【ライブレポート】さとうもか、東京キネマ倶楽部に想い出あふれる“ジャズと夏”

2022年9月4日 @ 東京キネマ倶楽部
取材・文:田代 智衣里(Vocal Magazine Web)
撮影:宇佐美亮(https://instagram.com/usamiryo/

さとうもかが9月4日(日)、東京キネマ倶楽部にて『Sugar Science Show ~2022 Summer~』を開催した。本公演は当初、8月28日(日)の梅田シャングリラと9月4日(日)の東京キネマ倶楽部の2ヶ所で各日1公演が予定されていたが、追加公演が決定。それぞれ1日2公演の開催となり、全公演がソールドアウトしていた。ここでは東京キネマ倶楽部の1stステージをレポートする。

開演前の会場BGMはデヴィッド・ローズの「The Stripper」、ジーン・ケリー、 ミッツィ・ゲイナー、 ベティー・ワンド、 ソーラ・マティアソンの「Les Girls(Barry, Joy, Lady Sybil, Angele)」と続き、素敵なショーの始まりを予感させていた。音量が上がり音が止まると、オープニングBGMが幕開けを知らせた。アナウンスの声でライブタイトルが読み上げられ、出演・沼澤成毅(k)、厚海義朗、(b)、河合宏知(d)、シンリズム(g)の紹介で1名ずつ登場。観客は拍手で迎える。最後にさとうもかの名が読み上げられるも、まださとうの姿は見えず。“EMIの提供でお送りいたします”と締めくくられ、開演ブザーが鳴った。

《そう 地味な女》
歌が聴こえると同時にスポットライトに照らされたのは、2階のサブステージ。カーテンの隙間からさとうが顔を出した。割烹着姿でハタキを振りながら、「歌う女」をハンドマイクで表情豊かに歌唱。観客に手を振る。《譜面をさらわなきゃ!》でハタキを手放すと、階段を降りながら割烹着を脱ぎ捨て、メインステージにはリボンの柄のワンピースが輝いた。

《変わるのは当たり前》からエレキギターを抱え、そのまま「Loop」のイントロへ。“こんにちは! みんな観に来てくれてありがとう! 夏も終わりそうだと思ってたけどまた暑くなってきたので、最高の夏にしていこうと思います! みんな手拍子をお願いします!”と挨拶。

「Loop」は爽やかにテンポアップしたライブアレンジで披露され、切なく通り過ぎていく夏のようでもあった。《つまらない昨日はもう もう忘れたわ》の一節で声の力を少し抜く、繊細な表現も印象的だ。2Aはウォーキングベースが軽やかに躍る。さとうのヴォーカルは音源の上ハモラインに沿ったアレンジで高音hihiBまで登り、幅広い音域の歌声を用いて演奏された。

「old young」のイントロが聴こえてくると、“Hello everyone! 改めましてみなさん、Sugar Science Showへようこそ。今日のテーマは「ジャズと夏」という感じでやっていこうと思っています。みなさん準備はいかがでしょうか?”と本公演のコンセプトを紹介。1,2,3,4のカウントをとり、歌い始める。1A’からトイピアノを、サビではキーボードを弾き語り、アウトロは沼澤とセッション。続けて「オレンジ」、「Woolly」、「ラムネにシガレット」、「あの夜の忘れ物」を披露する。

MCでは、数年前にシンガーソングライターまきちゃんぐのライブで初めて東京キネマ倶楽部を訪れたことを振り返り、この場所でライブをやりたいと思っていたと語る。この日は夢が叶った1日でもあったようだ。

次に披露されたのは、初のドラマタイアップとして書き下ろされた月10ドラマ『魔法のリノベ』のオープニング曲「魔法」。“主人公の小梅さんは、最初は人に心を開かない女の子だけど、新しい出会いを重ねるごとに素直になっていくところに自分も共感した”と制作エピソードも語られた。《今会いに行っていいですか?》で星のステッキをかざすと、ステージ横から大きな箱が登場。中にはドラマでお馴染みの“まるふくろう”が入っていて、さとうは大きなまるふくろうぬいぐるみを抱えながら歌唱した。

“次の曲はアイスのマンボ! 手拍子をお願いします! もっともっと!”の掛け声で会場を真夏の世界に誘うと、さとうはサングラスをかけ、出現したアイスの風船をパンチしたり、片手をチャーミングに動かしながら躍り歌った。

続いて目覚まし時計のベルが鳴り、階段に座り込んで歌い出したのは「Mr. pretz」。立ち上がると左手に持った本を置き、階段を降りていく。目覚まし時計を手に取るなど、豊かな表情でストーリーに引き込んだ。そしてアコギを持ち、「Lukewarm」を披露する。

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