LUNA SEA30周年ツアー、声帯手術を控えるRYUICHIが届けた全身全霊の歌声

2022.01.17

2022年1月9日 @ さいたまスーパーアリーナ
取材・文:田代 智衣里(Vocal Magazine Web)
撮影:田辺佳子、岡田裕介、横山マサト

LUNA SEAが1月8日(土)、9日(日)に、さいたまスーパーアリーナにて『LUNA SEA 30th Anniversary Tour -CROSS THE UNIVERSE- GRAND FINAL』を開催した。スティーヴ・リリーホワイトがプロデュースし、2019年12月にリリースされたオリジナル・アルバム『CROSS』を引っ提げ2020年2月にスタートした今ツアーは、コロナ禍の影響で延期を重ね、2021年6月からツアーを再開。このたび2年越しのグランドファイナルに辿り着いた。

喉の不調を抱えていたRYUICHI(vo)は、声帯にできた静脈瘤を除去することを昨年12月に公表。ツアー終了後の2月に声帯手術を控え、LUNA SEAは充電期間に入ることがアナウンスされている。公演は感染予防のために約15分間の換気休憩を挟んだ2部構成とし、第1部は『CROSS』収録曲を、第2部では代表曲を中心としたセットリストとなった。ここでは、関東最終公演となった9日(日)のレポートをお送りする。

自分たちが見たことのない景色をしっかり見に行きたいと思います

開演時間の15時を迎え、登場を心待ちにする観客から手拍子が湧き上がる。定刻から約10分が過ぎた頃、会場が真っ暗になると、集まった約1万人の歓喜が会場を満たす。ステージには緑色のドラムセットがライトアップされ、雷が落ちたように激しい光とSEが鳴り響いた。5人が登場し、第1部の幕開けに演奏したのは「LUCA」。RYUICHIが歌い出すと、観客はステージに向かって力強く手を振る。

RYUICHI(vo)

続く「Déjàvu」のイントロでヒートアップすると、真矢(d)の力強いビートに身体を乗せるように観客が動き出し、会場が揺れる。“さいたまスーパーアリーナ! おまえたちの心の声を聴かせてくれ!”とRYUICHIが力強くシャウトすると、観客も胸の内で叫ぶように、心を重ねた。

真矢(d)

“会場にいるみんな、心の声を俺たち5人しっかり受け止めるから、俺たちの思いもしっかり受け止めて帰ってください”というRYUICHIの掛け声で「Pulse」へ。続く「PHILIA」でRYUICHIはハンドマイクに持ち替え、前屈みの姿勢で力強い歌声を届けた。間奏ではマイクを両手で持ち、天に向かってシャウト。《そう痛みを 愛の痛みを離さずに/そう祈るから 永遠に願いが溢れていくように/今君に伝えたい 永遠のおとずれ感じたなら/手と手を繋ぐように 時を紡いでいけるさ》でスローになると、J(b)の奏でるピアノでRYUICHIが歌う。それからJはすぐにベースに持ち替え、再び速度を上げていく。ラストの一節《光の中へ》ではSUGIZO(g)、INORAN(g)、J、真矢がミュートし、RYUICHIのビブラートだけが鮮明に響いた。声帯手術を控える状況下で、緊張感のあるパートを惜しみなく披露するヴォーカリストとしての覚悟。RYUICHIに対するメンバーの熱い思いをひしひしと感じるステージだった。

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