あいみょん 弾き語りで2度目の日本武道館ライブ。“みんなの前に立って歌えてる5年間はすごい幸せやなと思いました”

2021年11月30日(火)@東京・日本武道館
取材・文:藤井 徹(Vocal Magazine web) 写真:鈴木友莉

2016年11月30日、シングル「生きていたんだよな」でメジャー・デビューを果たしてから、ちょうど丸5年。

あいみょんは『AIMYON 弾き語りTOUR 2021 “傷と悪魔と恋をした♡ in 武道館”』を開催し、2年9ヵ月ぶりに聖地のステージへギターを抱えて弾き語りスタイルで戻ってきた。

まだまだ人数制限はあるものの、有観客で実施され、ファンクラブ限定で生配信もされた記念すべき一夜をレポートしよう。

力強いストロークと歌声のダイナミクスで広い武道館を支配。

温かい拍手に迎えられ登場したあいみょんは、まず深々と一礼。ストラップをスッとかけて軽く音をチェックし、6弦から1弦へとピックをすべらせる。ツアー名にもなっている「傷と悪魔と恋をした!」からライブは幕を明けた。照明が極限まで落とされ、かろうじてその姿がほのかに見える中、繊細な声、小さな音のアルペジオ、一転しての力強いストロークと歌声のダイナミクスが広い武道館を支配していく。1曲目から弾き語りならではの“迫力”をぶつけられる。

会場に漂いピリッと凍りついた緊張の氷を解かすように、軽快な「青春と青春と青春」を披露。伸びやかで甘みのある声で《これは 恋さ》のロングトーンが響きわたる。3フィンガーによるアルペジオと高めのトーンで歌われる「ポプリの葉」を続けると、最初のMCへ。

照明を明るくした会場で、さまざまに視線を傾け語りかけるあいみょん。“やるまでさすがにちょっとゾワゾワ緊張もしたけど、みんなの前に立つとラフな感じでいい気がしてきた”とリラックスした雰囲気を醸し出す。“こんな感じでゆる〜く楽しく、今日1日を過ごせたらいいなと思いますが、いかがでしょう?”と問いかけると、会場も大きな拍手でこたえる。

“2年前の武道館で最初に歌った曲”とリズミカルに弾き出した「マリーゴールド」。胴鳴りが良いギブソンと、安定したミドル中心の声が織りなす豊潤な響きが心地よい。16ビートに乗せてファルセットから地声までを自在に行き来する「スーパーガール」、どこへも持っていけない恋愛感情をぶつけるように歌った「朝陽」と3曲を続けて披露した。

2回目のMCは母娘や姉妹、カップルで来たファンらへ直で話しかける。路上で歌っている時もこんな感じだったのかな?と思わせる、この親しみやすさも弾き語りライブの魅力だ。

繊細かつ力強い歌声が胸に突き刺さる「裸の心」、じわじわとした切なさがハイトーンで頂点に達する「恋をしたから」とスローバラードを続け、さらに最新シングル「ハート」へと連なる“恋愛ソング3連発”で心がギュッと掴まれる。

3回目のMCは花道を使って左右のスタンド席近くへ歩み寄る。オーディエンスは声を出せないため、それぞれにメッセージ・ボードを掲げて想いを届ける。それをできる限り拾い、声をかけてコミュニケーションを取っていくあいみょん。メジャー・デビュー5周年に触れて“いくらでもひとりで音楽は作って歌えるんやけど、みんなの前に立って歌えてる5年間はすごい幸せやなと思いました”と改めてファンへお礼の言葉を語った。

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