵楽器写真集』(B5判=天地257×左右182mm)を菊倍判(天地303×左右227mm)に拡大。楽器の写真を可能な限り大きく見せ、当初文字が小さくて読みにくかった解説文も拡大する。清志郎のファン世代の目に優しい決定版の楽器写真集。

2009年の没後、今なお数多くのアーティストに影響を与え続け、日常にその歌声が響き渡る忌野清志郎。あらゆる世代に愛される清志郎サウンドを生み出してきたのが、ギター、ベース、ドラム、トランペットといった愛用の楽器たちである。ステージで使用したテレキャスターやレス・ポールを始め、トランペット、フルート、法螺貝、あまり知られていないドラムやピアノに至るまで、総数150点以上に及ぶコレクションを完全公開するスペシャル写真集。

キズやシール痕などの細部まで大きな写真で紹介。スペックだけでなく、入手のいきさつ、レコーディングやライブでの思い出なども詳しく掲載する。楽器を大事にしていた生粋の音楽家としての側面にもスポットを当て、その魅力溢れるキャラクターを立体的に解説。一緒に音楽を作ってきた盟友・仲井戸”CHABO”麗市、三宅伸治、さらにギターを管理していた山本キヨシのコメントなども掲載。貴重なスペシャル・グラフ、過去のインタビューの再掲載も見どころ。

今回、新装版として生まれ変わることで、楽器の細部から見えてくる新たな忌野清志郎のヒストリーをたっぷりと堪能してほしい。

ウクレレ・キヨシロー 忌野清志郎ウクレレ弾き語り曲集<増補改訂版>

著者:春日 ハチ博文
定価:2,750円(本体2,500円+税10%)
仕様:菊倍判/96ページ
ISBN:9784845644629
商品詳細&予約はこちらから
https://www.rittor-music.co.jp/product/detail/3126251003/

“キング・オブ・ロック”忌野清志郎の名曲をウクレレで弾き語ろう!
「世界中の人に自慢したいよ」、「仕草」と新コンテンツを加えて再登場!

本書は2012年に刊行した『ウクレレ・キヨシロー 忌野清志郎ウクレレ弾き語り曲集』に新規楽曲(「世界中の人に自慢したいよ」、「仕草」)と、キヨシローが愛したウクレレ紹介、オリジナル・ウクレレの誕生秘話などの新コンテンツを加えてパワーアップした【増補改訂版】です。ウクレレのスコアはRCサクセション、THE TIMERS、HIS、ソロから37曲をセレクト。ダイヤグラム付きコード譜のほかに、イントロや間奏などの部分的なソロ弾きTAB譜も掲載しています。そして、本スコアのアレンジは、仲井戸麗市加入以前のRCサクセションのサポート・ギタリストだった春日ハチ博文が担当し、弾きごたえ120%!ウクレレ演奏で改めて忌野清志郎の楽曲を歌ってみると、新たな魅力をたくさん発見できることでしょう。



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