天月ならではの解釈で自身に憑依させていく変幻自在のパフォーマンス

2022.01.19

2021年12月5日 @ 東京国際フォーラム ホールA
取材・文:後藤寛子
撮影:Miki Anzai

最初のMCで、前のめりに“楽しみにしてた? どうなんだい!?”と笑顔で尋ねる天月に、盛大な拍手で応えるオーディエンス。“オンラインライブもやらせてもらったけど、本当にこの日を待ちわびてたよ! 誰よりも僕が楽しみにしてたと思う”と、久しぶりの有観客の光景を見つめ“みんなが声を出せないぶん、僕がめっちゃ大きな声で歌うので、最後まで楽しんでいってください”と意気込みを語った。

天月とダンサーのダンスに合わせてオーディエンスも振付を楽しんだアップテンポな片思いソング「かいしんのいちげき!」から、高速のボカロ曲「ヴァンパイア」へ。同じラブソングながらまったく違うアプローチの2曲を歌いこなしてみせるのは、歌い手として幅広いジャンルを歌ってきたからこそだ。“今日はいろんな曲を用意しています”と宣言していたとおり、カバーから最新曲まで、さまざまな楽曲を通して天月の表現力を堪能できるセットリストになっていた。

天月が声を務める車掌と孤独な少女が出会い、ともに銀河旅行へと出発するムービーを挟んだあとは、衣装をチェンジしてバラードゾーンに突入。wacciの橋口洋平が提供した「赤い糸」、宮田‘レフティ’リョウが提供した「Caffe Latte」と、名コンポーザーによる珠玉のメロディをしっとりと歌い上げていく。スタンドマイクで語り掛けるように言葉を紡いだ「Fairytale,」では、後半に転調するドラマチックな展開に乗せたロングトーンが圧巻だった。

“このツアーに向けて、ななななんと!!新曲をご用意しました!”という発言に大きな拍手が湧いたあとに披露されたのは未発表曲「スノーパラダイス」。ポップなラブソングで、天月の高音を堪能できる伸びやかなメロディの1曲だ。クリスマスムードが増したところで、「天月Winter Song Medley」へ。「サンタが街にやってくる」のカバーから、これまで冬に届けられてきた「ベリーメリークリスマス」、「ウィンター・ワンダーランド」などを畳みかけていく。「StarMan!!!」ではギターを弾きながら幼さのある弾んだ声で歌い、ひときわ明るい色で会場を彩った。

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