竹原ピストル

17時からの第３部トップバッターは竹原ピストル。あらきゆうこを迎えて「ぼくは限りない〜one for the show〜」を披露。クラップを誘うと、観客は立ち上がる。竹原は左手にマイクを持ち、時折親指をグリルに添えながら、斜め下から上方向にあてていた。「ドサ回り数え歌」は、“自分で歌うよりも先に杏子姉さんに歌っていただき、その音源を竹原ピストルライブの登場SEに使っていたことがある思い出深い曲”と語り、歌い分けをせずにゲストの杏子が歌唱。

“７〜８年前にオフィスオーガスタに拾ってもらってすぐにリリースした自分の中のデビューシングル曲”として、最後にソロで歌ったのは「俺のアディダス〜人としての志〜」。この曲を歌うことで、“そっくりそのままみなさんへの感謝の気持ちと、いつか恩返しするからねって誓いにかえさせていただきたいと思います”とメッセージを贈った。また、この曲ではスタンドマイクで、主に指一本分くらいの距離を保ちながら歌唱。力強いロングトーンでは拳ひとつ分、マイクから距離をとる場面もあった。

浜端ヨウヘイ

浜端ヨウヘイが歌うのはリクエスト曲でデビューシングルの「結 -yui-」。山崎まさよしがエレキギターで参加した。上唇がマイクの中心にあり、たまに唇がマイクにつくほど近い距離。フェイクではあえて口元を離しているようだった。杏子をコーラスに迎え「Peace」を、ソロで「変わらないもの」を届けた。浜端の演奏中は陽が落ち始め、照明が一層輝く印象的なシーンだった。最後の一節の余韻が繊細に響きわたっていた。

さかいゆう

杏子をコーラスに迎え、デビュー曲「ストーリー」を歌唱したさかいゆう。マイクは口元に対してほぼ真正面で、唇がマイクにつくほど近距離だった。軽快なトークで観客の笑顔を引き出しながら、“すこぶるテンションが高いときしか出ない”というアクロバット技を披露。リクエスト曲の「君と僕の挽歌」では、《来年も再来年も／こうして普通にオーキャンができるといいな》と『Augusta Camp』への想いが歌に込められた。最後は“オーキャンよ、永遠に！”のメッセージとともにフェイクで締めくくり。笑いあり涙ありの熱いステージに、強く心を掴まれた。

山崎まさよし

ステージに登場した山崎まさよしは、HOHNERのハーモニカを響かせながらマイクの向きを調整し、ニコッと微笑むとデビュー曲「月明かりに照らされて」の演奏をスタート。“オフィスオーガスタ30周年。30年の会社って中々ない。こういったフェスはたぶんフジロックの次ぐらい。マスクをしていて歌えない状況もありますけど、僕らが一生懸命歌いますんで”とMCで語り、「Updraft」を披露。

前夜祭の公開リハーサルも前方の客席がびっしり埋まり、本番のようなステージだったのだが、当日は会場を埋め尽くすオーディエンスが集ったことで改めて《君と巡り会えた事を噛みしめる》ことができたのかもしれない。笑みを溢しながら歌う姿が輝いていた。さらに杏子、松室政哉を迎えて「根無し草ラプソディー」を披露。杏子は松室を真似た双子のような仮装で会場を盛り上げる。最後は山崎のソロでリクエスト曲の「One more time, One more chance」を届けた。